蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

落城していないぞ

首里城が全焼してしまった。 朝からそのニュースに衝撃を受け、暗い気持ちになった。 首里城を沖縄の象徴と仰いでいた当地の人たちはもっとショックだったろう。かける言葉もない。ただ想いを馳せることしかできない。 ↓ 首里城に行ったのは、今年の2月だっ…

白くて細くてしなやかな、

白髪。 幼い頃から耳の上に数本、白髪があった。 「天才の証だ」と大人たちは言うけど、その説が間違っていることを私は証明してしまった。 私のいとこも若白髪の人で、この人は大手自動車メーカーのエンジニアになって現在は管理職で活躍しており(情報番組…

一途と呼んでちょうだい

マルチタスクを抱えるのが苦手で、いくつかのことを同時進行でやるというのは至難の業だと思うし、仕事のできる人はそうやって同時進行でいくつも仕事をこなして、効率的に時間を使うので、いつかモノにしたいなと思う。 私は昔から同時進行というものができ…

「気をつけて」のおまじない

中学のとき、同級生の彼が大きな交通事故に遭い、入院した。 どのくらい大きな事故だったかというと、彼は頭を打ち、記憶を失くしてしまった。 数学や英語のことは覚えているし、自分の名前などは憶えていたのだけど、部分的に、かつ大胆に、友だちのことや…

コスモスは遠い秋の日

秋なんだし、秋らしいことをすべきなのではないか?なぜなら私たちは季節の言葉の中で生きている詩的な生き物なのだから。 そういうわけで、私と恋人は立川の昭和記念公園にコスモスを見に行くことにした。 ついでに新宿でプリンを食べようという話にもなっ…

火のないところで炎上する

菅官房長官が数千円の高級パンケーキを食べていたことで炎上してしまったが、しかしながら見かけるツイートは「激務の公職者がたまのパンケーキを食べたっていいだろ別に!」という炎上に対する批判意見、いわゆる逆炎上ばかりで、はたしてほんとうにパンケ…

好きな中華屋

金曜日、早番で17時前に会社を出た私は、近所の中華屋へ行った。 その中華屋はとても古く、私の祖母が若かったころから変わらずそこでチャーハンやらラーメンや餃子を商っている。 昭和の情景を色濃く残す店内は長年の経年劣化でどこもかしこも古く色褪せて…

痒みのにおい

満員電車はこの世に存在する乗り物の中で最も醜悪な乗り物のひとつだが、とくに寒くなってからの満員電車は最悪中の最悪である。 駅で待つ間に冷えた体は楽園的温もりを求めて満員電車へ入るが、そこにあるのは人間しかいないとは思えぬ動物的なニオイと こ…

君に会えないということ

たぶん、遠距離恋愛になったら身がもたないんだろうなと最近思う。 というのも、一週間会えないだけでこのザマだからだ。 このザマ一覧 ・すべてにおいてやる気が出ない ・性欲がなくなる ・食欲減退 ・眠りが浅くなる ・ため息が出る ・泣きたくないのに涙…

即位したし、ビールでも飲むか

さすがに、即位礼正殿の儀を肴にして酒を飲むのは非国民ではないか、そもそも昼間から酒を飲むなという声が聞こえてきそうでもあったので、即位の御様子を、膝を正して御Twitterで拝見した。 雨風が烈しかったのに、その時間になるとぱたりと止んで太陽が皇…

秋雨ですな

近頃は細かい雨が降り続いており、それは誰にも等しく降り注いで肌を冷やし、寂しい気持ちにさせる。 極悪である。 とくに台風の被災地においては復旧作業が急がれる中、ぬかるんだ地面の上では作業も進むもんじゃない。晴れるべきだ。 ただでさえ死にたくな…

それは詩だった

詩ってあまり読(詠)まないのだけど、私の中に詩とはなにかという確たるものがあって、それを忘れないようにしている。 人それぞれ詩とはなにか、の答えを持っているだろうから、あくまで蟻迷路はそう考えているんだな、と思ってくれればいいし、思わなくても…

喫煙席を探している、人生の無駄な時間

昼に髪を切り、ラーメンを食べ、夜の飲み会まで時間があったので、どこか喫茶店にでも入って本でも読もうと思った。 せっかく街に出たのだから、ドトールとかベローチェじゃなくて、古めかしい喫茶店に入りたかった。ガロの『学生街の喫茶店』に出てくるよう…

折り畳み傘を買いたい

折り畳める傘、折り畳み傘。 小学生の頃、折り畳み傘に強烈な憧れを抱いていた。 折り畳み傘はちょっと大人の持っているアイテムに思えたからだ。 「折り畳み傘欲しいのだが」と母堂に訴えても買ってもらえなかった。 「普通の傘あるんだからいいじゃない」…

没頭の快楽

この世にはいろいろな快楽があるけれど、「没頭」の快楽はどれにも代えがたい。 快楽に没頭するのではなく、「没頭」することそのものの快楽である。 私が覚えている最初の没頭は、幼稚園で絵を描いたときのことだ。私は年中さんか年長さんであった。 幼稚園…

