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さて続いてはアクアコミックスから、矢口華江先生の初コミックス『やん×でれ~デレたヤンキーはお好きですか?~』をご紹介しましょう。
これは一風変わった“優等生受け”になってます。
主人公(攻)の山口旬(やまぐち・しゅん)は、高3になってから家の事情で転校するハメになりますが、転校初日、始業式に出て仰天してしまいます。
壇上、挨拶に上がっている生徒会長の顔に見覚えがあったからです。
黒縁眼鏡にきっちり髪を分けた、見た瞬間に生徒会長! という出で立ちのその生徒は、中学時代、自分もヤンキーとして暴れていた山口の敵対校で“伝説のヤンキー”と言われていた男・赤坂国彦その人だったからです。
やん×でれ~デレたヤンキーはお好きですか? (アクアコミックス) (2009/12/12) 矢口 華江 商品詳細を見る |
これは一風変わった“優等生受け”になってます。
主人公(攻)の山口旬(やまぐち・しゅん)は、高3になってから家の事情で転校するハメになりますが、転校初日、始業式に出て仰天してしまいます。
壇上、挨拶に上がっている生徒会長の顔に見覚えがあったからです。
黒縁眼鏡にきっちり髪を分けた、見た瞬間に生徒会長! という出で立ちのその生徒は、中学時代、自分もヤンキーとして暴れていた山口の敵対校で“伝説のヤンキー”と言われていた男・赤坂国彦その人だったからです。
赤坂の強さは知らぬ者のないほどでした。
いわく、一夜にして暴走族を一人で壊滅させたとか、バックにはヤクザがついてるとか…。
そんな伝説のヤンキーだった男が、眼鏡に七三分けの生徒会長として壇上に上がってるんだから、そりゃ驚くってものですが、山口が周囲の生徒たちに赤坂のことを聞いても、返ってくるのはこんな声ばかりでした。
「頭いいのに鼻にかけたりしないし、誰にでも優しいよ?」
「真面目で誠実な生徒だね。困ったことがあったら相談するといい」
「笑顔がステキよね~!」
かつてケンカの現場で、山口は赤坂の暴れっぷりを目の当たりにしたことがあったのでした。
その時、まるで狂犬のような赤坂の恐ろしさに惹かれ、敵ながら憧れのような感情を持っていた山口は、なんだか頭が混乱してしまいますが…。
むふふふ。
一風変わってるでしょ~?
受けキャラが生徒会長なのは“優等生受け”ではあるんですが、もともとの優等生じゃなくて、もとは伝説のヤンキーだったけど今ではなぜかおとなしい生徒会長になってるという。
でも、見かけは完全にインテリな会長さまになってるんで、ブログ主的には全然OKです(笑)。
さて、混乱した山口は、「本人に聞くのが一番早い」と、生徒会室を訪れ、赤坂に聞くのでした。
「あんたいつから生徒会長なんかやってんだ? もうやんちゃはやめたのか?」
その瞬間!
さっと赤坂の顔色が変わりました。
「お、お前…何で知って…」
「中学ん時、一度だけアンタを見たことがあるよ。伝説の不良なんて言われてたのに、なんで生徒会長なんかやって…」
「た、頼む! 中学の時のことは黙っていてくれないか!」
なんと!
かつて伝説のヤンキーと呼ばれたあの赤坂国彦が土下座せんばかりに懇願してきたのでした。
じつは、親の再婚で赤坂には可愛い小学生の義妹ができたというのです。
自分のことを大好きで、「とってもいいお兄ちゃん」と慕ってくれる義妹が、もし兄がヤンキーだったなんてわかったら学校でいじめられるに違いない…。
そう考えた赤坂は、一切の過去を捨て、優等生として今の高校でも生徒会長まで上りつめていたのでした。
「頼む! 誰にも言わないでくれ!」
涙ながらに訴えてくる赤坂。
だが、その必死の表情を見た瞬間、山口の背筋には「ぞくり」と戦慄が走ったのでした。
かつて自分が憧れた伝説のヤンキーが、弱みを隠してほしくて自分に懇願している――。
中学時代なら、普通の不良だった山口は、とても赤坂には近づくことさえできなかったはずです。
それが、今では立場が逆転してしまったという。
その瞬間、山口は自分でもわけのわからぬ衝動に押されて、眼鏡の生徒会長になってしまった赤坂を抱きしめると、「ちゅっ」と音を立ててキスしていたのでした。
「取引しようか。誰にもいわないよ。かわりにしばらく付き合えよ、生徒会長様?」
そう言って、もう一度深く赤坂に口づける山口。
うぎゃぎゃぎゃ!
伝説のヤンキーと呼ばれた無敵の男が、かつては相手にもならなかった後輩に口づけられて身動きひとつできずに真っ赤になってますよ!!!
こ、これは萌える…!
実際に「かぁ~」という効果音とともに、赤坂が真っ赤になってる様子が描かれてるんですが、いやこの場面の絵が優等生スキーの心をそそるのなんの!
ちなみにもとは伝説のヤンキーでも、今では眼鏡の生徒会長さまなんで、ビジュアルはそういう風に描かれてます。
で、本作はここからさらに萌えます!
無理やり言うことを聞かせて、毎日の昼飯を一緒に屋上で取るようにさせた山口と赤坂なんですが、赤坂は手作りの弁当を持ってきてるんですね。
山口が聞くと、
「妹が作ってくれたんだ…」
なんて頬を赤らめる赤坂ですが、山口はそんな赤坂を見て、「う、可愛いな…」なんて呟いて、また衝動的にキスしたりしてます。
何度も書きますが!
