北岳(3193m)に来ただけぇ~ 2日目その1
2017年8月25日(金) 曇り一時雨
初めての南アルプス、2泊3日の北岳・間ノ岳ハイク。
ここまでのハイクの様子はこちら
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 1日目その1
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 1日目その2
灯りの付いた白根御池小屋(4:30)
タープは朝露でしっとり濡れていたが、雨はほとんど降らなかった様子。
朝飯の準備をしていると、早くもヘッデンを付けたハイカーたちが出発していく。
東の空が赤みだし、稜線も視認できるようになってきた。
急登の草すべりには、時折ヘッデンの灯りが瞬く。
さぁ、今日の行程をどうしよう・・・
当初の予定では、今日(8/25)の行程は以下のどちらか。
プランA
プランB
プランAは行動時間が8時間で、プランBの12時間20分より4時間以上短いが、3日目に間ノ岳ピストンが待っているのでスケジュールがタイト。
一方、プランBは2日目がハードだが、その分3日目に余裕が生まれる。
また今回はプランCとして、テントを御池小屋にデポする裏ワザを駆使(笑)
テントをデポするので、八本歯のコルに至る急登なハシゴ場の負担は軽減する。
だが昨日のハイクでも分かるように、広河原~白根御池小屋まで4時間30分という
超~ゆるゆるな目標CTにもかかわらず(標準CTは3時間10分)、6時間25分もかかってしまったヘタれぶり。
ザックが軽くなるとはいえ、12時間超の行動時間はかなり厳しい。
しかもハイカーからの情報だと、天気は下り坂で夕方からは雨の予報。
3日目(8/26)の予報は風雨とも激しくなるらしい。
冷静に考えると、北岳山荘まで行くにしても、今回は間ノ岳は厳しそうだ。
北岳山荘までのルートは、以下の3つ。
① 右俣ルート(小太郎尾根分岐経由)
② 左俣ルート(八本歯のコル経由)
③ 草すべりルート(小太郎尾根分岐経由)
最短ルートは②の左俣ルート(八本歯のコル経由)だが、先日ツギロウさんに伺ったところ、「アレを登るのはかなりハードですよ」と脅された(笑)
デポして身軽になるとはいえ、ヘタレな私にはかなりハードルが高そう。
そうすると次の選択肢は①の右俣ルート(小太郎尾根分岐経由)だが、昨日二俣から御池小屋までの水平道を歩いて、結構アップダウンがあって堪えた。
ハイカーの話では、その先の右俣ルートも草すべりより幾分傾斜は緩いが、ガレた岩が多いのでむしろ歩きづらいとのこと。
(どうする? 思い切って③の草すべりにするか?!)
でもpopさんのところのおばはんさんが遅れまくって、
哀愁を漂わせていたんだよな(笑)
お言葉に甘えてテントをデポ。
シュラフや予備の食材なども置いていくので、随分軽くなった。
5:23 北岳草すべりルート入口(標高約2232m)
結局、怖いモノ見たさに行っちゃいます(笑)
北岳直下の肩の小屋までは標準CTで3時間20分。
亀足な私の目標CTは1.5倍の5時間。
草すべりの名の通り、両側に背丈近い野草が茂る中を進んでいく。
日の出時刻(5:12)は過ぎているが、鳳凰三山に遮られて朝日はまだ登っていない。
噂通り、序盤からなかなかの急登が続く。
稜線の小太郎尾根分岐まで、距離約1.1㎞で約600mも登る。
平均勾配率は54.5%で、先日登った立山の一ノ越~雄山間とほぼ同じ(汗)
出発してから30分もたたないが、ここで小休止(5:52)
眼下には御池とテントサイト。
だいぶ出発したようで、テントもまばら(赤丸が私のテント)
後続のハイカーに道を譲るので、立ち止まりも激増。
きつい・・・
テントをデポしてこの調子なので、先が思いやられる。
登山道は草むらから、ダケカンバの樹林帯に入る(6:39)
樹林帯に入ると、急登に加え大きな岩のガレ場になる。
段差が大きくなるので、ますます身体に堪えてくる。
たまらずここで2度目の小休止(6:59)
南アルプスの森林限界は高く、既に標高2600mを越えている。
ヒメシャジン(姫沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。
イワオトギリ(岩弟切)
オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。
コウメバチソウ(小梅鉢草)
ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草で、ウメバチソウの高山型。
この付近より上には、どんよりとした雲が垂れ込める。
8:14 植生保護柵前(標高約2740m)
北岳一帯でもシカの食害に悩まされており、植生保護の柵が設けられている。
上を見上げると一面のガス。
稜線までもう少しだが、ここで小休止(8:17)
スタートから2時間54分が経過。昨日二俣でお会いしたソロの男性と再会。
ますますガスが下がってきて、気温も少し降下してきた。
長袖のミドルレイヤーを1枚追加する。
キタダケトリカブト(北岳鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の多年草で、絶滅危惧I A類(CR)
8:35 右俣・草すべり合流点(標高約2750m)
数人の下山者が、カッパを脱ぐため休憩されていた。
200m先の稜線では台風並の暴風雨が吹いているそうだ(大汗)
この付近では雨は降っておらず、風もほとんどないのだが・・・
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)
キク科アキノキリンソウ属の多年草。
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)
タデ科イブキトラノオ属の多年草。
コバノコゴメグサ(小葉の小米草)
ゴマノハグサ科コゴメグサ属の多年草。
少しガスが取れてきて、前方が見えるようになった。
あれが稜線か!?
