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これまで2回のリポートでは南シナ海領有権紛争での中国の理不尽な態度を伝え、中国の海洋戦略一般の特徴... これまで2回のリポートでは南シナ海領有権紛争での中国の理不尽な態度を伝え、中国の海洋戦略一般の特徴を説明してきた。この戦略は当然、東シナ海の日本の尖閣諸島に対する中国の領有権主張をも含んでいる。 では日本は中国の尖閣への動きにどう対応すべきなのか。ワシントンでの米国側の考察や意見をも踏まえながら、私自身の見解を述べてみよう。 【その1】 実効統治を強化せよ 第1に日本が取るべき行動は、尖閣諸島の実効統治の強化である。 自国領土を自国固有の領土として確保するためには、当然ながら、その統治を内外に鮮明にしなければならない。ごく自明の基本である。だが、わが日本政府はその自明な措置さえをも長年、避けてきた。日本政府は尖閣に対しては、「中国を刺激しないため」という理由で日本国民の接近や上陸を長年、禁じてきた。灯台の建設まで阻んできた。つまり尖閣の統治をあえて明確にしないという政策を取ってきたのだ。