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前期のメルロ=ポンティの思想において、セザンヌの画業に示された真理とは、主体としての身体ならびに知... 前期のメルロ=ポンティの思想において、セザンヌの画業に示された真理とは、主体としての身体ならびに知覚の認識論的かつ存在論的優位ということだった。具体的にはセザンヌの色彩観にメルロは多大の影響を受けている。たしかに物象(もの)が見えるのは輪郭線によってそれが空間のある場所に限定されているからである。こうした事態はどのようにして可能なのか。これがセザンヌの問いだったしメルロの問いでもあった。 知覚のただなかに出現する物象の数的同一性(一個のリンゴ、一本の鉛筆…)は――セザンヌが身をもって了解したように――知性が対象に付与したものではなく、感性の深みで捉えられた色彩の横溢そのものに過ぎない(「色彩を塗るにつれて、デッサンも進むのだ」)。それでは光と色彩がどのようにして輪郭をともなった形態に転換するのだろうか。 この問いに応じるには、少なくとも二つの論点を解明する必要がある。1つには、色彩から形態
2010/12/03 リンク