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『八島』(やしま)は、『平家物語』に取材した能の作品。観世流では『屋島』。成立は室町時代。作者は... 『八島』(やしま)は、『平家物語』に取材した能の作品。観世流では『屋島』。成立は室町時代。作者は世阿弥。複式夢幻能、修羅能の名作といわれる。『平家物語』の巻11「弓流しの事」などから取材され、屋島の戦いにおける源義経主従の活躍と修羅道に落ちた武将の苦しみが描かれている。 能のあらすじは次のとおりである。都から旅に出た僧(ワキ)が、讃岐国屋島(八島)の浦に着く。漁翁(前シテ)と漁夫(ツレ)が塩屋に帰ってきたことから、僧は、漁翁に一夜の宿を借りる。漁翁は、僧の求めに応じ、かつての屋島での源平合戦で、源氏方の三保谷四郎と平家方の悪七兵衛景清が一騎打ち(錏引き)をした様子などを物語る。漁翁は、義経の亡霊であることをほのめかして、姿を消す(中入り)。そこに塩屋の本当の主(アイ)が帰ってきて、僧に、屋島の戦いの様子を改めて説明する。僧が待ち受けていると、義経の亡霊(後シテ)が甲冑姿で現れる。義経は、屋