9:08 小太郎尾根分岐下(標高約2845m)
ここは少し陰になっているので風の影響はほとんどないが、風の音がかなり激しい。
下山者の話では、この先は体温を奪われるほどの激しい横風が吹いているそうだ。
小休止がてら防寒用にカッパを装着する。
西側には日本百名山の仙丈ヶ岳(3033m)
北側には同じく百名山の甲斐駒ヶ岳(2967m)
御池小屋を最後(6:30)に出発されたというおねーさまたちに続き、出発(9:28)
ということは、私が御池小屋泊り組の最後尾になったのか(笑)
9:31 小太郎尾根分岐(標高約2860m)
情報通り、稜線上は西側から吹き付ける風が強い。
ただしだいぶ収まってきているようで、朝方は立っているのもままならないほどだったそうだ。
肩の小屋までは、0.8㎞で40分の表示。
ということは私の足だと1時間か(笑)
前方に見えるはずの北岳はガスの中。
トウヤクリンドウ(当薬竜胆)
リンドウ科リンドウ属の多年草。残念ながらまだ蕾だった。
帽子を飛ばされないよう、頭を押さえながら進んで行く。
概ねなだらかな稜線歩きだが、岩場登りの個所も。
鎖も設置されており、三点支持で登れば問題なし。
少し青空も覗くようになってきた。
10:02 肩の小屋北稜線(標高約2930m)
小太郎尾根分岐と肩の小屋との中間地点。
だいぶ風も収まってきて、カッパを着てむしろ暑いぐらい。
また既に標高3000m近くだが、高山病の症状はなし。
これだけちんたら歩けば、十分高地馴化されるだろう(笑)
西側からの風に押されて、東側のガスが上がってこれないのがよく分かる。
ケルン? 顕彰碑?
ようやく前方に肩の小屋が見えてきた(10:15)
肩の小屋の下のテン場はもぬけの殻。
遮るモノが何もないので、台風並みの風だったら、テン泊者は大変だったろうな。
小屋と生ビールまであと3分
上手い! ニンジンぶら下げですね(笑)
10:22 北岳肩の小屋(標高約3010m)
御池小屋から4時間59分(休憩57分)と目標CT(5時間)通り(笑)
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 2日目その2に続く・・・
(この区間の行程)
4:30白根御池小屋5:22
5:23草すべりルート入口
5:52(小休止)6:02
6:59(小休止)7:11
8:17植生保護柵前(小休止)8:32
8:35右俣・草すべり合流点
9:08小太郎尾根分岐下(小休止)9:28
9:31小太郎尾根分岐
10:02肩の小屋北稜線
10:22北岳肩の小屋
やっぱり、山っていいね!
