regime
「regime」とは、制度・体制のことを意味する表現。
「regime」とは・「regime」の意味
「regime」とは、「制度」や「体制」というコアイメージを持つ単語であるとともに、政治や社会といった特定分野の制度を言い表す言葉として「政治体制」「社会制度」の意味合いでも用いられる英単語である。特に「政治体制」の意味で用いられるケースが多く、文脈によっては特定の「政権」をさし示したり、「権威主義的・独裁的政治体制」などと批判的な意味で使用されたりする場合もある。よく知られている言葉として、第二次世界大戦後の世界的な政治体制のことをさす「戦後レジーム」や、フランス革命以前の階級差別的な「旧体制」の意味で用いられる「アンシャンレジーム」などがある。「regime」は「支配する」という動詞を語源とするが、文法的には名詞の用法だけで、動詞としては用いない。
「regime」の発音・読み方
「regime」の発音記号は「rəʒíːm」となり、日本語読み風にカタカナ表記すると「レジーム」である。発音の目安としては「rə」で舌先を巻いた「ラ」の音から曖昧に「ア」と発声し、「ʒíː」で唇を突き出して「ジュ」と息を吐きながら「イ」に続け、「m」で唇を閉じて「ム」と押さえる。これらを続けて「ラァジィーム」と発声するイメージとなる。「regime」の語源・由来
「regime」はフランス語の「Régime」に由来した言葉であるが、そもそもの語源はラテン語で「支配する」という意味を持つ「regere」となる。「regime」の覚え方
「regime」の覚え方としては、語呂合わせで「レジメ」と記憶すると忘れにくい。「regime」はローマ字に分解すると「re」=「レ」、「gi」=「ジ」、「me」=「メ」と読める。これを用いて「レジームはレジメ、レジメ見ながら政治体制の講義を聞く」などとテンポよく覚える。また、「regime」を「例示も」とローマ字読みして「例示も(regime)交えながら、政治体制や社会制度などを解説する」などと覚える方法もある。「regime」の類語
「regime」の類語としては、「統治・行政・政治」といった意味の「government」、「規範・規則」などの意味を持つ「rule」、「統治・管理」を示す「administration」、「治世」を意味する「reign」などがある。また、このほかにも「計画・体系」などの意味となる「scheme」や、「組織・制度・体系」などの意味となる「system」も類語として挙げることができる。「regime」を含む英熟語・英語表現
「exercise regime」とは
「exercise regime」とは、「運動管理」のことである。医学的な用語として用いられる場合は「運動療法」とも訳される。運動やダイエットによる養生方法などの意味を持つ「regimen」から派生した「regime」の用法に基づくイディオムとなる。
「tax regime」とは
「tax regime」とは、法律用語で「税制」「租税体系」などと訳される。また「tax system」と言い換えられることもある。
「flow regime」とは
「flow regime」とは、機械工学の用語で「流動様式」「流動領域」「流れ形態」といった意味である。「流動様式」とは、物質の流れを視覚的に分類したうえで、同じカテゴリーに属すると判断された流れの形のことをいう。
「regime change」とは
「regime change」とは、「体制交代」「政権交代」の意味である。政治用語で、国家の中のリーダーや官僚、統治システムなどが全交代、あるいは部分交代することを意味する。
「regime」の使い方・例文
「regime」の使い方・例文としては、「The people were unable to tolerate the military regime any longer.(国民はもはやその軍事政権に我慢することができなかった)」、「Japan has been one of the biggest beneficiaries of the free trade system under the GATT regime.(日本はガット自由貿易体制における最大の恩恵を受けた国の一つだったということができる)」「The first Yamato regime is supposed to have started at this place.(初期ヤマト政権がこの地に誕生したと考えられている)」、「This new regime took advantage of the nation's fear.(この新政権は国民の恐怖を利用した)」、「The most beneficent regime in history.(歴史上、最も慈悲深い政権)」、「His regime is bound to collapse.(彼の政権はきっと瓦解する)」などを挙げることができる。レジーム
レジーム(仏: Régime、英: Regime)、または体制とは、例えば政治の文脈では、統治・政府の形態・構造そのもの(政体・政治体制・政治システム・統治機構)、あるいは、その運用・制度や社会との相互作用などを規制・統制する一連のルールや社会的・文化的な規範などを言う。
日本語圏では、「アンシャン・レジーム」や「レジーム・ド・ヴィシー (fr:Régime de Vichy) 」(ヴィシー政権の意)などで特に知られる。
なお、中国語で「レジーム(Régime・Regime)」に対して「政権(中: 政权)」と訳すが、同じ漢字圏の日本語における「政権」と意味が異なることに注意。
レジューム(またはリジューム。resume:再開)は誤記で全く別の意味になる。
用法
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本来のフランス語における「レジーム(Régime)」が政体・政治体制・政治システム・統治機構などと類義語だったのに対し、近現代になって権威主義政体や独裁政治など否定的な含意が加味されて使用されており、ウェブスター辞典が「レジーム(Régime)」の定義をシンプルに「a form of government」(政体・政治体制・政治システム・統治機構など)と記述する一方[2]、オックスフォード英語辞典が「レジーム(Régime)」を「a government, especially an authoritarian one(政府・特に権威主義的な政府)」と定義している[3]。
出典
- ^ “World citizens living under different political regimes”. Our World in Data. 2020年3月5日閲覧。
- ^ Regimeメリアム=ウェブスターのウェブサイトによる定義
- ^ Regimeオックスフォード英語辞典による定義
参考文献
- James, Paul; Palen, Ronen (2007). Globalization and Economy, Vol. 3: Global Economic Regimes and Institutions. London: Sage Publications
- O'Neill, Patrick, Essentials of Comparative Government
記事の一覧
記事名に「レジーム」を含むもの。
- レジーム論
- 国際レジーム
- 為替レート・レジーム
- レジーム・チェンジ
- レジームシフト
- 国際輸出管理レジーム
- ミサイル技術管理レジーム
- 福祉レジーム論
- 戦後レジーム
関連項目
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