現在台湾ではボーイズグループオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)が放送されています。コロナ感染拡大により収録を継続できるか心配されていましたが、現時点では中断することなく放送されています。「原子少年」(ATOM BOYZ)にはアイドルを目指す男子総勢80名が参加していますが、いわゆる「PRODUCE 101」系のフォーマットとはルールがかなり異なります。80名の参加者はあらかじめ8つのグループ(太陽系の惑星)に分けられており、グループごとにパフォーマンスを競っています。
過去記事:台湾ボーイズアイドルオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)放送スタート
グループごとの初回公演を終え、2回目公演では台湾の先輩アイドルとのコラボパフォーマンスが行われました。
コラボパフォーマンスのゲストとして、2000年代の台湾芸能界で大活躍した先輩アイドルが続々と登場し、C-POPファンには懐かしいステージとなりました。
まず、火星(MARS)とコラボしたのは元Energyの坤達(謝坤達)です。
「Energy」は2002年にデビューした台湾HIP&HOPアイドルグループです。5人組としてデビューし、2009年に活動を休止するまでに通算8枚のアルバムをリリースしました。「原子少年」に審査員として出演している坤達(クンダー)はRAP・ダンス担当で、ソロになってからは俳優、司会者として活動しています。坤達は、40歳になったいまでもアイドルとして通用しそうなルックスです。
火星(MARS)と坤達のコラボパフォーマンス 曲「放手」(2004年発行のEnergy「4EVER」収録曲)
Energyがデビューしたのはかれこれ20年前の話になりますが、当時台湾では大変な人気がありました。
Energy 3rdアルバム「E3」2003年10月22日発売 このアルバムを最後にメンバーのToroがEnergyを脱退。Toroは当時一番人気でした。
木星(JUPITER)とEllaのコラボパフォーマンス 曲「來個蹦蹦」玖壹壹(Nine One One)feat.Ella(陳嘉樺)
180cm以上の長身の参加者を集めたグループ「木星」は、番組のメイン司会兼審査員であるS.H.EのEllaとコラボしました。
Ella(陳嘉樺)は台湾ガールズグループ「S.H.E」のメンバーで、台湾ドラマ版「花ざかりの君たちへ~花様少年少女~ 」ではボーイッシュな容姿を活かして主役を演じたこともあります。グループ活動休止後はソロで幅広く芸能活動をしています。元々トークは上手かったですが、結婚・出産を経て大人の女性タレントとしての安定感が増し、司会やコメンテーターとしても活躍しています。
S.H.Eは台湾の3人組ガールズグループで、中華圏を席巻するスーパーアイドルでした。2001年にデビューしてから2010年に活動休止するまで、実質約8年の間に数々のヒット曲を生み出しました。セリーナ(Selina)、ヒビ(Hebe)、エラ(Ella)というタイプの異なる3人のメンバーは親近感のあるキャラクターでファンの共感を集めました。S.H.Eファンの多くが女の子で、S.H.Eのメンバー3人の友情に憧れたものでした。
また、所属レコード会社「華研国際音樂」からリリースされる楽曲は非常にクオリティが高く、ライブも華やかで見応えがあり、2000年代において「アジアで最も売れたガールズグループ」でした。
2007年リリースのアルバム「Play」
地球(EARTH)とJPMのコラボパフォーマンス 曲「那不是雪中紅」JPMアルバム「月球漫歩」収録曲(2011年リリース)
JPMは小傑、王子、毛弟の3名からなるグループで「原子少年」のコラボステージをきっかけに6年ぶりに再集合しました。
