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〔成立〕 高畠藍泉作、明治八年(一八七五)刊の中本もの(滑稽本)である。跋文に拠れば、明治七年の冬... 〔成立〕 高畠藍泉作、明治八年(一八七五)刊の中本もの(滑稽本)である。跋文に拠れば、明治七年の冬に執筆したものを、友人井上氏が清書して挿絵を入れて出板せよと乞うので止むなく出板を承知したとある。大袈裟な卑下は近世的な戯作の伝統に負ったものである。開化物流行の最中に作られた仮名垣魯文『安愚楽鍋』の影響作。藍泉が出した本の初作かと思われる。 〔作者〕高畠藍泉は天保九年(一八三八)生、明治十八年(一八七五)没。明治五年三月の東京日日新聞創刊時に記者となり、この頃から転々堂主人と号す。のち、明治十五年に二(三)世柳亭種彦を嗣ぐ。仮名垣魯文に嗣ぐ明治初期文壇の重鎮。 〔内容〕ある春雨降る晩、口入屋である開化屋での百物語で、次々に「殿様の化物」「絃妓の化物」「半過通の化物」「侠客の化物」「書生の化物」「麥湯女の化物」「若商の化物」が登場、明治初期の東京風俗を活写しつつ、様々な大言壮語を吐いていく。ふ