しわしわの顔。彼は、人間じゃないみたいだ。
しゃがれた声で、彼は言った。
「おうおう坊ちゃん。どうしてこんなところに降りてきちまったんだい」
「ええと、その」
「しゃべんなくていいんだぜ、俺にはわかるんだから」
「はあ」
「そうだな、あの坂を転がっちまったんだな」
僕の心臓が掴まれたように鼓動を強めた。
「なんせ俺ってばよお、サトリなんて妖怪やってるもんだからよう」
「サトリ・・・?」
「そうそう、サトリって奴だ。あんたの心の声が聞こえるのさあ」
「はあ」
「無感動な坊ちゃんだねえ」
中学生のころ書かされてた小説が色々と酷かった。
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