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だれしも死ぬときはあまり苦しまず、人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたいと思って... だれしも死ぬときはあまり苦しまず、人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたいと思っているのではないでしょうか。 私は医師として、多くの患者さんの最期に接する中で、人工呼吸器や透析器で無理やり生かされ、チューブだらけになって、あちこちから出血しながら、悲惨な最期を迎えた人を、少なからず見ました。 望ましい最期を迎える人と、好ましくない亡くなり方をする人のちがいは、どこにあるのでしょう。 *本記事は、久坂部羊『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。 死を受け入れることの効用 父は医者の不養生を地で行く人で、もともと麻酔科医でしたが、糖尿病でありながら、食事療法などはいっさいせず、七十歳で倒れたときには血糖値が七百を超えていました。 八十歳くらいまでは生きたいと思っていたようですが、その年齢を超えると、今度は無闇な長生きを恐れるようになりました。九十歳や百歳ま