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しばらくすると、大きな鳥居の前に出た。ここはどこだろう、と立ち止っていると「お若いの」と呼び止め... しばらくすると、大きな鳥居の前に出た。ここはどこだろう、と立ち止っていると「お若いの」と呼び止められた。 声の主は、お正月に谷中の墓地のそばで出会って、雑煮をごちそうしてくれた南海先生と名乗った老人だ。明治時代の中江兆民の本の中から抜け出してきた、などと言っていた。(2014年1月9日の東奔西走を参照) しかし、今日の南海先生は、若い男と一緒だ。 「わしじゃ。南海先生じゃ。靖国神社のお参りに来たのか」 「えっ。ここが靖国神社なんですか。来るのは初めてですよ」 「情けないのう。ここにいるわしの中国の友人は、日本を研究しておられるのだが、わざわざ靖国神社を見に来たのじゃ。偉いもんじゃ。もっとも、中国共産党の宣伝に毒されているところはあるがな」 「尊敬する南海先生といえども、そのお言葉は聞き流すわけには参りません。私は、日本人が今も信仰する靖国神社というところを、客観的に知りたいと思っているだけ
2014/05/19 リンク