主催者の情けないニュースばかりが話題になるが、五輪の理念を感じさせる出来事があった。「福島の人々がファーストクラスの運営をしてくれた」。ソフトボール米国代表のエリクセン監督の言葉だ。 22日、福島あづま球場での日程を終了。会見で「復興五輪」の意義について私が聞くと、回答は熱を帯びた。「コロナ対策でメディアが外に出られず、福島が美しく、安全なことを世界に伝えられなかったことが残念」と悔やんだ。そして「桃はデリシャスだった」と笑った。ホテルで6個も食べたという。
元首相は映画『Fukushima 50』をどう見たか 菅直人インタビュー【1】 事故のリアリティはよく出ている。ただし描かれていないことも多い 中川右介 編集者、作家 東京電力福島第一原発事故から9年。事故対応にあたった原発職員たちの苦闘を描いた映画『Fukushima 50』(若松節朗監督)が公開されている。映画の中の内閣総理大臣は、怒鳴り散らすだけで役に立たない、ある種の「悪役」として登場しているのだが、当の菅直人元首相は自身のブログなどで「よく出来た映画だ」と、意外にもこの映画を好意的に評価している。菅元首相の著書『東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと』(幻冬舎新書)も担当した編集者・評論家の中川右介さんが、その真意と事故当時の模様を改めて聞いてみた。 「たしかに、私も大声を出しました」 ――3.11の原発事故を扱った映画は、いくつかありますが、事故の様子をこれだけリアルに再現
2011年に起きた東日本大震災と、福島第一原子力発電所の事故から10年。ライターのヨッピーさんが、原発の内部を見学してきました。復興の状況、廃炉への道のり、汚染水(トリチウム水)の処理問題……タレントのなすびさんや、いわき市小名浜の「上野台豊商店」上野臺 優さんの話と共に、現地の様子を伝えます。 先日、福島第一原発に行った。 10年前のあの日、「会社を辞めるぞ!」と決意したこともあって、退職手続きのあれこれに追われていたことを思い出す。 何事も「面倒臭いことは全部後回しにする」というややこしい性質を持っている上、「どうせもう辞めるし」と完全に会社を舐めてかかっていたので退職にまつわる書類の提出も期限ギリギリになって大目玉を食らった。 「今すぐ持って行け!」と上司に言われ、しぶしぶ東京の本社ビルに出向き、経理課長から「お前はいつも提出が遅い。最後の最後まで……」などとお小言を食らっている最中
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福島第一原子力発電所の事故を描いた映画『Fukushima 50』(若松節朗監督)が3月6日公開される。 【写真】死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い これは、一種の「戦争映画」だ。福島第一原発を戦場として描き、吉田所長以下の職員たちを兵士として英雄的に描く。 娯楽映画として、よくできている。 原発のプラント内の再現度が高い。といって、私自身が実際の原発を見ているわけではないので、どこまで再現されているかは確証できないが、リアルに感じた。 凄まじい事故だということ、原発内部の構造がよく分かる。そして、現場の職員たちの危機感もよく伝わってきた。よくぞ、日本は無事だったと思う。 しかし、大きな問題のある映画だ。 娯楽映画なので、作劇上、主人公であるヒーローに対し、悪役が必要なのは分かる。 この映画が扱う戦争では、倒すべき相手は「どこかの国」でもテロ組織でもなく、暴走している原発だ。
政府は、東京電力福島第1原発にたまり続ける処理水を24日に海洋放出することを決めた。だが地元漁業者らの反対は強く「関係者の理解」は得られないままだ。青山学院大の岸田一隆(いったか)教授は、科学と社会をつなぐ「科学コミュニケーション」の問題を指摘する。【聞き手・高橋由衣】 処理水の海洋放出を巡る問題は、どう解決すればいいのか。有識者に聞いた。 上=処理水放出、科学的根拠だけでいいのか 二極化する原子力の賛否 青山学院大・岸田一隆教授 中=処理水放出の反対理由は風評被害だけではない 苦しい立場の漁業者北海学園大・浜田武士教授 下=復興は福島だけの問題なのか 処理水放出めぐる政府の姿勢に疑問 千葉悦子・福島大名誉教授 福島第1原発の廃炉に伴って出る汚染水を、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」で処理すると、ほとんどの放射性物質は国の基準値未満まで取り除ける。しかし、唯一残ってしまうのがトリチウ