あの伝説のヤンキーさまが!
山口にキスされて身体の力抜けちゃって、とろとろの顔になっちゃうんですよ、ここで。
ええっ!
伝説の男はじつは童貞で処女!? という勝手な妄想がブログ主の頭を駆けめぐり、うーむ、この性的なおぼこさはやばすぎる…! と胸がきゅんきゅんしてしまいました(笑)。
で、あんまりにエロい顔になっちゃってるんで、山口はそれに煽られて、赤坂を抱きしめると、恥ずかしいところを揉んじゃったりしてるんですな!
「よせっ! はなせっ!」
でも、身体は感じちゃって、ぎゅう~っなんて山口に抱きついてくる赤坂。
伝説のヤンキーのそんな様子を見て、山口は「ゾクゾクゾクッ」なんて音を立てて戦慄に震え、また抱きしめてキスしちゃうんですな~。
いやー、この後ですね、本作はこんな2人のヤキモキが何十ページも続きます。
もう悶え死ぬかと(笑)。
こーゆー設定のマンガって意外にありそうでないですからね!
どうですか、そそられませんか?
はい、次!
これで今日何冊目だろう…。
現在10時ちょうど。
書き始めてから6時間…。
つ、疲れた!(笑)
でもやれるところまでやろう。
つーか、まだ紹介しないといけない本は山積みですし(笑)。
続いては、火崎勇先生のショコラノベルス『ダイヤモンドは傷つかない』です。
これはなかなか“優等生受け”としては難しい一冊。
主人公(受)が成績優秀、運動万能で幼いころから何不自由なく育った高校生で、今では学園の生徒会長を務めているという、設定としては申し分ない“優等生受け”なんですが、火崎勇先生が本作で描きたいのは、決してそのあたりの関係性ではないと思うからです。
でも、物語のそこかしこに“優等生受け”風味が出てくるので、ここでこそっとご紹介させていただきましょう。
いまちょこっと書いたとおり、主人公(受)の香月北斗(こうづき・ほくと)は、人望、カリスマ性、頭脳、美貌のすべてを持った高校生。
強気でワガママな性格も、「それが香月というヤツ」ということで広く受け入れられ、何よりも正義と公平を重んじるその性格で、生徒会長として名門高校に君臨しています。
そんな香月が、自分のサポート役として見つけ出し、生徒会副会長に指名したのが、眼鏡をかけいつも沈着冷静な男である同級生・山岸宗一郎でした。
山岸は、日々、完璧なサポート役として、香月の生徒会長としての活動を支えてます。
口数少なく、自分自身がものすごく切れる頭脳を持っているのに、「俺は支えるほうが合っている」と言って香月の下で黒子に徹しているのです。
(いつも自分のそばにいて欲しい)
(他の人間などいらない)
(山岸がそばにいればいい)
(他の人間には渡したくない)
(自分のものにしたい)
そんな思いに駆られた香月は、いつしか山岸に恋する自分に気づきます。
(これほど長い間そばにいるのだから、山岸も俺のことが好きだろう?)
(答えはわかってる。でなければこんなに長い間そばにいるわけがない)
そして満を持して、カリスマ生徒会長は、黒子役の副会長に告白をしたのですが…。
「俺はお前が好きだ」
「嬉しいな」
「わかってるのか? お前が一番好きだって意味で言ったんだぞ。俺を恋人にしろって意味でだ」
そんなやりとりがあった後、山岸が発したのはこんな言葉だったのでした。
「でも恋人にはなれない」
ガビーン! という(笑)。
このあたりはブログ主的にも萌える“優等生受け”の味がとても出ています。
人生で一度も失敗したことのないカリスマ優等生が、絶対にOKされるものだと思ってした恋の告白を、一言で粉砕されてしまうという。
この屈辱!
これが“優等生受け”の一つの醍醐味ではありますよね。
でも不思議でしょ?
なぜ山岸がこんな答えを返して、香月の求愛を拒絶したのか――。
ストーリーはこの後、クライマックスシーンまで、校内校外含めてさまざまな事件が起き、生徒会長・香月ならびに副会長・山岸がその対処に当たる姿が描かれるなか、“なぜ山岸は香月の告白を断ったか”の謎の答えが徐々に明らかになっていくんですね。
で、山岸はですね、恋人になることはOKしないのに、香月に「キスしろ」と命じられれば忠実に従うし、「抱きしめろ」と言われれば言葉どおりにするしという謎の行動を見せるんですね。
気持ちが自分にないのはわかっているのに、つい山岸のキスを求めてしまったりする香月。
美貌のカリスマ生徒会長が、肉欲だけを求めちゃうというこの構図も、優等生スキーとしてはなかなかそそられますよ。
さて、もちろんながら本作のクライマックスは、先ほどの「謎」の答えが明らかにされてエンディングに突入していくことになるわけですが、いやー、この答えは大変興味深いものでした。
これほどロジカル(論理的)な恋愛を描いたBLは、いまだかつて読んだことがないかもしれません。
いや、火崎勇先生の小説の中では、このテーマはよく描かれてきた気がしますが、ここまで突き詰めた表現をされたのは初めてではないかと。
BLの一つの面白さというのは、言葉では説明できない恋の不思議を、同性同士のカップルに姿を借りて描くところにあると思うわけですが、本作で描かれる山岸×香月の愛の姿は、その対極にある気がします。
わかりにくくて申し訳ないんですが(笑)、これ以上書くとネタバレになってしまうので…。
でも、恋というものの正体を、論理で、つまりは言語の連鎖で突き詰めていくと、こういう姿に描かれるのかしらとちょっと思いました。
ほら、ブログ主と同年代の人は、小学校のころ、世の中のものを細かく2つに分けていくと、最後に「原子」というそれ以上分けられない粒々が残ります――なんてことを教わった記憶があるかと思いますが(古っ)、本作で描かれている恋愛の姿はまさにそんな感じですよ(笑)。
ちなみに、エンディングの後の結ばれ合った2人のエッチ場面では、あの完璧生徒会長さまが、むっつ●すけべな副会長・山岸に散々な目に遭ってまして、その部分はとっても“優等生受け”の醍醐味をブログ主は味わうことができました。
さて続いては…。
藤本ハルキ先生の最新刊『ファイナル・インプレッション』です!