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初めての南アルプス、2泊3日の北岳・間ノ岳ハイク。
ここまでのハイクの様子はこちら
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 1日目その1
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 1日目その2
灯りの付いた白根御池小屋(4:30)
タープは朝露でしっとり濡れていたが、雨はほとんど降らなかった様子。
朝飯の準備をしていると、早くもヘッデンを付けたハイカーたちが出発していく。
東の空が赤みだし、稜線も視認できるようになってきた。
急登の草すべりには、時折ヘッデンの灯りが瞬く。
さぁ、今日の行程をどうしよう・・・
当初の予定では、今日(8/25)の行程は以下のどちらか。
プランA
2日目 (8/25) | ||||||
4:30 白根御池小屋 5:30 | → | 6:00 二俣 6:10 | → (右俣) | 9:40 小太郎尾根分岐 9:50 | → | 10:40 肩の小屋 11:00 |
---|---|---|---|---|---|---|
→ | 11:50 北岳山頂 12:20 | → | 13:40 北岳山荘 (テント泊) |
プランB
2日目 (8/25) | ||||||
4:30 白根御池小屋 5:30 | → | 6:00 二俣 6:10 | → (左俣) | 9:40 八本歯コル 9:50 | → | 11:30 北岳山荘 13:00 |
---|---|---|---|---|---|---|
→ | 14:00 中白根 14:10 | → | 15:40 間ノ岳山頂 16:00 | → | 17:50 北岳山荘 (テント泊) |
プランAは行動時間が8時間で、プランBの12時間20分より4時間以上短いが、3日目に間ノ岳ピストンが待っているのでスケジュールがタイト。
一方、プランBは2日目がハードだが、その分3日目に余裕が生まれる。
また今回はプランCとして、テントを御池小屋にデポする裏ワザを駆使(笑)
テントをデポするので、八本歯のコルに至る急登なハシゴ場の負担は軽減する。
だが昨日のハイクでも分かるように、広河原~白根御池小屋まで4時間30分という
超~ゆるゆるな目標CTにもかかわらず(標準CTは3時間10分)、6時間25分もかかってしまったヘタれぶり。
ザックが軽くなるとはいえ、12時間超の行動時間はかなり厳しい。
しかもハイカーからの情報だと、天気は下り坂で夕方からは雨の予報。
3日目(8/26)の予報は風雨とも激しくなるらしい。
冷静に考えると、北岳山荘まで行くにしても、今回は間ノ岳は厳しそうだ。
北岳山荘までのルートは、以下の3つ。
① 右俣ルート(小太郎尾根分岐経由)
② 左俣ルート(八本歯のコル経由)
③ 草すべりルート(小太郎尾根分岐経由)
最短ルートは②の左俣ルート(八本歯のコル経由)だが、先日ツギロウさんに伺ったところ、「アレを登るのはかなりハードですよ」と脅された(笑)
デポして身軽になるとはいえ、ヘタレな私にはかなりハードルが高そう。
そうすると次の選択肢は①の右俣ルート(小太郎尾根分岐経由)だが、昨日二俣から御池小屋までの水平道を歩いて、結構アップダウンがあって堪えた。
ハイカーの話では、その先の右俣ルートも草すべりより幾分傾斜は緩いが、ガレた岩が多いのでむしろ歩きづらいとのこと。
(どうする? 思い切って③の草すべりにするか?!)
