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福田はサルトルの小説『嘔吐』に登場する女の言葉を引用しながら、〈演劇〉なる人間の営みの本質に切り... 福田はサルトルの小説『嘔吐』に登場する女の言葉を引用しながら、〈演劇〉なる人間の営みの本質に切り込んでいる。(福田恆存評論集、第4巻「人間、この劇的なるもの」、麗澤大学出版会、2009.) 女は自分が「特権的状態」と名づけるものについて例をあげながら述べる。「特権的状態」というのは、「完璧な瞬間」を実現するのにつごうがいい条件を備えた格別な状況のことだ。 端的に言って、人の出生は特権的状態になりえない。生まれるときの私たちはたんなる「物体」せいぜい「生物」に過ぎないからだ。出生は人間(person)にとっての「出来事」にはなりえない。 しかし死は万人にとって「特権的状態」である。死にはいつでもすでに「意識」が与っている。(念のために付言すれば、ここでいう「死」とは生理的な意味でのダイイング(dying)ではなくて、人間学的カテゴリーとしての〈死〉にほかならない。) 死に際して人は主役になる