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「貧乏」というと、自分には縁遠い話と感じる読者がいるかもしれない。たとえば、1984年のバブル初期に... 「貧乏」というと、自分には縁遠い話と感じる読者がいるかもしれない。たとえば、1984年のバブル初期に発売され、ベストセラーとなった渡辺和博の「金魂巻」を覚えている読者も多いであろう。「マルキン」・「マルビ」というラベルで医者のような職業でもビンボーがいる「驚き」を描き、一世を風靡した。 だが、日本における「格差社会」「生活保護受給者の増大」は、まさに貧困問題の現れである。特に貧困高齢者の健康状態は劣悪だ。他方、日本の子供の貧困率も経済協力開発機構(OECD)諸国の中ではより深刻なグループに属している。そして、貧困が世代を超えて再生産されている可能性も大いにある。こうした日本の「貧乏」の問題が、失われた20年に特有の問題かといえば、そうでもなさそうだ。貧困の問題は、長らく日本の経済学の中心的な課題だった。 大正時代に日本で紹介された経済学の貧困研究 例えば代表的なマルクス経済学者だった京都帝
2013/06/20 リンク