エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
レダンからの報告を待っていた王都にその一報が届けられたのは、アラス峠に雪が降ったあとのことだった... レダンからの報告を待っていた王都にその一報が届けられたのは、アラス峠に雪が降ったあとのことだった。 報告を聞いたあとは、王太子エイリーク・ナダールほか、執務室にいた者全てが無言だった。 執務机の向こうの椅子に腰を沈めた王太子は、黙ったまま、手振りで諸卿に、下がってよい、と示す。 執務室には、王太子と、そしてソファから立ち上がれなくなったノール伯爵ルドヴィーコ・フォスカールの2人だけが残された。 「――なぜだ」 呻くような声が響いた。 王太子の声だった。 ソファで頭を抱えていたルドヴィーコが視線を天井に向け、長いため息をついた。 ――自分たちはあの令嬢を見誤っていた。能力も気性も気概も、何もかもを。 その後悔と敗北感だけが、ルドヴィーコの心の中にある。 「すべて」 声を絞り出すように、ルドヴィーコが答える。 「すべて、かの追放者の、掌の上でございました」 血を吐くような声だった。 「これから