東京電力福島第1原発事故の健康影響を調べる福島県の「県民健康調査」検討委員会が31日、福島市で開かれ、事故以降に県内で妊娠や出産をした女性の健康状態などを把握するため実施してきた調査の結果、早産や子どもの先天異常などの発生率は「全国平均と変わらなかった」との見解を取りまとめた。 調査はアンケート形式で原発事故直後の平成23年度から開始。委員会によると、30年度までに延べ約5万8千人から回答を得た結果、早産率は4・8~5・8%、先天性の奇形や異常の発生率は2・19~2・85%だった。いずれも全国平均とほぼ同じ水準だった。 母親への支援事業として行っている電話相談で、放射線の影響を心配する内容の割合が年々減っていることなどから本年度で母親へのアンケートは終了する。委員会は、調査結果を社会に積極的に発信していく必要があると提言した。
1.事故対応3つのなぜ (1)なぜ福島第一原発にヘリで飛んだか(3月12日) <ポイント> 東電が申し出た格納容器のベントが実行されず、東電担当者が理由を即答できないなど、現場の様子が分からなかったからです。 吉田所長は「停電で手動ベントのため高線量で作業に時間がかかる」と述べ、「決死隊を作ってやります」と答えました。 現場を仕切る人物を見極められたのは最大の収穫でした。 (2)「海水注入」の真相(3月12日) <ポイント> そもそも海水注入は3月12日19時4分に始まりましたが、私にその報告はなく「待て」「止めろ」と言うはずがありません。 武黒フェローが吉田所長に海水注入中と告げられ「総理の了解が取れてないので待ってくれ」と言い、本店も中断を指示したのです。 だが所長は指示に従うふりをして注水を続けました。 (3)なぜ東電本店に乗り込んだか(3月15日) <ポイント> 3月15日3時頃に
日本の合計特殊出生率(以下、出生率)が2022年は1.26であると発表されたことで、出生率に関する記事が増えている。しかし、いまだに「出生率とは何なのか」十分に理解しないまま原因分析に入ってしまうケースが少なくないように思われる。その場合、必ず「あんなに出生率の低い東京都は少子化促進エリアだ」というような議論が浮上する。 はたして、これはいかがなものか。出生率の計算式の因果関係を理解したうえで慎重な検討がなされなければ、単なる若者に人気の都会叩きにとどまることになる。 そもそも、出生率が上下する要因は3つある。 1.既婚者(日本は98%が婚内子)のもつ1組当たりの子どもの数の減少 2.未婚者割合の増加(日本では未婚者の出産に占める割合は2%程度で捨象する水準) 3.測定エリアにおける未婚女性の移動状況(日本国全体では移民比率が2%程度なので捨象できるが、都道府県以下の単位では出生率に大きな
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「海洋放出が最も安全かつ妥当」な理由 『新基金は500億円、原発処理水放出の風評対策 漁業者の理解は』──。 2022年11月4日。朝日新聞は、東京電力福島第一原発から来春に海洋放出されるALPS処理水の風評被害対策費として、政府が500億円規模の新たな漁業者支援基金をつくることを報じた。 福島第一原子力発電所では、建屋内で放射性物質に触れた汚染水が発生し続けている。これを暫定的に貯蔵するタンクが敷地内に林立し、廃炉作業の大きな障害になってきた。 もっとも、これらを処分せず溜め続けた理由は技術的な問題では全くない。事故当初と異なり、すでに何年も前から汚染水は多核種除去設備(通称「ALPS」)を用いることでトリチウム以外の放射性物質を規制基準以下まで浄化することが可能になっていた。残るトリチウムは非常に弱いベータ線を出すものの、充分な希釈でリスクは無くなる。 そもそもトリチウムは自然界でも常
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みんなー!うしるだよー☆ 福島県福島市の福島駅にやって来たんだ! 今回はねえ!福島駅からバスに乗って吾妻山の麓、標高750mの所にある高湯温泉へ入浴しに行くんだ! 刮目してみてね♡ バスで高湯温泉へ向かいますの! 『高湯温泉のんびり館』にやって来ましたの! 内湯 四季の湯 脱衣所 浴場 洗面所 貸切風呂 憩いの湯 露天風呂 せせらぎの湯 脱衣所 浴場 泉質・料金・営業時間・アクセス バスで高湯温泉へ向かいますの! 高湯温泉へは、福島交通の上姥堂経由高湯温泉行のバスに乗って向かいます。平日は1日5本、休日は1日3本とめちゃめちゃ本数が少ない秘境路線です。 一ノ関駅から須川高原温泉にバスで行った時のトラウマを彷彿とさせるのじゃが・・・ 須川高原温泉までは90分かかったけど、高湯温泉は36分だから大丈夫だと思うの まあ、山岳地帯を走ることには変わりないんだけどね! グサッ!←薙刀が刺さる音 全く
