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拙著のサポートページでも補足したが、大恐慌の最中にハイエクとケインズが行なった論争は、今日でも重... 拙著のサポートページでも補足したが、大恐慌の最中にハイエクとケインズが行なった論争は、今日でも重要な意味がある。テクニカルな話なので、経済学に興味のない人は無視してください。 ハイエクのケインズ批判はきわめて難解で、その資本理論は混乱しており、『一般理論』が大成功を収めたため、この論争はケインズの勝利に終わったと思われているが、いま読み直してみると、別の見方も可能だ。ハイエクの主要な論点は、失業の原因はケインズの考えていたような集計的な過少消費ではなく、個々の産業で労働供給と需要の一致しない状態が続く市場の歪みだということだった。 当時はミクロ的な調整メカニズムを実証的に分析するツールがなかったため、ハイエクの理論は無視されたが、こうしたコーディネーションの問題はのちにClower-Leijonhufvudの不均衡理論や、Lilienのsectoral shift理論として定式化された