JPMの3人は、台湾Channel [V] で放送されていたスター養成バラエティ番組「模范棒棒堂」から出てきたタレントで、小傑(シャオジエ)と王子(プリンス)は「Lollipop棒棒堂」(ロリポップ)のメンバーでした。「模范棒棒堂」は2006年から2009年まで放送された人気番組で、ボーイズグループ「Lollipop棒棒堂」を生み出した「第一代」は特に人気がありました。Lollipop棒棒堂はバラエティアイドルでしたが、楽曲もなかなか良かったです。また、楽曲の制作に参加しているメンバーもいました。グループの中でも人気の高かった敖犬(荘濠全)、王子(邱勝翊)はドラマにも多数出演しています。
Lollipop棒棒堂(ロリポップ)1stアルバム「哪裡怕」 2007年12月28日リリース 番組人気に押されて一世を風靡しました。
水星(MERCURY)と鬼鬼(呉映潔)のコラボパフォーマンス 曲「SUGER RUSH」 鬼鬼(呉映潔)
鬼鬼(グイグイ/呉映潔/ウー・インジェ)は、台湾アイドルグループ「黒Girl」のメンバーでした。「黒Girl」は「Lollipop棒棒堂」の女子版で、台湾Channel [V] で放送されていたバラエティ「我愛黑澀會」から出てきたアイドルです。若い出演者たちの忌憚のないトークが炸裂する番組で非常に人気がありました。同じテレビ局の番組から生まれたグループとして「Lollipop棒棒堂」と「黒Girl」は兄妹グループのような存在でした。
鬼鬼は「黒Girl」の中でも人気メンバーで、ソロになった後は、本名の呉映潔(ウー・インジェ)で韓国でも活動しています。
2013年に放送された「私たち結婚しました 世界版」で2PMテギョンの仮想妻として番組に参加したこともあります。
EP「我愛黑澀會美眉」2006年リリース 9名で活動していた初期のEP。
金星(VENUS)と愛紗のコラボパフォーマンス 曲「喇舌」大嘴巴(Da Mouth) 2010年リリースのアルバム「万凸3」収録曲
愛紗(アイサ)は台湾HIPHOPグループ「大嘴巴」(Da Mouth)のボーカルです。大嘴巴は2007年にデビューし、女性ボーカル1名に男性3名(ボーカル、RAP、DJ)というユニークな構成のグループで、台湾で非常に成功したグループです。
愛紗(アイサ)は日本人ですが、大嘴巴(Da Mouth)の女性メインボーカルとして流暢な中国語で歌っています。
1stアルバム「大嘴巴」(Da Mouth)
オーディション番組「原子少年」で久しぶりに舞台に立った先輩アイドルたちのパフォーマンスは、いまでも十分に輝きがあると同時に切なくもあります。
S.H.E、Energy、ロリポップ、黒Girl、大嘴巴・・・当時の台湾芸能、C-POPに親しみのある人間にとっては、ただただ懐かしい存在です。勢いに溢れていた頃の台湾芸能のさまざまなシーンが思い起こされます。
台湾芸能界が最も華やかで勢いがあったのは2000年から2010年頃までなのではと思います。
「流星花園」のF4、ジョセフ・チェン、ジェイ・チョウ、ジョリーン(蔡依林)、ショウ・ルオ、五月天(メイデイ)、バービィー・スー(大S)、小S・・・。台湾の人口は約2300万人にもかかわらず、あらゆるジャンルのタレントがひしめいていました。
台湾はアジアの中でもオープンな気質だと思います。明るくオープンで、なおかつ細やかさや温かみを持ち合わせた台湾の気風が芸能にも反映されていたと思います。
「原子少年」は先輩アイドルとのコラボパフォーマンスを終え、各グループから人気最下位の1名が淘汰されました。
さらに1名辞退者が出たため、現在の参加人数は71名です。第5週目まで放送されていますが、個人順位は発表されておらず、グループごとに順位を発表するのみです。
ただし、次回から2グループ混合でパフォーマンスを競うことになっており、その結果によって、グループが二つ消えるとされています。ここへきて急に緊迫感が増してきました。
「原子少年」からは最終的に二つの5人組グループがデビューする予定ですが、現在のグループ構成が維持されるのか、それともミックスされるのかはまだ分かりません。
アイドルとしてのポテンシャルが高い林佳辰(リン・ジャーチェン/Summer)、パフォーマンススキルが高く個性もある小孩(何世華/ Kidz)などが注目されていますが、グループとして期待度が高いのは「金星」(VENUS)です。
