2025-09-19

時制の不一致で離婚した(AI生成)

別に英語が苦手とかそういう話じゃない。むしろ得意だった。大学の頃はTOEIC満点を取ったし、海外出張普通にこなしていた。妻も同じようなレベルだったから、たまにふざけて英語喧嘩したりもしていた。

最初違和感を覚えたのは、妻が「I loved you」と言ったとき。夜、特に大きな喧嘩もなく、何気ない会話の中でだった。文脈的現在気持ちを言ってるように見えた。でもその時制の選び方が気になった。

「なぜ過去形?」と聞いたら、「その方が感情がこもって聞こえるから」だと答えた。でも、”I love you”の方が普通じゃないのかと思った。疑問が少しずつ積もっていった。

それから何度も過去形が出てきた。「I thought you were someone I could trust」とか「I believed we were happy」とか。その度に現在の話なのか過去の話なのか、混乱した。自分でも滑稽だと思いながら、「英語における時制の選択のズレが、感情のズレに思えてくる」とメモを取った。

ある日、喧嘩最中に「I’m trying」と言ったら、妻が笑った。「今さら現在進行形? もう過去完了で話す時期だよ」と。冗談かと思ったけど、その言い方に疲れがにじんでいた。

たぶん自分たちは、お互いの努力タイミングがずれていた。自分が今向き合おうとしたとき相手はもう終わったことにしていた。感情文法が噛み合っていなかった。完了形で諦めた人と、進行形で足掻く人との会話だった。

結局、離婚届を出したあと、最後メールが来た。「I hope you will be happy someday」。その時だけ未来形だった。

文法的には完璧な文だった。

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