アメリカ時間で9月10日、AppleからiPhoneの新型、5s/5cが発表された。
IPhone 5s
iPhoneはすぐに新型にするのだが、今回は迷っている。

音楽いっぱい入れたくないですか

今回いちばん気になっていたのが、MAXで64GBのストレージが128GBになるかどうかだった。
今回プレゼンテーションの生放送がなく(それもガッカリだった)同時通訳のサイトを聞いていたのだが、最後の、さいごまでこの話題が出ず、本当に最後になって「64GBはいくらいくらです・・・」というアナウンスが出て失望のうちに泣き寝した。

iPhone 4が出たときも、64GBが出ると思っていたのに、出なくって、結局4Sまでスキップしたことがあった。
今回もそのパターンのような気がする。

周囲の人は16GBで十分とか、32GBで十分とか言っている。
音楽を聴かないのか尋ねると、アルバムを何枚か入れているのでそれで十分と言う。
つまり、家を出るときに、今日どんな音楽を聴けばいいか分かっていて、マメに交換する、ということだろうか。

ぼくは全部入れたい。
毎日「今日、何を聴きたいか」なんかで頭を悩まして、ライブラリを「マメに管理」なんかしている時間を、時給に換算すると大変もったいないと思う。
だったらドンと入れておく。
そのためには64GBでは全然足りない。
少なくともiPod Classicの160GBは欲しいところだ。

音楽はiPodで聴くとか、ウォークマンで聴く、と言う人がいる。
ぼくはこれが出来ない。
まず、どっちかを忘れる。
音楽を調子良く聞いていて、iPhoneを喫茶店で忘れたり、iPhoneでTwitterしていてiPodを忘れたりする。
iPhoneで音楽を聴いている限りは、音楽を聴いているか、Twitterしている間は絶対に忘れないのである。
ぼくは大体音楽を聴いているかTwitterを見ているので、一個持ちになってからiPhoneを本格的に忘れたことは1回もない。

iPhoneで音楽を聴いているときに電話が掛かってくると、音楽がスッと小さくなって着信音が聞こえる。
ぼくはヘッドセットを使っているので、ボタンを押すと着信出来る。

シームレスだ。

これがiPodとの2個持ちだったらどうだろう。
音楽を聴いているので着信音が良く聞こえない、
慌ててカバンの中からiPhoneを出して~音楽を聴いているイヤホンを仕舞って~ようやくモシモシである。
これにはもう戻れない。

クラウドを使えばいい?

クラウドに音楽を入れればいい、という話もある。

AppleはiTunes Matchという機能を提供していて、それを使うと自宅のパソコンのiTunesライブラリーが外出中のiPhoneから聴けるようになる。
この機能の詳細はAppleの日本語ページでも提供されている。

iTunes Store:iTunes Match の登録方法

しかし、同じAppleのページで、iTunes Matchの利用可能国という記事があって、そこに日本は入っていないのである。

iTunes in the Cloud で利用可能なコンテンツおよび iTunes Match の利用可能国

腹立つ。

自宅のパソコンの音楽を、外出中から聴く試みはいくつかある。

ひとつはハードウェア的なもので、NAS対応HDDを買って、外からインターネットで見られるようにするものだ。
タッチでおうち iPhone・iPod touch・iPad用アプリケーション Web Access iでお気に入りを全部、いつでも再生 | BUFFALO バッファロー

これはいぜん使っていたのだが、当時は同じアルバムの連続再生が出来なかったので、すぐ使うのを止めてしまった。
上のページを見ると、今では出来るようだ。

その後Simplify Mediaというサービスを使っていた。
2008年頃、iPhoneがまだ3GSとかの頃の話だ。
これは自宅のPCをサーバーに音楽を外出先でも聴けるようにするもので、PCをつけっぱなしにしておく必要がある。
ところがこれが、Googleに買収されてしまったのである。
買収されるだけならいいが、それからトンとこの話は聴かなくなってしまった。
Googleが独自の音楽配信サービスを作るかと思ったのだが、その話が出てこないのである。

その後はAudioGalaxyに移った。
Simplify Media同様のサービスであったが、これも2012年12月にDropboxに買収されてサービスを停止した。
その後、Dropboxが独自の音楽配信サービスを作るかと思ったのだが、その話が出てこない。
ていうかさっきまったく同じような文を書いた気がする。

これ、なんなんだろう。
ユーザーが自宅から情報を発信して(と言っても、もともと金を出して買ったCDである)それを受信したら大変困る闇の組織かなんかがあって、そういう会社を買収しては、何もさせないで握りつぶす、というサイクルが出来ているのだろうか。
技術を使わないのなら買収は止めてもらいたい。

暫定王者Air Playit?

最近はAir Playitという同様のサービスを使っている。

(公式サイト)
Air Playit –WiFi,3G 4Gネットワークを通じて,iPhone, iPad, iPod ,アンドロイドへの映像,音声のストリーミングを行う

(iPhoneアプリ(無料)へのリンク)

Air Playit HD - Streaming Video to iPad

これもパソコンをつけっぱなしにしておくと、そのパソコンの中身が外からモバイル機器で見られるというサービスだ。
サーバー(家のパソコン)はWindowsとMacに対応し、クライアントはiPhone、iPad、Androidに対応している。

以下にWindowsのサーバー、iPhoneのクライアントで使う方法を紹介する。

Air PlayitはiTunesと無関係なプログラムなので、音楽が入っているフォルダーを手動で指定する。
ただし、このパソコンがiTunesを管理しているパソコンであれば、iTunesライブラリのフォルダーをここで設定すれば良い。