これはダイヤモンドコミックスから発売されたもので、いかにも藤本ハルキ先生らしい、主人公たちの心象風景が豊かに描かれた学園ものになってます。
これも、今日何作かご紹介してきた気がする、いじめっ子×いじめられっ子のBLですね~。
主人公カップルは小学校時代、仲のいいクラスメイトだったんです。
で、もうその頃から自分が同性の男の子しか好きになれないと気づいていた主人公(受)の中込は、大好きなヒロくんこと林田紘人が引っ越してしまうことになったとき、勇気を出してこんな告白をしてしまったのでした。
「ヒロくんっ…! オレ、本当にヒロくんのこと大好きだから…お別れにチューさせて!!」
なのに、渾身の中込の告白は、林田の冷たい一言で粉砕されてしまったのでした。
「えっ? やだよ…」
今では忘れたはずの少年時代の苦い記憶――。
男子高に進み、自分の性癖を隠しつつ普通の高校生活を送っていたはずの中込でしたが、なんとある日、同じ高校にヒロくんこと林田が転校してきたところから、ストーリーは始まります。
ところが、小学校時代はいじめっ子から中込を守ってくれたりして正義漢あふれる少年だった林田は、会わない間に何があったのか、すっかり意地悪な目をした、ちょっと斜に構えた高校生に変わってしまっていたのでした。
「へえ。お前もここなんだ。相変わらずいじめられてそうな顔してんな、キヨ」
「えっ、うそ…? ヒロ…くん?」
「そーだよ」
だがしかし!
苦い記憶を思い出しつつ、普通の友達として付き合おう――そう思った中込の耳に飛び込んできたのは、林田の意地悪な声でした。
「ああ、昔みたいに馴れ馴れしく呼ばないでくんない? オレから用ある時以外、話かけんなよ」
冷たい顔の林田にショックを受ける中込。
さあ、いったいこの2人はどうなってしまうのか――というところで、じつはまだこれストーリーのほんの序盤です。
その日の放課後。
美術部で活動していた中込のところに姿を見せた林田は、こんなことを言い出したのです。
「誰か女紹介してくんねー? お前、女には信用高そうじゃん。中学の女の携帯番号とか知ってんだろ?」
自分を都合のいい道具としてしか見ていないような林田の言葉に愕然とする中込。
「知らないよ」
やっとそう言い返した中込ですが、林田から返ってきたのは信じられない言葉でした。
「――何、それはさぁ、お前がホモだから?」
蔑むような目で言われたその言葉は、小学校の時の別れの際の中込の一言を、林田が忘れていないことをはっきりと示していました。
「…ちっ、違…っ」
「違わねーだろ。オレ、覚えてるし。普通言わないぜ。キスしたいなんて」
「冗談だってあの後も言ったじゃないか…」
「本当にそうか?」
で、ブログ主が林田のいじめっ子ぶりがよく出てるなぁ~と思ったというか、さすが藤本ハルキ先生! と思ったセリフが、次の林田の一言です。
「男子校なんか来ちゃってさ。本当は何か期待してるんじゃないの?」(嘲笑)
うわ、えぐー(笑)。
そしてさらに酷い一言が…。
「まあ、オレは正直、面倒くさくなければ誰でもいいんだ。それが女でも男でも」
「? 何? どういう…?」
「『お願いします』だろ?」
ちょっとここはセリフだけ読むとわかりにくいですが、つまりは林田は中込に“性欲処理の相手になれ”と言ってるんですね。
お前、オレのことがまだ好きなんだろ? チンポ舐めさせてくださいって「お願いします」だろ? という。
なんという、いじめっ子×いじめられっ子!
そして、その言葉どおりに、やっぱり久しぶりに会った林田に、そのあまりに酷い性格にもかかわらず好きな気持ちを忘れられなかった中込は、林田の言うとおりに“ご奉仕”することを承諾してしまうのでした。
そのままトイレに連れ込まれ、林田の股間に顔を埋めさせられる中込――。
「なんだよ、もっと上手いかと思った。本当にしたことないんだな、お前」
「ん、んぐ…」
「ちゃんと舌も使ってやれよな。お前のよだれでオレのズボン汚すなよ」
そして最後は、中込の顔に白濁を発射して終わった林田は、呆然とする中込を一人残し、さっさと出て行きます。
「もっと研究しておけよ、じゃあな」
なんて捨て台詞を残しながら…。
と、すいません、以上長々とストーリーをご紹介してしまったわけなのですが、ブログ主が何を言いたいかと言いますと、いじめっ子×いじめられっ子BLは表面上は陰惨に見えるし、圧倒的に強者×弱者の関係に見えますが、じつは攻めキャラであるいじめっ子こそが、受けキャラであるいじめられっ子に強く依存しきっていて、こいつがいないと生きていけないという関係に落ちてしまってるというところなんですな!
