映画『チェンソーマン レゼ篇』を原作もTVアニメも知らずに観てきた。観劇後、不思議な感覚になった。
改めて思い返してみると、これはドラゴンボールのラブコメ版なんだと気付いた。ドラゴンボールの中盤以降は、暴力を基軸に友情やライバル心、師弟愛や家族愛を巡る物語となるが、レゼ篇は暴力を基軸にしたラブコメと見ることができる。
ラブコメにおける男女の痴話喧嘩が、後半の戦闘シーンに相当する。そこでは多くの人が殺害され、街が大規模に破壊されるのであるが、以前から何種類もの悪魔が存在して人間が大量に殺害されているという設定により、後半の戦闘シーンは痴話喧嘩のような軽い印象を与える。
だから、勝敗が決した後に殺されそうになったデンジの方からレゼに逃避行を持ちかけるという、冷静に思い返せばあり得ない展開にも違和感がない。痴話喧嘩後に仲直りするカップルのように。しかし、ヒロインが正当な理由により警察に殺害されるという、通常のラブコメでは絶対にあり得ない結末が、この不思議な感覚を生んだんだな。たぶん。知らんけど。