顎関節円板ともよばれます。顎関節に存在する、関節のくぼみと、くぼみに入り込んでいる突起の間にある、骨より軟らかい組織のことで、骨ではなく線維組織がぎっしりとまとまったものです。歯科医師の説明では、「軟骨みたいなもの」と表現されることも多いですが、軟骨ではありません。神経や血管はほとんどありません。関節円板は下顎頭という、下顎の骨の一部の外側と内側に強く連結しています。しかし、前後には緩く容易にずれてしまうことがあります。よって、顎関節症のIII型といわれる、円板の前方転位という病態になってしまいます。顎関節症の多くは、この円板の位置異常によっておこるため、きわめて重要な組織だといえます。また、その役割は顎関節の緩衝作用と考えられていますが、詳しくはわかっていません。
関節円板
関節円板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/18 09:00 UTC 版)
関節円板は、下顎窩と下顎頭の間に介在する円板状の血管のない強靱な線維性結合組織である。その円板形態は、中央部が薄く、その周囲がドーナツ状に厚くなり、さらに、その周囲が薄くなり周囲組織に移行している。関節円板は、強い圧力に耐える性質をもっている。関節円板は、関節の動きに伴って移動して関節運動を滑らかにする役割を担っている。関節円板の矢状断面形態は、下顎窩の最も深い位置に相当する部分が厚く(後方肥厚部)、その前方が薄くなり(中央狭窄部)、さらにその前方が少し厚くなっている(前方肥厚部)。関節円板の前縁は外側翼突筋上頭とつながり、外側翼突筋上頭が収縮することにより、関節円板は前方に移動する。関節円板の後縁は、円板後部組織につながっている。円板後部組織は、多くの血管および神経が分布した疎生結合組織により構成され、関節円板が前方に過度に移動しないように後方から関節円板を支えている。
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