美の象徴である「金星」は中性的な魅力をグループの特徴としています。台湾はアジア初の同性婚法制化を実現しており、ジェンダーにおいてオープンで改革的な気風があります。
「金星」がそのままデビューできるとは限りませんが、「金星」のようなグループを生み出せるのは台湾だけだろうと言われています。
過去記事:台湾ボーイズアイドルオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)放送スタート
グループごとの初回公演を終え、2回目公演では台湾の先輩アイドルとのコラボパフォーマンスが行われました。
コラボパフォーマンスのゲストとして、2000年代の台湾芸能界で大活躍した先輩アイドルが続々と登場し、C-POPファンには懐かしいステージとなりました。
まず、火星(MARS)とコラボしたのは元Energyの坤達(謝坤達)です。
「Energy」は2002年にデビューした台湾HIP&HOPアイドルグループです。5人組としてデビューし、2009年に活動を休止するまでに通算8枚のアルバムをリリースしました。「原子少年」に審査員として出演している坤達(クンダー)はRAP・ダンス担当で、ソロになってからは俳優、司会者として活動しています。坤達は、40歳になったいまでもアイドルとして通用しそうなルックスです。
火星(MARS)と坤達のコラボパフォーマンス 曲「放手」(2004年発行のEnergy「4EVER」収録曲)
Energyがデビューしたのはかれこれ20年前の話になりますが、当時台湾では大変な人気がありました。
Energy 3rdアルバム「E3」2003年10月22日発売 このアルバムを最後にメンバーのToroがEnergyを脱退。Toroは当時一番人気でした。
木星(JUPITER)とEllaのコラボパフォーマンス 曲「來個蹦蹦」玖壹壹(Nine One One)feat.Ella(陳嘉樺)
180cm以上の長身の参加者を集めたグループ「木星」は、番組のメイン司会兼審査員であるS.H.EのEllaとコラボしました。
Ella(陳嘉樺)は台湾ガールズグループ「S.H.E」のメンバーで、台湾ドラマ版「花ざかりの君たちへ~花様少年少女~ 」ではボーイッシュな容姿を活かして主役を演じたこともあります。グループ活動休止後はソロで幅広く芸能活動をしています。元々トークは上手かったですが、結婚・出産を経て大人の女性タレントとしての安定感が増し、司会やコメンテーターとしても活躍しています。
S.H.Eは台湾の3人組ガールズグループで、中華圏を席巻するスーパーアイドルでした。2001年にデビューしてから2010年に活動休止するまで、実質約8年の間に数々のヒット曲を生み出しました。セリーナ(Selina)、ヒビ(Hebe)、エラ(Ella)というタイプの異なる3人のメンバーは親近感のあるキャラクターでファンの共感を集めました。S.H.Eファンの多くが女の子で、S.H.Eのメンバー3人の友情に憧れたものでした。
また、所属レコード会社「華研国際音樂」からリリースされる楽曲は非常にクオリティが高く、ライブも華やかで見応えがあり、2000年代において「アジアで最も売れたガールズグループ」でした。
2007年リリースのアルバム「Play」
地球(EARTH)とJPMのコラボパフォーマンス 曲「那不是雪中紅」JPMアルバム「月球漫歩」収録曲(2011年リリース)
JPMは小傑、王子、毛弟の3名からなるグループで「原子少年」のコラボステージをきっかけに6年ぶりに再集合しました。
JPMの3人は、台湾Channel [V] で放送されていたスター養成バラエティ番組「模范棒棒堂」から出てきたタレントで、小傑(シャオジエ)と王子(プリンス)は「Lollipop棒棒堂」(ロリポップ)のメンバーでした。「模范棒棒堂」は2006年から2009年まで放送された人気番組で、ボーイズグループ「Lollipop棒棒堂」を生み出した「第一代」は特に人気がありました。Lollipop棒棒堂はバラエティアイドルでしたが、楽曲もなかなか良かったです。また、楽曲の制作に参加しているメンバーもいました。グループの中でも人気の高かった敖犬(荘濠全)、王子(邱勝翊)はドラマにも多数出演しています。