いま長々とご紹介した本作のストーリーには、そのあたりの特徴が色濃く出ていると思うんですが、いかがでしょーか!
「オレのこと好きなんだろ?」なんて言って、過去の“告白”をタテにして中込に“ご奉仕”を強要する林田ですが、じつはそんな中込を一番必要としてるのが林田なんですね!
で、嫌々ご奉仕してるはずのいじめられっ子・中込も、薄々そんな“自分が本当の意味でいじめっ子・林田に必要とされている”というのを肌で感じているので、何のかんの言って林田のために頑張っちゃうし、優しくされたらホロリと来ちゃうという。
ブログ主は、いじめっ子×いじめられっ子BLのこーゆー関係性にたまらなく萌えます(笑)。
ストーリーの終盤、とくにこのあたりの関係性が本作では濃密に立ち現れてきまして、最後のコマで描かれる2人の様子なんか、まさにそのもの! といった感じのセリフでストーリーが終わってるんです。
表面上は強者が弱者をいじめてるようでも、じつはいじめっ子がいじめられっ子に強く依存してしまってるというこの関係性をたっぷり味わえる本作をぜひご一読いただきたいものです…!!!!!!
てか、やばい、この記事書き始めたころから、なんだか鼻がぐずぐずしていたんですが、身体中に悪寒が走ってきた…。
これ絶対風邪ひいた…。
明日から仕事なのに。
まあ冬コミの後だからいいけど(超本心)。
でも明日は絶対に休めないからなぁ。
くそー。
では頑張ってもう一冊いきましょう!
アクアコミックスから発売された下條水月先生のコミックス『片恋彼氏』です!
これは書店で表紙を見た瞬間、購入が決定した一品(笑)。
どう見ても眼鏡っ子優等生が迫られてるようにしか見えませんがな!
で、買ってみたらまさにそんなとおりのストーリーだったのでした。
ぶらぼー!
というわけで、主人公(受)は眼鏡優等生な高校生・陸(りく)です。
陸には、隣の家に住む幼馴染みの小太郎がいます。
小学校も中学校も、そして今の高校も同じところに通う2人は、まさに一心同体の存在。
つーけですね、陸が高校生になった今も、コンタクトレンズにせず眼鏡を掛け続けているのは、小学校のころ、
「メガネザルー」
「ガリ勉みたいー」
「メガネだー」
なんて同級生からいじめられていた陸のことを、小太郎だけが、
「すっげぇ! メガネかっこいいな! 陸すげえ似合う! いいな!」
と太陽みたいな笑顔で褒めてくれたからなのでした。
成績もいい優等生の陸に対して、小太郎はお馬鹿で女の子に弱くて…とまったく違う2人に育ちましたが、2人はずっと一緒に育ち、陸はこれからも2人で生きていくのだとばかり思っていたのですが――。
いやー、何この萌える眼鏡エピソード(笑)。
幼いころに幼馴染みから「眼鏡かっこいい」と言われた言葉を信じて、今も眼鏡を掛け続けてるって、どれだけネクラなんだという。
いやー、学校では成績優秀だ、真面目だなんてもてはやされてる優等生クンが、じつはたった一人の言葉を胸に秘めてそれにすがって生きてるっていうこの関係性がたまらんですな!
ところが!!!!
なんとある日、小太郎が陸に「これ、俺の未来の嫁な!」なんて言いながら、初めてできた彼女を紹介してきたことからストーリーは始まるのでした。
その瞬間。
陸は自分の気持ちに気付いてしまったのです。
お馬鹿でアホな幼馴染みに、自分が恋していたことに。
そして、それは告白することもできずに終わってしまっただろうことに…。
(小太郎とはずっと一緒にいるもんだと漠然と思っていたのに)
(二人の姿を見て俺は小太郎にとって)
(ただの「お隣さん」にすぎないことを知った)
(目の前が真っ暗になり)
(自分の気持ちを自覚した)
そして、このままでは惨めな自分をずっと見せ続けられるだけだと思った陸は、高校卒業を機に、小太郎に黙って北海道の大学に行こうとするのですが――。
うーむ、気持ちいいほど典型的な“優等生受け”ですなぁ!
ここからは、勝手に自分から離れようとする陸に気づいた小太郎が、彼女の存在を棚に上げて怒り出し…という展開に入っていきますが、もちろん最後はハッピーエンドです。
頭がいいくせに、小太郎のこととなると完全に乙女になっちゃう陸の優等生っぽい恋愛っぷりがブログ主には大変ツボでしたが、また最後に出てくるラブいエッチ場面が大変よろしい(笑)。
ふだんは「バカ!」「アホ!」なんて罵ってる小太郎相手に、優等生サマが「ああっ…」なんていいながらしがみついちゃいます。
これですよね、これ、優等生受けの醍醐味は…。
はふぅ~~~。
すいません、さすがに7時間ぶっ続けてブログ書いてたら死にそうになってきました(笑)。
何冊分のレビュー書いたんだろう。
10冊は書いたよなぁ…。
残りはまた次の週末でも、このまとめ形式でレビューさせていただこうと思いますので、積み残し分はしばしご猶予くださいませ。
あ、藍音シノブ先生の初コミックスとか、どうしても単品でレビューしたい作品は、そのうち時間を見つけて単独で記事を書くつもりです!
