ハーグ陸戦条規の議論を採録

先日の議論より、ハーグ陸戦条規関連の議論を採録。同じような議論に使えるかもしれませんね。
なお発言者名は割愛させていただきました。

ハーグ陸戦法規なら無駄だからね。
軍服を脱いだ時点で交戦者の資格を喪失してるからw

>ハーグ陸戦法規なら無駄だからね。
>軍服を脱いだ時点で交戦者の資格を喪失してるから

ハーグ法規の第何条にそんな記述がありますか?

 第一章 交戦者ノ資格
 第一条[民兵と義勇兵]

 戦争ノ法規及権利義務ハ、単ニ之ヲ軍ニ適用スルノミナラス、左ノ条件ヲ具備スル民兵及義勇兵団ニモ亦之ヲ適用ス。
 一 部下ノ為ニ責任ヲ負フ者其ノ頭ニ在ルコト
 二 遠方ヨリ認識シ得ヘキ固著ノ特殊徽章ヲ有スルコト
 三 公然兵器ヲ携帯スルコト
 四 其ノ動作ニ付戦争ノ法規慣例ヲ遵守スルコト

 民兵又ハ義勇兵団ヲ以テ軍ノ全部又ハ一部ヲ組織スル国ニ在リテハ、之ヲ軍ノ名称中ニ包含ス。

第一条二項ですな。軍服を脱いではこの条件を満たせない。
便衣兵の処刑に軍事裁判の判決が必要だとする当時の法をいってみ

戦争ノ法規及権利義務ハ、「単ニ之ヲ軍ニ適用スル」ノミナラス「左ノ条件ヲ具備スル民兵及義勇兵団ニモ亦之ヲ適用ス」です。「軍服を脱いではこの条件を満たせない」などとはどこにも書かれていません

ハア?
じゃあ便衣兵が交戦者の資格第一条二項をどうやって満たしてるの?
この四項とも満たさないと国際法上の捕虜としての扱いは受けられないんだよ?
わかってんの?

四項とも満たさない「民兵及義勇兵団」には国際法上の捕虜としての扱いは受けられないが、「単ニ之ヲ軍ニ適用スル」ノミナラス「左ノ条件ヲ具備スル民兵及義勇兵団ニモ」亦之ヲ適用ス、と書かれています。軍服を脱いではこの条件を満たせない」などとはどこにも書かれていません。

じゃあ便衣兵でも条件を満たせますとも書いてないね。

では、ハーグ法規には「軍服を脱いではこの条件を満たせない」などとはどこにも書かれていない、ということでよろしいですね。

お前のほうこそ、便衣兵でも条件を満たせますと書いてないでいいんだな?w

便衣兵は、私服の人間が戦闘行為をする(あるいは企図する)時点ではじめて「便衣兵」なのであって、正規兵が私服に着替えただけではただの「兵士が私服を着た状態」にすぎません。ある人間を捕捉して「便衣兵」として処刑するには、戦闘を企図していたという証拠が必要です。では、四十九号文書にある「殺された男性」が戦闘を企図していたという証拠を提示してください。

便衣兵をどう処置しようと当時違法とする法律は存在しません。

占領統治下で、統治者は(戦闘中を除き)死刑判決なしには人を殺せません。

便衣兵摘発は軍事行動です。
これ以上はない戦闘中ですな

おやおや、軍事行動と戦闘の区別もつかないで議論していたのでしょうか。
片方が軍事行動をとっただけでは「戦闘」にはなりません。双方が武器をとって交戦してはじめて戦闘なのであり、この場合では私服の人間が武器を持って交戦している最中の殺害以外は「戦闘中の殺害」になりません。いったん捕捉した時点で「交戦」は終了しており、捕捉して以降の殺害は「戦闘中の殺害」とはなりません。
それ以前の問題として、便衣戦術をとる兵士と日本軍が交戦したという記録は、現在のところひとつも発見されていません。すなわち、交戦中の便衣兵を殺害というケースは現在ひとつも確認されていません。

>便衣兵を処刑しても当時いかなる法律にも違反してはいません。

統治者であれ、個人であれ、基本的に他の個人の生命を奪ってはいけないというのは自然法の次元です。ですから、近代において原則的に殺人は「違法」です。統治者が個人の生命を奪うことが許される例外は、先に述べた交戦時を除くと、死刑判決に基づく処刑のみでしょう。
いったん捕捉した人間を(仮に便衣兵であっても)判決なしに処刑する権利は統治者にありません。判決なき処刑はただの「私刑」にすぎません。まさか、当時の法律が私刑を合法化していたとは思えませんが‥