9月場所(秋場所)
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長期に及ぶ夏巡業の後の本場所であるため、ここで大きく「化ける」力士も多い。 同様に夏巡業を経て再起を目指す、連続休場明けの横綱がよく登場する。 大阪で10月に開催された1949年秋場所、6日目まで1勝5敗と不振の横綱前田山は7日目に休場届を提出するとその日のうちに帰京し、後楽園球場で行われた巨人対シールズの日米野球を観戦。後日これが発覚し、前田山は引退に追い込まれた。 1955年は勤務で本場所を観戦できないビジネスマンにも会社帰りに大相撲を楽しんでもらおうとの配慮から、午前10時30分から取組開始、午後5時30分に中入り、午後8時に打ち出しという「ナイター興行」で行われた。ナイター興行はビジネスマンには好評だったが、力士にとってはコンディション作りが難しく、体調を崩す力士が続出、また遠隔地向けの版に間に合わないという理由で新聞社からクレームが入り、1場所限りで取りやめとなり、2015年1月現在では、現状唯一のナイター本場所である。しかも、このナイター本場所の11日目において、横綱千代の山対関脇若乃花の取り組みが、史上最長となる合計17分15秒の「大相撲」となる珍事があった。本割で2回にわたり水入りの中断があり、更に力士の疲労を考えて、次の2番を先に消化してから取り直しとなり、結果引き分けとなった。このため、打ち出しは夜8時15分と最も遅いものとなった。 2000年はシドニーオリンピック開催に伴い第1日曜日(9月3日)が初日となった。 俳句では相撲は秋の季語。 名勝負 1955年11日目 横綱千代の山 - 関脇若乃花(上述) 1970年6日目 十両9枚目長浜 - 十両6枚目輪島 学生相撲時代からのライバル同士の初対戦に、十両では異例となる懸賞金が付いた。寄り切りで勝った輪島はこの場所十両優勝。 1972年千秋楽 関脇貴ノ花 - 関脇輪島 ともに大関昇進を目指す両者の対戦は水入りを挟み約4分の熱戦の末輪島の勝ち。場所後両者は揃って大関に昇進。 1973年14日目 横綱琴櫻 - 前頭11枚目大錦 新入幕で快進撃を続ける大錦が14日目に横綱琴櫻と対戦。寄り切りで初金星を挙げた大錦はこの場所、前場所の大受に続き三賞を独占。 1980年7日目 大関貴ノ花 - 前頭5枚目高見山 東土俵際で投げの打ち合いとなり、軍配は貴ノ花に上がるも、物言いの末貴ノ花のマゲが先に土俵についたとして高見山の勝ちとなった。両者の対戦はこの45回目を以て最後となった。 1983年千秋楽 横綱千代の富士 - 横綱隆の里 史上4度目となる全勝同士での楽日決戦は隆の里が吊り出しで勝利し、隆の里は双葉山以来となる新横綱での全勝優勝を達成した。 1984年千秋楽 前頭6枚目小錦 - 大関琴風 入幕2場所目で上位力士をなぎたおし優勝を争っていた「小錦旋風」を、三役陣最後の砦として琴風が止めた一番。結果、蔵前国技館最後の優勝は平幕の前頭12枚目多賀竜となった。
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