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福島県浪江町で再生可能エネルギーで製造した水素を、空中に敷設したパイプラインで輸送する実証の実施が決定。地上や地中のパイプラインを利用する方法と比較して、水素をより安全に輸送できる可能性があるという。 ブラザー工業と巴商会、横浜国立大学は2020年8月6日、福島県浪江町から水素エネルギーの活用促進を目的とした「水素柱上パイプライン」による輸送実証事業を受託したと発表した。 水素柱上パイプラインは、水素を安全かつ安価に輸送する仕組みとして考案された手法。上空にパイプラインを敷設して低圧の水素を送ることで、災害などで配管が破断した際に空気より軽い水素は生活圏より上で拡散される。そのため、爆発に至る可能性は低く、人や生活に影響が及ぶリスクは低いという。また、地中に配管することを考えた場合、配管が破断した際に水素の漏出を感知するための付臭が必要となりますが、水素柱上パイプラインにはその必要もない上
ALPS処理水による風評影響を最大限抑制するには、ALPS処理水の処分に関する基本方針にも記載されているとおり、ALPS処理水の安全性等について、科学的な根拠に基づく情報を分かりやすく発信することが重要です。 放射線というテーマは専門性が高く、分かりづらいことから、できるだけ多くの国民の皆様に、一般の消費者の方々に関心を持っていただき、科学的根拠に基づく正しい情報を知っていただくため、イラストを用いて分かりやすく解説した本件チラシ・動画を国民の皆様に向けて、4月13日に公開いたしました。 このたび、国民の皆様の様々な声や感想を頂いたところ、それらを踏まえトリチウムのデザインを修正いたします。 このため、当該チラシ及び動画の公開を一旦休止いたします。
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2月、国の出荷制限が解除された福島県沖の「コモンカスベ」について、県内の漁協の組合長らが集まる会議で、水揚げを再開することが決まりました。 これで原発事故の後、出荷制限がかかっていた魚種はすべて水揚げできるようになります。 福島県沖の「コモンカスベ」は、去年1月にとれた1匹から、国の基準の1キログラムあたり100ベクレルを超える161ベクレルの放射性物質が検出され、福島県沖の魚介類の中で唯一、出荷制限が続いていましたが、その後の検査で安定して基準値を下回り、2月25日に解除されました。 これを受けて、3月30日、いわき市で開かれた漁協の組合長らが集まる会議で、コモンカスベの水揚げを再開することが全会一致で決まりました。 これで、原発事故のあと、出荷制限がかかっていた福島県沖の魚種はすべて水揚げを再開できることになり、震災前の漁業の形に一歩近づいたことになります。 県漁連の野崎哲会長は「出荷
東日本大震災9年-福島/水素エネの循環のモデルに 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の複合被災地である同県浪江町に7日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と経済産業省が整備を進めてきた「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所する。 再生可能エネルギーの太陽光が由来の水素を作る世界最大級の工場。再エネだけで水素を作ると製造段階も含めて二酸化炭素(CO2)を排出しない「CO2フリー」を達成できる。水素の「地産地消」が今後進めば福島の創造的復興を後押しすると期待される。 研究フィールドはNEDOと経産省による技術実証事業として計画された。再エネの導入拡大に伴う余剰電力を水素に変換させ、広く社会で利活用するモデルの確立を目指す。両者の委託を受けた東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業の3社が技術開発に当たる。 原発事故で一時全町避難を強いられた町には、9年が経過した今なお帰