Lollipop棒棒堂(ロリポップ)1stアルバム「哪裡怕」 2007年12月28日リリース 番組人気に押されて一世を風靡しました。
水星(MERCURY)と鬼鬼(呉映潔)のコラボパフォーマンス 曲「SUGER RUSH」 鬼鬼(呉映潔)
鬼鬼(グイグイ/呉映潔/ウー・インジェ)は、台湾アイドルグループ「黒Girl」のメンバーでした。「黒Girl」は「Lollipop棒棒堂」の女子版で、台湾Channel [V] で放送されていたバラエティ「我愛黑澀會」から出てきたアイドルです。若い出演者たちの忌憚のないトークが炸裂する番組で非常に人気がありました。同じテレビ局の番組から生まれたグループとして「Lollipop棒棒堂」と「黒Girl」は兄妹グループのような存在でした。
鬼鬼は「黒Girl」の中でも人気メンバーで、ソロになった後は、本名の呉映潔(ウー・インジェ)で韓国でも活動しています。
2013年に放送された「私たち結婚しました 世界版」で2PMテギョンの仮想妻として番組に参加したこともあります。
EP「我愛黑澀會美眉」2006年リリース 9名で活動していた初期のEP。
金星(VENUS)と愛紗のコラボパフォーマンス 曲「喇舌」大嘴巴(Da Mouth) 2010年リリースのアルバム「万凸3」収録曲
愛紗(アイサ)は台湾HIPHOPグループ「大嘴巴」(Da Mouth)のボーカルです。大嘴巴は2007年にデビューし、女性ボーカル1名に男性3名(ボーカル、RAP、DJ)というユニークな構成のグループで、台湾で非常に成功したグループです。
愛紗(アイサ)は日本人ですが、大嘴巴(Da Mouth)の女性メインボーカルとして流暢な中国語で歌っています。
1stアルバム「大嘴巴」(Da Mouth)
オーディション番組「原子少年」で久しぶりに舞台に立った先輩アイドルたちのパフォーマンスは、いまでも十分に輝きがあると同時に切なくもあります。
S.H.E、Energy、ロリポップ、黒Girl、大嘴巴・・・当時の台湾芸能、C-POPに親しみのある人間にとっては、ただただ懐かしい存在です。勢いに溢れていた頃の台湾芸能のさまざまなシーンが思い起こされます。
台湾芸能界が最も華やかで勢いがあったのは2000年から2010年頃までなのではと思います。
「流星花園」のF4、ジョセフ・チェン、ジェイ・チョウ、ジョリーン(蔡依林)、ショウ・ルオ、五月天(メイデイ)、バービィー・スー(大S)、小S・・・。台湾の人口は約2300万人にもかかわらず、あらゆるジャンルのタレントがひしめいていました。
台湾はアジアの中でもオープンな気質だと思います。明るくオープンで、なおかつ細やかさや温かみを持ち合わせた台湾の気風が芸能にも反映されていたと思います。
「原子少年」は先輩アイドルとのコラボパフォーマンスを終え、各グループから人気最下位の1名が淘汰されました。
さらに1名辞退者が出たため、現在の参加人数は71名です。第5週目まで放送されていますが、個人順位は発表されておらず、グループごとに順位を発表するのみです。
ただし、次回から2グループ混合でパフォーマンスを競うことになっており、その結果によって、グループが二つ消えるとされています。ここへきて急に緊迫感が増してきました。
「原子少年」からは最終的に二つの5人組グループがデビューする予定ですが、現在のグループ構成が維持されるのか、それともミックスされるのかはまだ分かりません。
アイドルとしてのポテンシャルが高い林佳辰(リン・ジャーチェン/Summer)、パフォーマンススキルが高く個性もある小孩(何世華/ Kidz)などが注目されていますが、グループとして期待度が高いのは「金星」(VENUS)です。
美の象徴である「金星」は中性的な魅力をグループの特徴としています。台湾はアジア初の同性婚法制化を実現しており、ジェンダーにおいてオープンで改革的な気風があります。
「金星」がそのままデビューできるとは限りませんが、「金星」のようなグループを生み出せるのは台湾だけだろうと言われています。