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湯川秀樹博士のノーベル賞受賞など輝かしい歴史を誇る日本の原子核物理学。しかし、草創期の終戦前後は... 湯川秀樹博士のノーベル賞受賞など輝かしい歴史を誇る日本の原子核物理学。しかし、草創期の終戦前後は苦難の時代でもあった。軍の依頼で極秘に行われ失敗に終わった原爆開発、その後に起きた円形加速器「サイクロトロン」の破壊事件。記録や関係者の証言を基に、科学者が巻き込まれた2つの出来事の「当時と今」を追った。 ◇ ≪理研「ニ号研究」≫ ■幻の原爆開発、ウラン濃縮が壁 ■実験失敗、焼失した「始終苦号館」 由緒ある高級住宅街として知られる東京都文京区の本駒込。その一角に、昭和初期の建物が1棟残っている。かつての理化学研究所の研究棟37号館だ。この東隣にあった木造2階建ての49号館で戦時中、極秘の原爆研究が行われていた。 研究が始まったのは戦前の昭和16年4月。欧米で核分裂反応を利用した新型爆弾が開発される可能性が指摘されていたことを背景に、陸軍が理研に原爆の開発を依頼した。核物理学の世界的権威だった仁科
2018/05/06 リンク