オルタナティブな社会について | エピローグのなかから

オルタナティブな社会について | エピローグのなかから

オルタナティブな社会とは、環境とは何でしょうか。 全ての人が幸せに生きる理想郷でしょうか。 でも安...概要を表示 オルタナティブな社会とは、環境とは何でしょうか。 全ての人が幸せに生きる理想郷でしょうか。 でも安定した理想郷が存在すれば、人は危機意識と生存する能力を奪われないでしょうか。 たとえば、日本の人の洪水との関係を例にとると、完全な堤防が築かれることによって、逆に洪水への危機意識や対応が技術が失われてしまうという指摘があります。丈夫な堤防といっても、150年、200年に一度の大洪水には耐えられない。その時、対応する力をもたない場合の被害の甚大さを減少させるために、むしろ小規模な水害はおこったほうが長い目でみて良く、1人1人が洪水に対し、危機意識と責任をもち、対応力を常日頃から培っていることが必要だというのです。 環境や壊れやすい生態系を犠牲にしても、丈夫な堤防をつくるかどうか、という判断の是非を今ここで決めるつもりはありません。そうではなくて、この事例が提供する一つの視点について考えてみたいと