イングランド銀行の総裁が提唱した理論らしい。86年のワールドカップ メキシコ大会でイングランドとアルゼンチンが対戦した際に、マラドーナは2得点をあげている。最初の得点が「神の手」のゴールで、2得点目が5人のデフェンダーをかわしつつ60ヤードを独走して奪取したゴールである。最初の得点は伝統的な金融政策を示し、2得点目は新しい時代の金融政策を示しているという。60ヤードをマラドーナはほぼ直線に独走した。なぜほぼ直線に走りながら5人も抜くことができたのか。それはイングランドのデフェンダーがマラドーナがこう動くだろうと勝手に想像し、右に左に動いてくれたためにマラドーナ本人はまっすぐに走っているだけで良かったのだという。金融政策における市場の期待を有効に活用することで中央銀行は実際には政策金利を変動させずに経済に影響を与えることができるとしている。 http://www.boj.or.jp/type

命題1：財政スタンス（財政赤字の累積額）が一定である限り、中央銀行がどれだけバランスシートを拡大させても、民間金融機関の貸出が増加しないならば、マネー・ストック（貨幣供給量）は増大しない。 上記の命題1には重要な前提条件が隠されている。その前提条件とは、中央銀行のオペレーション（資産の売買）の相手方を民間金融機関に限定する、言い換えれば、中央銀行は中央銀行システム（中央銀行及び民間金融機関）の内部取引のみ行うという意味で、あくまでも伝統的な金融政策の枠内に留まるということである。 実は、この隠された前提条件を守るか否かによって、政府の財政スタンスが一定、民間金融機関の貸出が一定の場合に命題1が成立するか否か、すなわち、中央銀行のバランスシートの拡大がマネー・ストック（貨幣供給量）の増大をもたらすか否かが決まる。 2001年3月から2006年3月にかけて日銀が実施し、自ら「量的緩和」と呼ぶ「