それではとりあえずこの記事をアップして、寝るといたしましょう…。
しかしこれ完全に風邪ひいた…。
少しでも可哀想と思ったアナタは、そして上の超長いレビューが多少でも役に立ったと思ったアナタは、お情けで結構ですので右の拍手ボタンでもどーぞポチッとしてみてください。
きっとブログ主の元気が出てきますので(笑)。
いわく、一夜にして暴走族を一人で壊滅させたとか、バックにはヤクザがついてるとか…。
そんな伝説のヤンキーだった男が、眼鏡に七三分けの生徒会長として壇上に上がってるんだから、そりゃ驚くってものですが、山口が周囲の生徒たちに赤坂のことを聞いても、返ってくるのはこんな声ばかりでした。
「頭いいのに鼻にかけたりしないし、誰にでも優しいよ?」
「真面目で誠実な生徒だね。困ったことがあったら相談するといい」
「笑顔がステキよね~!」
かつてケンカの現場で、山口は赤坂の暴れっぷりを目の当たりにしたことがあったのでした。
その時、まるで狂犬のような赤坂の恐ろしさに惹かれ、敵ながら憧れのような感情を持っていた山口は、なんだか頭が混乱してしまいますが…。
むふふふ。
一風変わってるでしょ~?
受けキャラが生徒会長なのは“優等生受け”ではあるんですが、もともとの優等生じゃなくて、もとは伝説のヤンキーだったけど今ではなぜかおとなしい生徒会長になってるという。
でも、見かけは完全にインテリな会長さまになってるんで、ブログ主的には全然OKです(笑)。
さて、混乱した山口は、「本人に聞くのが一番早い」と、生徒会室を訪れ、赤坂に聞くのでした。
「あんたいつから生徒会長なんかやってんだ? もうやんちゃはやめたのか?」
その瞬間!
さっと赤坂の顔色が変わりました。
「お、お前…何で知って…」
「中学ん時、一度だけアンタを見たことがあるよ。伝説の不良なんて言われてたのに、なんで生徒会長なんかやって…」
「た、頼む! 中学の時のことは黙っていてくれないか!」
なんと!
かつて伝説のヤンキーと呼ばれたあの赤坂国彦が土下座せんばかりに懇願してきたのでした。
じつは、親の再婚で赤坂には可愛い小学生の義妹ができたというのです。
自分のことを大好きで、「とってもいいお兄ちゃん」と慕ってくれる義妹が、もし兄がヤンキーだったなんてわかったら学校でいじめられるに違いない…。
そう考えた赤坂は、一切の過去を捨て、優等生として今の高校でも生徒会長まで上りつめていたのでした。
「頼む! 誰にも言わないでくれ!」
涙ながらに訴えてくる赤坂。
だが、その必死の表情を見た瞬間、山口の背筋には「ぞくり」と戦慄が走ったのでした。
かつて自分が憧れた伝説のヤンキーが、弱みを隠してほしくて自分に懇願している――。
中学時代なら、普通の不良だった山口は、とても赤坂には近づくことさえできなかったはずです。
それが、今では立場が逆転してしまったという。
その瞬間、山口は自分でもわけのわからぬ衝動に押されて、眼鏡の生徒会長になってしまった赤坂を抱きしめると、「ちゅっ」と音を立ててキスしていたのでした。
「取引しようか。誰にもいわないよ。かわりにしばらく付き合えよ、生徒会長様?」
そう言って、もう一度深く赤坂に口づける山口。
うぎゃぎゃぎゃ!
伝説のヤンキーと呼ばれた無敵の男が、かつては相手にもならなかった後輩に口づけられて身動きひとつできずに真っ赤になってますよ!!!
こ、これは萌える…!
実際に「かぁ~」という効果音とともに、赤坂が真っ赤になってる様子が描かれてるんですが、いやこの場面の絵が優等生スキーの心をそそるのなんの!
ちなみにもとは伝説のヤンキーでも、今では眼鏡の生徒会長さまなんで、ビジュアルはそういう風に描かれてます。
で、本作はここからさらに萌えます!
無理やり言うことを聞かせて、毎日の昼飯を一緒に屋上で取るようにさせた山口と赤坂なんですが、赤坂は手作りの弁当を持ってきてるんですね。
山口が聞くと、
「妹が作ってくれたんだ…」
なんて頬を赤らめる赤坂ですが、山口はそんな赤坂を見て、「う、可愛いな…」なんて呟いて、また衝動的にキスしたりしてます。
何度も書きますが!
あの伝説のヤンキーさまが!
山口にキスされて身体の力抜けちゃって、とろとろの顔になっちゃうんですよ、ここで。
ええっ!
伝説の男はじつは童貞で処女!? という勝手な妄想がブログ主の頭を駆けめぐり、うーむ、この性的なおぼこさはやばすぎる…! と胸がきゅんきゅんしてしまいました(笑)。
で、あんまりにエロい顔になっちゃってるんで、山口はそれに煽られて、赤坂を抱きしめると、恥ずかしいところを揉んじゃったりしてるんですな!
「よせっ! はなせっ!」
でも、身体は感じちゃって、ぎゅう~っなんて山口に抱きついてくる赤坂。
伝説のヤンキーのそんな様子を見て、山口は「ゾクゾクゾクッ」なんて音を立てて戦慄に震え、また抱きしめてキスしちゃうんですな~。
いやー、この後ですね、本作はこんな2人のヤキモキが何十ページも続きます。
もう悶え死ぬかと(笑)。
こーゆー設定のマンガって意外にありそうでないですからね!
どうですか、そそられませんか?
はい、次!