哲学的ゾンビを見分けるにはどうすればよいか

哲学的ゾンビという学術用語がある。 あえて難しく説明すると、哲学的ゾンビ(てつがくてきゾンビ、英語: Philosophical zombie、略: p-zombie)とは、心の哲学で使われる言葉である。「物理的化学的電気的反応としては、普通の人間と全く同じであるが、意識…

熊殺し

僕は、錆びた骨の折れたビニール傘で小熊の心臓を突きながら、師匠の言葉を思い出していた。 「母熊を殺された小熊は、生涯人間への恨みを忘れず、いつ村を襲ってもおかしくない。だから、母熊を殺したらその子も殺すのだ」 骨の砕ける不気味な感触が傘の柄…

失われた味、再び。

まずはこちらの記事を読んでほしい。 失われた味は私たちの思い出 - 蟻は今日も迷路を作って これは5月に書いたブログで、私と恋人が行きつけだったイタリアン・レストランが消滅した悲しみを書いたものである。 私たちは思い出の一部を失うような悲しみを覚…

台風一過、浜歩き

皆様、無事ですか? 台風19号が通過して各地に爪痕を残し、一部地域では被害も出たけれど、私の家は幸運にもなんともなくて、やれやれと胸をなでおろすことができた。 それにしても朝起きたら快晴で昨日の嵐が嘘みたいだったから驚いた。これぞまさに台風一…

料理ができないのではなく、やったことがないだけだ。

料理する小説書きたいな……と思い続けて半年、全然書けないでいるのは、構想が雑然としていてまとまりがないのと、私が料理に造詣が浅いためまったく想像できないからである。 家庭科の授業でピラフを作ったり、カステラを焼いたりしたことはあるが、さて、今…

台風19号のエロス

台風19号はいつにも増してヤベーやつらしい。 インターネッツでもテレ・ビジョンでも安全確保を促しているし、台風の目が二つあるだの史上最強だの、大袈裟で出鱈目な情報が氾濫し、正確な情報を得るのがむつかしくなっている。 こういう災害のときはデマが…

にきびとの付き合い方

肌が弱く、24になろうかという年齢になっても頻繁にニキビができる。 中高生の頃はニキビ面で、そのせいで自分に自信が持てなかったし、周囲からも「顔を洗え」だの「ケアしろ」だの、わかりきっていることを悪意もなく言われて傷ついた。 顔を洗っても、ケ…

ドラえもんの(不)完全さ

「のび太はいいよな、ドラえもんがいて」 『ちびまる子ちゃん』でまる子が小憎たらしくそう言っていた。メタ発言である。 そのとき まる子は便利な道具欲しさにのび太を羨ましがったし、当時ちびまる子ちゃんを読んでいた私も、便利道具欲しさにドラえもんを…

ぺあうぉっち

今年の冬、1月か2月か、あるいは3月だったかもしらん、我々恋人はかねてより望んでいたペアウォッチを購入した。 ペアウォッチとはなにか。 ペアのウォッチである。 二つの時計はつがいになっていて、片方は私が、もう片方は恋人がそれぞれの腕に装着し、離…

宇治拾遺物語巻一の三「鬼に瘤取らるる事」が面白い

宇治を読んで訳すなどほざいて数か月、あれから私はほとんど読んでいなかった。 気力がなかったのだ。 arimeiro.hatenablog.com 恥ずかしい。 ↓ 訳しては無いのだけど、さいきんまたちみちみ読み返していて、おもしろい話があったので紹介しよう。 巻一の三…

映画的2つの持病

私は持病が2つある。 「ポセイドン時無呼吸症候群」と「シネマ前過剰尿意症」だ。 この二つの病がどのようなものか、知らない人も多いと思うので、紹介しよう。 マイナーな病気だけど、同じように苦しんでいる人がいるかもしれない。情報共有を図って、病気…

最後の蚊

そろそろ裸で寝るのにも寒くなってきたので、昨晩から服を着て寝るようにしてるのだが、スネが痒くて、なんだなんだと見てみたら、ほらご覧、蚊に刺されていた。 痒いわ、アホ。 まだくたばっていなかったのか。 もう秋だぞ。おれだって裸で寝るのをやめたん…

十種競技に挑んでみた!

世界陸上にラグビーにバレーボールに……観戦に忙しい日々を送っている、と書きたいところだけど気まぐれに見るだけで専ら本も読まずマリカツアーをやっている私。 そんで気まぐれに見た世界陸上で「十種競技」をやっていた。 十種競技とは、跳ぶ、走る、投げ…

ミサンガいつまでつけてた?

小学生時分、ミサンガが流行った時期があった。 女子が糸をちねって編み、なんか、くれた。小学校の文化祭で配ったりもしていた。 とくにサッカー少年たちはミサンガをよくつけていた。手首、足首だ。両方に装着する者もおり、どんな願いが込めてあるんだろ…

「何か」を食われる夢

最近はウェブメディアの「オモコロ」をよく閲覧してる。 omocoro.jp オモコロを見ていると、どんなに辛いことがあっても記事を読んでいる間だけは現実を忘れることができて、癒し、ではないけど麻酔のような効果があり、しかも中毒性があって、そこに私はハ…