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詩人・萩原朔太郎が昭和十一年に著した「自転車日記」の全文を掲載します。 わずか六日分の短い日記です... 詩人・萩原朔太郎が昭和十一年に著した「自転車日記」の全文を掲載します。 わずか六日分の短い日記ですが、大正十年の暮れに一念発起して自転車を習い始めた朔太郎の悪戦苦闘の様子が赤裸々に綴られていてじつに面白いです。どうぞお楽しみください。 自転車日記 萩原朔太郎 十二月二十日 今日ヨリ自転車ヲ習ワント欲ス。貸自転車屋ニ行キテ問エバ、損料*半日二十銭ナリト言ウ。ヨリテ一台ヲ借リ、附近ノ空地ニ至リテ稽古ス。操縦スコブル至難。ペタルヲ蹈メバタチマチ顛倒*ス。ヨリテ人ヲシテ車体ヲ押エシメ、ヨウヤクニシテ車上ニ乗ル。シカモ一歩ヲ蹈メバ直チニ顛倒シ、車ト共ニ地上ニ落ツ。身体皮肉痛苦甚ダシ。ヨリテ止メテ帰ル。 *損料 借り賃 *顛倒 顛はヘンのアタマがヒ 十二月二十一日 弟ヲ伴イテ教師トナシ、早朝ヨリ練習ス。ヨウヤクヤヤ数歩ヲ蹈ムヲ得タリ。シカリトイエドモタチマチニ落ツ。弟曰ク。サナガラコレ酔漢ノ漫歩ニ似タ
2012/12/29 リンク