これで今日何冊目だろう…。
現在10時ちょうど。
書き始めてから6時間…。
つ、疲れた!(笑)
でもやれるところまでやろう。
つーか、まだ紹介しないといけない本は山積みですし(笑)。
続いては、火崎勇先生のショコラノベルス『ダイヤモンドは傷つかない』です。
ダイヤモンドは傷つかない (ショコラノベルス) (2009/08/08) 火崎 勇 商品詳細を見る |
これはなかなか“優等生受け”としては難しい一冊。
主人公(受)が成績優秀、運動万能で幼いころから何不自由なく育った高校生で、今では学園の生徒会長を務めているという、設定としては申し分ない“優等生受け”なんですが、火崎勇先生が本作で描きたいのは、決してそのあたりの関係性ではないと思うからです。
でも、物語のそこかしこに“優等生受け”風味が出てくるので、ここでこそっとご紹介させていただきましょう。
いまちょこっと書いたとおり、主人公(受)の香月北斗(こうづき・ほくと)は、人望、カリスマ性、頭脳、美貌のすべてを持った高校生。
強気でワガママな性格も、「それが香月というヤツ」ということで広く受け入れられ、何よりも正義と公平を重んじるその性格で、生徒会長として名門高校に君臨しています。
そんな香月が、自分のサポート役として見つけ出し、生徒会副会長に指名したのが、眼鏡をかけいつも沈着冷静な男である同級生・山岸宗一郎でした。
山岸は、日々、完璧なサポート役として、香月の生徒会長としての活動を支えてます。
口数少なく、自分自身がものすごく切れる頭脳を持っているのに、「俺は支えるほうが合っている」と言って香月の下で黒子に徹しているのです。
(いつも自分のそばにいて欲しい)
(他の人間などいらない)
(山岸がそばにいればいい)
(他の人間には渡したくない)
(自分のものにしたい)
そんな思いに駆られた香月は、いつしか山岸に恋する自分に気づきます。
(これほど長い間そばにいるのだから、山岸も俺のことが好きだろう?)
(答えはわかってる。でなければこんなに長い間そばにいるわけがない)
そして満を持して、カリスマ生徒会長は、黒子役の副会長に告白をしたのですが…。
「俺はお前が好きだ」
「嬉しいな」
「わかってるのか? お前が一番好きだって意味で言ったんだぞ。俺を恋人にしろって意味でだ」
そんなやりとりがあった後、山岸が発したのはこんな言葉だったのでした。
「でも恋人にはなれない」
ガビーン! という(笑)。
このあたりはブログ主的にも萌える“優等生受け”の味がとても出ています。
人生で一度も失敗したことのないカリスマ優等生が、絶対にOKされるものだと思ってした恋の告白を、一言で粉砕されてしまうという。
この屈辱!
これが“優等生受け”の一つの醍醐味ではありますよね。
でも不思議でしょ?
なぜ山岸がこんな答えを返して、香月の求愛を拒絶したのか――。
ストーリーはこの後、クライマックスシーンまで、校内校外含めてさまざまな事件が起き、生徒会長・香月ならびに副会長・山岸がその対処に当たる姿が描かれるなか、“なぜ山岸は香月の告白を断ったか”の謎の答えが徐々に明らかになっていくんですね。
で、山岸はですね、恋人になることはOKしないのに、香月に「キスしろ」と命じられれば忠実に従うし、「抱きしめろ」と言われれば言葉どおりにするしという謎の行動を見せるんですね。
気持ちが自分にないのはわかっているのに、つい山岸のキスを求めてしまったりする香月。
美貌のカリスマ生徒会長が、肉欲だけを求めちゃうというこの構図も、優等生スキーとしてはなかなかそそられますよ。
さて、もちろんながら本作のクライマックスは、先ほどの「謎」の答えが明らかにされてエンディングに突入していくことになるわけですが、いやー、この答えは大変興味深いものでした。
これほどロジカル(論理的)な恋愛を描いたBLは、いまだかつて読んだことがないかもしれません。
いや、火崎勇先生の小説の中では、このテーマはよく描かれてきた気がしますが、ここまで突き詰めた表現をされたのは初めてではないかと。
BLの一つの面白さというのは、言葉では説明できない恋の不思議を、同性同士のカップルに姿を借りて描くところにあると思うわけですが、本作で描かれる山岸×香月の愛の姿は、その対極にある気がします。
わかりにくくて申し訳ないんですが(笑)、これ以上書くとネタバレになってしまうので…。
でも、恋というものの正体を、論理で、つまりは言語の連鎖で突き詰めていくと、こういう姿に描かれるのかしらとちょっと思いました。
ほら、ブログ主と同年代の人は、小学校のころ、世の中のものを細かく2つに分けていくと、最後に「原子」というそれ以上分けられない粒々が残ります――なんてことを教わった記憶があるかと思いますが(古っ)、本作で描かれている恋愛の姿はまさにそんな感じですよ(笑)。
ちなみに、エンディングの後の結ばれ合った2人のエッチ場面では、あの完璧生徒会長さまが、むっつ●すけべな副会長・山岸に散々な目に遭ってまして、その部分はとっても“優等生受け”の醍醐味をブログ主は味わうことができました。
さて続いては…。
藤本ハルキ先生の最新刊『ファイナル・インプレッション』です!
