蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

金沢で食べた寿司の概念を超えた寿司

金沢に旅行してきた。

北陸新幹線に乗り、一泊2日。新幹線は5〜6年に一回しか乗らないので、東京駅の改札で毎度戸惑う。切符を2枚入れてもいいのか、パスモはいつピッてすればいいのか。同じように戸惑っている人が改札口でだんご状に固まっていて邪魔なことこの上ない。

また、私のiPhoneが壊れていて、外カメラが一切使えなくなり、インカメしか動かなくなってしまったので、私のスマホではろくに写真を撮れなかった。今回載せた写真もすべて妻の撮ったものだ。私の撮った写真はすべてピンボケしているか、中心が被写体からズレていた。

 

このようなさまざまな困惑はあったものの、基本的に金沢は楽しく、美味しく、よいところだった。

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海鮮丼とか、

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金箔ソフトとか(金箔に味は一切なく、唇や前歯がキラキラになる効果を発揮するだけである。それはそれとしてソフトがやたら美味しかった)、

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お出汁のきいた おでん、、、

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このドーナツみたいなやつは車麩(くるまふ)というお麩の一種で、これがお出汁を吸いに吸って、もはや出汁を「食べる」ための媒体(メディア)になっている。車麩もそれ自体がなんだかもちもちしてて美味しい。

おでんっておかずにならないし練り物ばっかだし意味わかんね〜とちょっと思ってたけど、金沢でおでんを食べてからめっちゃ好きになった。

今すぐ東京のおでんも食べたい。

おでんは日本人の素晴らしい発明のひとつだ。

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市場では新鮮な生牡蠣とホタテも食べられた。

噛むと汁がじゅわりとあふれ出て、濃縮された海が脳天を突き抜ける。レモン汁と醤油をかけると、牡蠣の味が爽やかになって、口の奥ではミルキーになる。

生牡蠣は好きなのだけど、新鮮じゃないと美味しくないし、腹を下す可能性もあるので怖い。

こうした市場で新鮮なものを存分に頬張れるのは幸せなことだ。

 

なによりも美味しかったのは寿司。

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このノドグロの炙りがもう……

寿司の概念が変わるくらい美味しかった。

炙りの香ばしさ、脂が上品で嫌にならない。

ノドグロという魚は口に入れると溶けてなくなるようにできている。口の中を泳いで、自ら胃に落ちていく、刺身になっても利口な魚なのだ。

炙りに限らず生でも同じくほどける魚で、颯爽と旨みだけを残して思い出になる。そのはやさたるや、切なくなるほどに。

ウニとかカニとかエビも東京の回転寿司で食べるものより美味しかったけれど、このノドグロほどの感動は、これまでの人生でもなかなかないものだった。

これを食べるためにまた金沢に行ってもよいと思える。

 

金沢は関東からも関西からも観光客が多くて、一部の寿司屋やおでん屋などは20組待ちが当たり前になっていた。おでん屋は行こうと思っていたところが20組待ちになっていて埒が開かなかったので居酒屋に飛び込んだのだが、結果としてそれが正解だった。

寿司屋は45組待ちだったが、市場で食べ歩きをしていたらうまいこと順番が回ってきた。

人気ゆえに待ち時間がそれなりにかかる観光地かもしれないが、そこでの巡り合わせもまた一興だろう。

 

tabelog.com

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