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われ発見せり 社会システム論と物象化論 金田智之 かつて真木悠介が『現代社会の存立構造』においてサル... われ発見せり 社会システム論と物象化論 金田智之 かつて真木悠介が『現代社会の存立構造』においてサルトルや廣松渉を踏まえて指摘していたように、疎外と物象化は労働の出来事なのではない。一般的等価物としての貨幣への物象化とは、貨幣経済としての資本主義、そしてその下で生じる労働疎外という現象の別の名なのだ。この両者の根底には、紙幣への物心的崇拝が潜んでいる。 ところで、二クラス・ルーマンによれば、近代社会とは社会的機能の機能分化が徹底して行われた社会なのだという。この徹底した機能分化により、教育や政治、経済、法、宗教などなどといった機能システムはそれぞれ他の機能システムとは無関連に自律的に作動するようになった。また、こうした特徴を持つ近代社会にとって、「社会を維持すること」とは「コミュニケーションを維持すること」を意味するようになる。そして、このコミュニケーションの接続にとって重要な鍵を握るのが