ファイナル・インプレッション (ダイヤモンドコミックス) (2009/06/22) 藤本 ハルキ 商品詳細を見る |
これはダイヤモンドコミックスから発売されたもので、いかにも藤本ハルキ先生らしい、主人公たちの心象風景が豊かに描かれた学園ものになってます。
これも、今日何作かご紹介してきた気がする、いじめっ子×いじめられっ子のBLですね~。
主人公カップルは小学校時代、仲のいいクラスメイトだったんです。
で、もうその頃から自分が同性の男の子しか好きになれないと気づいていた主人公(受)の中込は、大好きなヒロくんこと林田紘人が引っ越してしまうことになったとき、勇気を出してこんな告白をしてしまったのでした。
「ヒロくんっ…! オレ、本当にヒロくんのこと大好きだから…お別れにチューさせて!!」
なのに、渾身の中込の告白は、林田の冷たい一言で粉砕されてしまったのでした。
「えっ? やだよ…」
今では忘れたはずの少年時代の苦い記憶――。
男子高に進み、自分の性癖を隠しつつ普通の高校生活を送っていたはずの中込でしたが、なんとある日、同じ高校にヒロくんこと林田が転校してきたところから、ストーリーは始まります。
ところが、小学校時代はいじめっ子から中込を守ってくれたりして正義漢あふれる少年だった林田は、会わない間に何があったのか、すっかり意地悪な目をした、ちょっと斜に構えた高校生に変わってしまっていたのでした。
「へえ。お前もここなんだ。相変わらずいじめられてそうな顔してんな、キヨ」
「えっ、うそ…? ヒロ…くん?」
「そーだよ」
だがしかし!
苦い記憶を思い出しつつ、普通の友達として付き合おう――そう思った中込の耳に飛び込んできたのは、林田の意地悪な声でした。
「ああ、昔みたいに馴れ馴れしく呼ばないでくんない? オレから用ある時以外、話かけんなよ」
冷たい顔の林田にショックを受ける中込。
さあ、いったいこの2人はどうなってしまうのか――というところで、じつはまだこれストーリーのほんの序盤です。
その日の放課後。
美術部で活動していた中込のところに姿を見せた林田は、こんなことを言い出したのです。
「誰か女紹介してくんねー? お前、女には信用高そうじゃん。中学の女の携帯番号とか知ってんだろ?」
自分を都合のいい道具としてしか見ていないような林田の言葉に愕然とする中込。
「知らないよ」
やっとそう言い返した中込ですが、林田から返ってきたのは信じられない言葉でした。
「――何、それはさぁ、お前がホモだから?」
蔑むような目で言われたその言葉は、小学校の時の別れの際の中込の一言を、林田が忘れていないことをはっきりと示していました。
「…ちっ、違…っ」
「違わねーだろ。オレ、覚えてるし。普通言わないぜ。キスしたいなんて」
「冗談だってあの後も言ったじゃないか…」
「本当にそうか?」
で、ブログ主が林田のいじめっ子ぶりがよく出てるなぁ~と思ったというか、さすが藤本ハルキ先生! と思ったセリフが、次の林田の一言です。
「男子校なんか来ちゃってさ。本当は何か期待してるんじゃないの?」(嘲笑)
うわ、えぐー(笑)。
そしてさらに酷い一言が…。
「まあ、オレは正直、面倒くさくなければ誰でもいいんだ。それが女でも男でも」
「? 何? どういう…?」
「『お願いします』だろ?」
ちょっとここはセリフだけ読むとわかりにくいですが、つまりは林田は中込に“性欲処理の相手になれ”と言ってるんですね。
お前、オレのことがまだ好きなんだろ? チンポ舐めさせてくださいって「お願いします」だろ? という。
なんという、いじめっ子×いじめられっ子!
そして、その言葉どおりに、やっぱり久しぶりに会った林田に、そのあまりに酷い性格にもかかわらず好きな気持ちを忘れられなかった中込は、林田の言うとおりに“ご奉仕”することを承諾してしまうのでした。
そのままトイレに連れ込まれ、林田の股間に顔を埋めさせられる中込――。
「なんだよ、もっと上手いかと思った。本当にしたことないんだな、お前」
「ん、んぐ…」
「ちゃんと舌も使ってやれよな。お前のよだれでオレのズボン汚すなよ」
そして最後は、中込の顔に白濁を発射して終わった林田は、呆然とする中込を一人残し、さっさと出て行きます。
「もっと研究しておけよ、じゃあな」
なんて捨て台詞を残しながら…。
と、すいません、以上長々とストーリーをご紹介してしまったわけなのですが、ブログ主が何を言いたいかと言いますと、いじめっ子×いじめられっ子BLは表面上は陰惨に見えるし、圧倒的に強者×弱者の関係に見えますが、じつは攻めキャラであるいじめっ子こそが、受けキャラであるいじめられっ子に強く依存しきっていて、こいつがいないと生きていけないという関係に落ちてしまってるというところなんですな!
いま長々とご紹介した本作のストーリーには、そのあたりの特徴が色濃く出ていると思うんですが、いかがでしょーか!
「オレのこと好きなんだろ?」なんて言って、過去の“告白”をタテにして中込に“ご奉仕”を強要する林田ですが、じつはそんな中込を一番必要としてるのが林田なんですね!
で、嫌々ご奉仕してるはずのいじめられっ子・中込も、薄々そんな“自分が本当の意味でいじめっ子・林田に必要とされている”というのを肌で感じているので、何のかんの言って林田のために頑張っちゃうし、優しくされたらホロリと来ちゃうという。
ブログ主は、いじめっ子×いじめられっ子BLのこーゆー関係性にたまらなく萌えます(笑)。
ストーリーの終盤、とくにこのあたりの関係性が本作では濃密に立ち現れてきまして、最後のコマで描かれる2人の様子なんか、まさにそのもの! といった感じのセリフでストーリーが終わってるんです。
表面上は強者が弱者をいじめてるようでも、じつはいじめっ子がいじめられっ子に強く依存してしまってるというこの関係性をたっぷり味わえる本作をぜひご一読いただきたいものです…!!!!!!
