きょう、10月30日は「ザムザ阿佐谷」で月蝕歌劇団「家畜人ヤプー」初日を見た。
超面白かった。
超面白かった。
「家畜人ヤプー」は、謎の匿名作家「沼正三」氏が描いたSM小説だ。
もっとも、ぼくは原作小説を読んでいない。
石森章太郎(当時)とシュガー佐藤によるマンガ版は読んだ。
SM小説だと聞いていたので、なんでそんな原作を「サイボーグ009」や「仮面ライダー」の石森先生がマンガ化したんだろうと不思議に思っていたが、一読して、SM小説でありながら完全なSF小説でもあることを知ってビックリした。
人類の悪夢を描いているが、なぜ人類がそういう未来を歩むのか、それに巻き込まれた普通の人がどうなってしまうのかという「問いかけ」がある。
「ヤプー」に出てくる改造人間たちも、サイボーグ009や仮面ライダーに出てくる改造人間たちと同様どこかカッコイイし、逆に009や仮面ライダーがフリーキーな、エロチックな作品でもあると思えた。
石森版はドライで淡々とした筆致でエロチックな場面が描かれているのが奇妙な味でおすすめだ。
今回見た月蝕歌劇団の作品も、SM、SF、両方の意味で面白い。
がっつりエロいところが爽快感があるし、倉敷さん、湖原さんや今回新人の花音菜さんなど、美女揃いで、イースの世界が見事に表現されていて良かった。
途中から物語は日本現代史の暗部を風刺する方向に向かう。
匿名作家の沼氏は、完全にそのSM趣味の人だったそうだから、風刺が目的で書いていたわけではないだろう。
原作小説と、今日見た舞台版の関係は、サドの小説「ソドム百二十日」と、パゾリーニの映画「ソドムの市」の関係と一緒だと思う。
「ソドムの市」もサディストのオゲレツな行動は風刺のために描かれているが、同時にどうしようもなく見ているこちらも、独裁者目線で、劣情が催され、興奮する。
今日の舞台も、美女が半裸で乱舞するので、見ているこちらもどうしようもなく興奮した。
つまり、風刺と言っても、単純に圧政は悪いことで人民はかわいそうだ、というのではなく、自分たちの中に、圧制者の素質、そして圧政を喜んで受け入れるM男の素質を見出してしまい、その自分自身も含めた人類の暗部に興奮しながら暗澹とするのである。
原作「ヤプー」は不敬というかどで右翼の攻撃を受けて事件になったそうだ。
今回の舞台もばっちり不敬きわまりないセリフが出てきて、そこでまた、変な言い方になるが、興奮した。
ところが、原作「ヤプー」は愛国者で知られる三島由紀夫氏が高く評価していたそうだ。
これはどういうことだろうか。
そこもまた興味深い。
もっとも、ぼくは原作小説を読んでいない。
石森章太郎(当時)とシュガー佐藤によるマンガ版は読んだ。
SM小説だと聞いていたので、なんでそんな原作を「サイボーグ009」や「仮面ライダー」の石森先生がマンガ化したんだろうと不思議に思っていたが、一読して、SM小説でありながら完全なSF小説でもあることを知ってビックリした。
人類の悪夢を描いているが、なぜ人類がそういう未来を歩むのか、それに巻き込まれた普通の人がどうなってしまうのかという「問いかけ」がある。
「ヤプー」に出てくる改造人間たちも、サイボーグ009や仮面ライダーに出てくる改造人間たちと同様どこかカッコイイし、逆に009や仮面ライダーがフリーキーな、エロチックな作品でもあると思えた。
石森版はドライで淡々とした筆致でエロチックな場面が描かれているのが奇妙な味でおすすめだ。
今回見た月蝕歌劇団の作品も、SM、SF、両方の意味で面白い。
がっつりエロいところが爽快感があるし、倉敷さん、湖原さんや今回新人の花音菜さんなど、美女揃いで、イースの世界が見事に表現されていて良かった。
途中から物語は日本現代史の暗部を風刺する方向に向かう。
匿名作家の沼氏は、完全にそのSM趣味の人だったそうだから、風刺が目的で書いていたわけではないだろう。
原作小説と、今日見た舞台版の関係は、サドの小説「ソドム百二十日」と、パゾリーニの映画「ソドムの市」の関係と一緒だと思う。
「ソドムの市」もサディストのオゲレツな行動は風刺のために描かれているが、同時にどうしようもなく見ているこちらも、独裁者目線で、劣情が催され、興奮する。
今日の舞台も、美女が半裸で乱舞するので、見ているこちらもどうしようもなく興奮した。
つまり、風刺と言っても、単純に圧政は悪いことで人民はかわいそうだ、というのではなく、自分たちの中に、圧制者の素質、そして圧政を喜んで受け入れるM男の素質を見出してしまい、その自分自身も含めた人類の暗部に興奮しながら暗澹とするのである。
原作「ヤプー」は不敬というかどで右翼の攻撃を受けて事件になったそうだ。
今回の舞台もばっちり不敬きわまりないセリフが出てきて、そこでまた、変な言い方になるが、興奮した。
ところが、原作「ヤプー」は愛国者で知られる三島由紀夫氏が高く評価していたそうだ。
これはどういうことだろうか。
そこもまた興味深い。