浪江町の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造された水素を東京都内で将来にわたり継続的に利用する取り組みが20日、本格化した。東京都は今後、水素で走る都営の燃料電池バスや、業務で利用するトラックを運行する際に定期的に"浪江産水素"を活用する。東京電力福島第1原発事故の被災地発の水素製造技術が都民の生活を支える身近な存在となり、エネルギーの大消費地で脱炭素社会の実現を後押しする。 東京五輪パラで実績 都によると、同フィールドで製造された水素は2021年の東京五輪・パラリンピックの大会運営バスなどで使用した実績はあるが、都営バスの定期運行を含め継続して利用するのは初めて。当面は月1回、同フィールドから東京・江東区の新砂水素ステーションに水素約2600立方メートルを運び、燃料電池バスなどに供給する。水素で走る都営バス計75台のうち、十数台分の動力となり、1台当たり二百数十キロ走行
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)、東北電力(宮城県仙台市)、岩谷産業(大阪府大阪市)は3月7日、福島県浪江町で建設を進めてきた、水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」の開所式を開催した。 同施設は、隣接する太陽光発電(20MW)と系統からの電力を使用し、10MWの水素製造装置により、年間最大900トン規模の水素を製造・貯蔵・供給が可能となる、世界最大級の再生可能エネルギーを活用した水素製造施設だ。4者は今後、FH2Rにおいて、再エネの導入拡大に伴って発生する余剰電力を水素に変換し、貯蔵・利用する技術(Power−to−Gas)の技術実証を進める。
東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)は6月29日、同社が福島県のあづま総合運動公園(福島県福島市)とJヴィレッジ(福島県楢葉町)に納入した純水素燃料電池システム「H2Rex(TM)」2台が発電を開始したと発表した。同システムは、7月に本格稼働を予定している「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造した水素により発電している。 純水素燃料電池システム「H2Rex(TM)」は、水素を直接用いて、CO2を発生させずに発電する発電システムで、約5分で発電を開始できるという。発電した電力は照明や空調など各施設の電力の一部として供給され、発電の過程で発生する熱はお湯として有効活用される。
2019年09月19日09:00 福島の処理水放出予定より大量のトリチウムを毎年出している施設がある カテゴリ放射能 shun_ishizaka_invest Comment(12) ある議論に加わるために、福島第一原発のタンクに貯留中の処理水に関連して、世界の原子力施設で毎年放出されているトリチウム量を調べました。 試算してみると、現在有力な選択肢となっている福島からの海洋放出によるトリチウムの年間放出量はいくつかの原子力施設(フランス、イギリス、カナダ、韓国の施設)が毎年放出しているトリチウムの量より多い少ないことが再確認できました。 追記2021/4/15 天然に生じるトリチウムと各原子力施設の放出量の比較を追加しました(こちら)。 追記2021/4/25 韓国の月城原発を月島原発と誤記していた部分を訂正しました。有賀太鳳さん、ご指摘ありがとうございました。0.概要 世界の原発や原子
太陽光や風力など再生可能エネルギー(再エネ)で発電した電力から作られる「グリーン水素」。生産時にも利用時にも二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、次世代エネルギーとして注目されている。開発の最前線をひた走るのは、山梨、福島の両県。再エネの出力が天候によって安定せず、「出力制御」を余儀なくされる近年の課題への解決策としても期待される。 国内最大の出力規模オンライン記者会見の画面の向こうに、「世界最大級」のサプライズが盛り込まれていた。先月5日、飲料大手サントリーホールディングス(東京)と山梨県の連携を発表。同県北杜市の同社グループ2工場に、太陽光発電による電力を使ったグリーン水素生産設備を導入するというものだ。 出力規模16メガワットは、国内最大、世界的にもトップクラス。政府が脱炭素に取り組む企業を支援する2兆円基金の一部を活用し、令和6年度末までの稼働を目指す。生産した水素は燃やして熱
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