AirPlayitFolder

つぎにお使いのパソコンを世界に公開するが、これがちょっと難しい。

AirPlayitIP

Information画面で、ローカルエリア接続としてプライベートIPアドレス、Internet IPとしてグローバルIPアドレスが書いてある。
ここにアクセスするわけだが、ポート番号を指定する。
デフォルトでは37218になっている。

ところが、普通は家庭のインターネットルーターは37218は開放していない。
手動で開放する必要がある。

当然おうちのパソコンの脆弱性が高まるので、十分理解のうえ自己責任でやってください。

うちの場合は回線はフレッツ光、プロバイダーはぷららだ。
ルーターはRV-S340SEというやつで、これはフレッツのお兄ちゃんが置いていった。
このときものすごい腹が立つ事件があったのだが、そのうち書こう。

で、「RV-S340SE ポート 開放」でググるとこのページに当たった。

RV-S340SE ポート開放の説明

便利な世の中である。

基本的にはこうなる。

 ・ブラウザーで http://ntt.setup/ にアクセスする
 ・ログイン名でユーザー名、パスワードを入れる

これが分からなくて往生した。
結局ぷららを導入したパンフレットの表紙に自分で書いていて事なきを得た。
パンフレットの表紙なんかにユーザー、パスワードが書いているのは言語道断なので、ちゃんと変更してしかるべき管理を行った。

 ・左のナビゲーションバーから詳細設定>静的NAT設定を選ぶ
 ・空いているエントリ番号をクリックする
 ・以下のように設定する
  *優先順位を1に変更する
  *変換対象ポートを37218に変更する
  *それ以外はデフォルトを生かす
 ・設定をクリックする

これでOKだ。

AirPlayitに戻るが、Permission画面で複数のユーザーのPIN(暗証番号)が出来る。
Admin、kids、publicというのがある。
家族で共有し、子供にはアダルトコンテンツを見せない制御も出来る。
ぼくは一人なのでAdminだけだ。

画面を最小化するとタスクトレイに常駐化する。
Windows起動時に自動起動する設定にも出来る。

次にクライアント側の設定を行う。
今回はiPhone 5でiOS6を使っている。

ローカルサーバー、リモートサーバーという設定項目がある。
ローカルサーバーには家でWiFi接続する設定を、リモートサーバーは外からauの回線で接続する設定をする。

まずローカルを設定してみる。
 ・ローカルサーバーを設定する>手動でアドレスを指定するをタップする
 ・IPアドレスはさっきサーバー側に入っていたローカルエリア接続のプライベートIPアドレスを、
 ・ポート番号はさっき開放した37218を、
 ・PINはさっきPermission画面で設定したadminのPINを設定し、
 ・それ以外の項目はデフォルトを受け入れる。

設定したら接続して聞いてみる。
プレイヤーはほとんどiPhoneのミュージックアプリと同じつくりだ。

次にリモートを設定してみる。
iPhoneのWiFiを切って、さっきとほとんど同じ手順を踏む。
 ・リモートサーバーを設定する>手動でアドレスを指定するをタップする
 ・IPアドレスはさっきサーバー側に入っていたInternet IPのグローバルIPアドレスを、
 ・ポート番号はさっき開放した37218を、
 ・PINはさっきPermission画面で設定したadminのPINを設定し、
 ・それ以外の項目はデフォルトを受け入れる。

これでOK。

数週間使用しているが、特に大きな問題はない。

プレイヤーの使い心地が、やはりイマイチで、アプリをバックグラウンドに戻すと、また最初から階層をたどって音楽を指定しなければならない。

外から音楽を聴いてみたところ、音楽を聴き始める瞬間に電波が良くないとやはりダメだ。
いったん演奏さえ初めてしまえば、キャッシュしてしまうので快適に聴ける。
ぼくは出先で音楽以外に落語やラジオ放送などを聴くのだが、それでも快適だ。
ただ、ローカルの音楽ほどではない。

音楽をストリーミングで聴くのではなく、ローカルにダウンロードして聞く機能もある。
この場合Air Playitのアプリにダウンロードした音楽の一覧が出てくるのでそれを選択すれば、電波がないところでも聴けるはずだ。

音楽以外にも動画もみられる。
flv、mp4のほかに、wmvもそのまま見られるのがいい。
ただしDVDのisoそのままはさすがにダメだった。
また、大きい動画ファイルをダウンロードできない(ボタンがディセーブルされる)のは残念。



ということで、Air Playitには総じて満足している。
だから、音楽は家のiTunesから聴けばいいので、それならiPhoneは容量が小さくてもいいから5s/5cを買っちゃえよって話になるかと言うが、そんな気もしない。
Air Playitがいつまで持つかわからない。
Simplify Media、AudioGalaxyみたいに消えちゃうかもしれないのだ。

iTunes Matchを使えればいい。
これも海外のクレジットカードがあれば、米国のApple IDを作ればいいという話だがこういうグレーな話は清純で厳粛なことに定評があるこのブログで紹介することかなあという気もする。

Spotifyという無料音楽聴き放題のストリーミングサービスがあるが、まだ日本では登録できない。
プロキシサーバーを使えばいいという話だが、グレーではなくブラックという気がする。
インターネットに強いどっかの市長がこれをやって、やりかたをブログで公開していたので炎上していた。

武雄市の樋渡市長がSpotifyという日本で利用できないはずの音楽配信サービスを裏サイトを使って利用し他者にも勧めている件 - Togetter

ぼくは炎上したくないのでこういうのは自分ではやらないし、紹介もしない。

ということで、iPhoneで音楽をいっぱい聴きたいという願望は、技術的には全然可能なのだがイマイチ、という状況だ。
やはり5sには128GBモデルが欲しかった。