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「ピンポーン」 次の週の金曜日夜19時30分過ぎ、 俺は意を決して香織の部屋の玄関チャイムを押していた... 「ピンポーン」 次の週の金曜日夜19時30分過ぎ、 俺は意を決して香織の部屋の玄関チャイムを押していた。 もちろん香織が5分ほど前に マンションに帰ってくるのを 確認している。 この1ヵ月というもの、 香織の週間を見続けてきた俺は ほぼ毎日同じ生活パターンをとる 香織の生活を覚えていた。 いつものとおりなら いまごろはジャケットを脱ぎ バッグを片付けて お茶を飲むためにお湯をわかしているはずだ。 「はい」 インターフォンから声が聞こえる。 俺はカラカラに乾いた状態で 1週間のあいだに 何度も練習したセリフを口にした。 「すいません。管理会社の鈴木といいます。 4階の方のお宅で水漏れが出たものですから……」 「えっ?……本当に?」 香織は少し動揺したようだ。 「そ、それで……?」 俺はさえぎるように 「はい、ちょっと簡単な確認だけでもさせていただければと思いまして。2、3分ですむかと思います
2010/08/22 リンク