ヴェライゾンはコネクテッド・デヴァイス専用のネットワーク構築でコストが大幅に低減できると表明

インターネット・オヴ・シングズにはさまざまな期待が掛けられているが、スマート・メーターやらネット接続冷蔵庫といったモノに専用の移動通信網は必要なのだろうか？
ヴェライゾンは少なくとも「そうだ」と答えるらしい。同社は水曜日、新型４GLTEネットワークを小型端末向けの特注で構築していることを表明した。これらの端末にはデータの断続的通信が必要だが、従来のような携帯電話並の接続環境を整えるほどの理由がない。
もし現存する携帯電話ネットワークにこれらの端末を接続するのなら、ごく限られた頻度でしかやりとりしない接続にどこまでコストを許すかという問題がある。これこそ、携帯電話の電波を利用した各種機器が最低でも月に数ドルは利用料がかかる理由であり、キャリアが違ってもさほど差がない。そのため、小型端末はほとんど携帯電話やタブレットと同等にネットワーク上で扱われ、携帯電話番号すら付与されたりする。
水曜日、ヴェライゾンは「シングスペース」という横断幕の下、新たな部署を多数設置したことを表明した。インタヴューでヴェライゾンのシニア・ヴァイス・プレジデントを務めるマイケル・ランマンは同社が現在、付属研究所で新方式のネットワークの試験運用を進めていることを明かした。３月末までには公共利用開始も見込むという。
相当な額に達する月間最低維持料は、各種端末のネットワーク利用の前にはだかる障壁となっている。また、もうひとつの障壁は端末を束ねるモジュールの費用だ。ヴェライゾンは順次改善策を進めていると述べ、インターネット接続端末にLTEの導入を可能とするモジュールを水曜日に初披露目した。ランマンによると、ヴェライゾンはパートナー企業との協働で来年にはコスト低減を実施できるという。
それらの２つの段階は、端末ごとに課金される月間使用料が無料になるところへ行き着くという。たとえばアマゾンのキンドルは、すでにそこに行き着いているが、その他の少量データ通信端末においては大概、携帯電話用ネットワークを利用するだけの十分な理由がない。書籍は数少ない例外であり、顧客は通信費用がほんの数ペンスしかかからないコンテントに数ドルを払う。
次世代ネットワーク技術の５Gは接続される端末が急増することに当初から最適化される計画となっている。だが、ヴェライゾンなど数社は来年に試験運用に着手する計画かもしれないが、準拠すべき水準値がまだ存在せず、本当の意味で商用化が実現するには５年はかかりそうである。
ヴェライゾンはスマート・デヴァイスの総合的な稼働状況を実現するまで長く待つ事態を避けたいとランマンは述べている。普及の途上にある４GLTEについても、端末とネットワークの両面でコスト低減は十分可能性があるとランマンは語る。
ヴェライゾンが水曜日に発表した内容はおおむね、社会基盤メーター、農業、工業施設などの事業者利用を前提とした携帯電話用ネットワーク活用である。同社はたとえば、ワイン製造元のハーン・ファミリー・ワインズを挙げて、セントラルコースト地区の葡萄畑において湿度センサーをインターネット接続する試験を進めていると紹介した。センサー導入以前は、ワイナリーは個別の葡萄の需要を計測するのではなく、全体に一定量の水撒きを実施していた。
「彼らはいままで水撒きが過ぎたり、足りなかった農地も一部にあったことを学んだのです」とランマンは言う。「たいへん気に入ってもらえました」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Ina Fried.)