結局のところ、どんな背景やプランや意味が込められていたとしても、その過程が綿密で計算高く素晴らしかったとしても、大衆が考える「オリンピックのイメージ」にうまく応えられず、佐野研の作家性を強目に押してしまったのが今回の結果だと思う。
思っているのと違うものが来ちゃったんだよね。
だから今回のデザインはオリンピックっぽくなくて、いったいなんなんだ…という感触が生まれた人々が少なからずいたんだと思った。
求められていることに応えようという姿勢がエンブレムからあまり伝わってこなかった感じ。(でももしかしたら佐野研の応え方のレベルが高すぎて、僕にはついていけなかったのかもしれない。ごめんなさい。)
グラフィックがいくら良いものだと専門家達が言っても、消化不良気味だったのはこれだったんだ。
つまりこのエンブレムについて僕は、マジカルバナナ!バナナといったら黄色!黄色といったら貯金箱!って返されて「エ…?みんなが貯金箱を黄色とは考えなくね…?」と思うのと同じだと考えました。すっきりしました。