てか、やばい、この記事書き始めたころから、なんだか鼻がぐずぐずしていたんですが、身体中に悪寒が走ってきた…。
これ絶対風邪ひいた…。
明日から仕事なのに。
まあ冬コミの後だからいいけど(超本心)。
でも明日は絶対に休めないからなぁ。
くそー。
では頑張ってもう一冊いきましょう!
アクアコミックスから発売された下條水月先生のコミックス『片恋彼氏』です!
片恋彼氏 (オークラコミックス) (アクアコミックス) (2009/10/10) 下條 水月 商品詳細を見る |
これは書店で表紙を見た瞬間、購入が決定した一品(笑)。
どう見ても眼鏡っ子優等生が迫られてるようにしか見えませんがな!
で、買ってみたらまさにそんなとおりのストーリーだったのでした。
ぶらぼー!
というわけで、主人公(受)は眼鏡優等生な高校生・陸(りく)です。
陸には、隣の家に住む幼馴染みの小太郎がいます。
小学校も中学校も、そして今の高校も同じところに通う2人は、まさに一心同体の存在。
つーけですね、陸が高校生になった今も、コンタクトレンズにせず眼鏡を掛け続けているのは、小学校のころ、
「メガネザルー」
「ガリ勉みたいー」
「メガネだー」
なんて同級生からいじめられていた陸のことを、小太郎だけが、
「すっげぇ! メガネかっこいいな! 陸すげえ似合う! いいな!」
と太陽みたいな笑顔で褒めてくれたからなのでした。
成績もいい優等生の陸に対して、小太郎はお馬鹿で女の子に弱くて…とまったく違う2人に育ちましたが、2人はずっと一緒に育ち、陸はこれからも2人で生きていくのだとばかり思っていたのですが――。
いやー、何この萌える眼鏡エピソード(笑)。
幼いころに幼馴染みから「眼鏡かっこいい」と言われた言葉を信じて、今も眼鏡を掛け続けてるって、どれだけネクラなんだという。
いやー、学校では成績優秀だ、真面目だなんてもてはやされてる優等生クンが、じつはたった一人の言葉を胸に秘めてそれにすがって生きてるっていうこの関係性がたまらんですな!
ところが!!!!
なんとある日、小太郎が陸に「これ、俺の未来の嫁な!」なんて言いながら、初めてできた彼女を紹介してきたことからストーリーは始まるのでした。
その瞬間。
陸は自分の気持ちに気付いてしまったのです。
お馬鹿でアホな幼馴染みに、自分が恋していたことに。
そして、それは告白することもできずに終わってしまっただろうことに…。
(小太郎とはずっと一緒にいるもんだと漠然と思っていたのに)
(二人の姿を見て俺は小太郎にとって)
(ただの「お隣さん」にすぎないことを知った)
(目の前が真っ暗になり)
(自分の気持ちを自覚した)
そして、このままでは惨めな自分をずっと見せ続けられるだけだと思った陸は、高校卒業を機に、小太郎に黙って北海道の大学に行こうとするのですが――。
うーむ、気持ちいいほど典型的な“優等生受け”ですなぁ!
ここからは、勝手に自分から離れようとする陸に気づいた小太郎が、彼女の存在を棚に上げて怒り出し…という展開に入っていきますが、もちろん最後はハッピーエンドです。
頭がいいくせに、小太郎のこととなると完全に乙女になっちゃう陸の優等生っぽい恋愛っぷりがブログ主には大変ツボでしたが、また最後に出てくるラブいエッチ場面が大変よろしい(笑)。
ふだんは「バカ!」「アホ!」なんて罵ってる小太郎相手に、優等生サマが「ああっ…」なんていいながらしがみついちゃいます。
これですよね、これ、優等生受けの醍醐味は…。
はふぅ~~~。
すいません、さすがに7時間ぶっ続けてブログ書いてたら死にそうになってきました(笑)。
何冊分のレビュー書いたんだろう。
10冊は書いたよなぁ…。
残りはまた次の週末でも、このまとめ形式でレビューさせていただこうと思いますので、積み残し分はしばしご猶予くださいませ。
あ、藍音シノブ先生の初コミックスとか、どうしても単品でレビューしたい作品は、そのうち時間を見つけて単独で記事を書くつもりです!
それではとりあえずこの記事をアップして、寝るといたしましょう…。
しかしこれ完全に風邪ひいた…。
少しでも可哀想と思ったアナタは、そして上の超長いレビューが多少でも役に立ったと思ったアナタは、お情けで結構ですので右の拍手ボタンでもどーぞポチッとしてみてください。
きっとブログ主の元気が出てきますので(笑)。
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いつも楽しく拝見してます。
私も優等生受けがピンポイントで好きなので、
初めてこのブログを見つけた時はすごく嬉しかったです!
こんなニッチなジャンルの中で、網羅性が(異様に)すごくて参考になってます。
それと、なんかこういうと評価するみたいになってしまって恐縮ですが、
単純に読み物として面白いレビューを書かれますね。
ちーけんさんの嗜好とか、主張が優等生萌え的にあるあるすぎて吹き出すことがよくあります。
さてご挨拶はこのくらいにして、
長時間ぶっ続けのレビュー、お疲れ様です!
無理はしないでください!
これが言いたくてコメントしました。
レビュー読み応えあって面白かったです。
でも体は大事にしてくださいね。
これからも応援しています。