でもpopさんのところのおばはんさんが遅れまくって、
哀愁を漂わせていたんだよな(笑)
お言葉に甘えてテントをデポ。
シュラフや予備の食材なども置いていくので、随分軽くなった。
5:23 北岳草すべりルート入口(標高約2232m)
結局、怖いモノ見たさに行っちゃいます(笑)
北岳直下の肩の小屋までは標準CTで3時間20分。
亀足な私の目標CTは1.5倍の5時間。
草すべりの名の通り、両側に背丈近い野草が茂る中を進んでいく。
日の出時刻(5:12)は過ぎているが、鳳凰三山に遮られて朝日はまだ登っていない。
噂通り、序盤からなかなかの急登が続く。
稜線の小太郎尾根分岐まで、距離約1.1㎞で約600mも登る。
平均勾配率は54.5%で、先日登った立山の一ノ越~雄山間とほぼ同じ(汗)
出発してから30分もたたないが、ここで小休止(5:52)
眼下には御池とテントサイト。
だいぶ出発したようで、テントもまばら(赤丸が私のテント)
後続のハイカーに道を譲るので、立ち止まりも激増。
きつい・・・
テントをデポしてこの調子なので、先が思いやられる。
登山道は草むらから、ダケカンバの樹林帯に入る(6:39)
樹林帯に入ると、急登に加え大きな岩のガレ場になる。
段差が大きくなるので、ますます身体に堪えてくる。
たまらずここで2度目の小休止(6:59)
南アルプスの森林限界は高く、既に標高2600mを越えている。
ヒメシャジン(姫沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。
イワオトギリ(岩弟切)
オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。
コウメバチソウ(小梅鉢草)
ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草で、ウメバチソウの高山型。
この付近より上には、どんよりとした雲が垂れ込める。
8:14 植生保護柵前(標高約2740m)
北岳一帯でもシカの食害に悩まされており、植生保護の柵が設けられている。
上を見上げると一面のガス。
稜線までもう少しだが、ここで小休止(8:17)
スタートから2時間54分が経過。昨日二俣でお会いしたソロの男性と再会。
ますますガスが下がってきて、気温も少し降下してきた。
長袖のミドルレイヤーを1枚追加する。
キタダケトリカブト(北岳鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属の多年草で、絶滅危惧I A類(CR)
8:35 右俣・草すべり合流点(標高約2750m)
数人の下山者が、カッパを脱ぐため休憩されていた。
200m先の稜線では台風並の暴風雨が吹いているそうだ(大汗)
この付近では雨は降っておらず、風もほとんどないのだが・・・
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)
キク科アキノキリンソウ属の多年草。
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)
タデ科イブキトラノオ属の多年草。
コバノコゴメグサ(小葉の小米草)
ゴマノハグサ科コゴメグサ属の多年草。
少しガスが取れてきて、前方が見えるようになった。
あれが稜線か!?
9:08 小太郎尾根分岐下(標高約2845m)
ここは少し陰になっているので風の影響はほとんどないが、風の音がかなり激しい。
下山者の話では、この先は体温を奪われるほどの激しい横風が吹いているそうだ。
小休止がてら防寒用にカッパを装着する。
西側には日本百名山の仙丈ヶ岳(3033m)
北側には同じく百名山の甲斐駒ヶ岳(2967m)
御池小屋を最後(6:30)に出発されたというおねーさまたちに続き、出発(9:28)
ということは、私が御池小屋泊り組の最後尾になったのか(笑)
9:31 小太郎尾根分岐(標高約2860m)
情報通り、稜線上は西側から吹き付ける風が強い。
ただしだいぶ収まってきているようで、朝方は立っているのもままならないほどだったそうだ。
肩の小屋までは、0.8㎞で40分の表示。
ということは私の足だと1時間か(笑)
前方に見えるはずの北岳はガスの中。
トウヤクリンドウ(当薬竜胆)
リンドウ科リンドウ属の多年草。残念ながらまだ蕾だった。
帽子を飛ばされないよう、頭を押さえながら進んで行く。
概ねなだらかな稜線歩きだが、岩場登りの個所も。
鎖も設置されており、三点支持で登れば問題なし。
少し青空も覗くようになってきた。
10:02 肩の小屋北稜線(標高約2930m)
小太郎尾根分岐と肩の小屋との中間地点。
だいぶ風も収まってきて、カッパを着てむしろ暑いぐらい。
また既に標高3000m近くだが、高山病の症状はなし。
これだけちんたら歩けば、十分高地馴化されるだろう(笑)
西側からの風に押されて、東側のガスが上がってこれないのがよく分かる。
ケルン? 顕彰碑?
ようやく前方に肩の小屋が見えてきた(10:15)
肩の小屋の下のテン場はもぬけの殻。
遮るモノが何もないので、台風並みの風だったら、テン泊者は大変だったろうな。
小屋と生ビールまであと3分
上手い! ニンジンぶら下げですね(笑)
10:22 北岳肩の小屋(標高約3010m)
御池小屋から4時間59分(休憩57分)と目標CT(5時間)通り(笑)
北岳(3193m)に来ただけぇ~ 2日目その2に続く・・・
(この区間の行程)
4:30白根御池小屋5:22
5:23草すべりルート入口
5:52(小休止)6:02
6:59(小休止)7:11
8:17植生保護柵前(小休止)8:32
8:35右俣・草すべり合流点
9:08小太郎尾根分岐下(小休止)9:28
9:31小太郎尾根分岐
10:02肩の小屋北稜線
10:22北岳肩の小屋
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