過去の大彗星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 09:47 UTC 版)
ここ数世紀に現れた主な大彗星には以下のようなものがある。 クリンケンベルグ彗星 (C/1743 X1) - 1743年1743年2月27日には、太陽から僅か12°しか離れていなかったのにも拘らず、昼間に見えた。明るさは-6等級に達していた可能性もある。さらに、11本ものジェットの尾が発達し、その長さは90°にまで達した。 レクセル彗星 (D/1770 L1) - 1770年地球にわずか0.015auまで接近し、-2等まで明るくなった。その後、木星に非常に接近し、崩壊したか太陽系外に放出されたと考えられている。 1811年の大彗星(英語版) (C/1811 F1) - 1811年肉眼で8ヶ月以上に渡って見ることができた。1811年10月には、見かけの明るさが最高で約0等級にまで達した。コマの幅は200万kmになり、約1500万kmにまで伸びた尾が90°以上の長さになって空を横切った。3300年程度の公転周期を持つ。 1843年の大彗星(英語版) (C/1843 D1) - 1843年1843年2月27日に近日点を通過した時、彗星は太陽から僅か1°横にあったにも拘らず、日中の空に見ることができた。尾の長さは、太陽と火星の間の距離よりも長い、3億3000万kmに達した。この彗星は太陽のすぐ近くをかすめるクロイツ群に属している。 ドナティ彗星 (C/1858 L1) - 1858年ドナティ彗星は最も美しかった彗星の1つであり、肉眼でも見ることができた。1858年10月には見かけの明るさが0等級に達し、尾の長さが60°になった。写真撮影された最初の彗星でもある。 テバット彗星 (C/1861 J1) - 1861年1861年の大彗星とも呼ばれ、1861年6月30日に地球に0.13au(1900万km)まで接近した。地球がこの彗星の尾の中に入った。この「南天の大彗星」は非常に明るく、夜でも物の影が映り、彗星も昼間になっても空に見えていたという。C/1500 H1(あるいはC/1110 K1とも)と同一と考えられており、その場合、次回は2265年に回帰する。 1882年の大彗星 (C/1882 R1) - 1882年9月の大彗星とも呼ばれる。クロイツ群の彗星であり、1882年9月17日には太陽まで0.008au(120万km)まで接近し、少なくとも6つの破片に分裂した。昼間の太陽のすぐそばでも見えるほど明るかった。 1910年1月の大彗星(英語版) (C/1910 A1) - 1910年ハレー彗星が戻ってくるほんの数週間前である1910年1月17日の昼間にだけ、この彗星は太陽から4°のところに見えた。 ハレー彗星 (1P/1909 R1) - 1910年非常に有名なこの彗星が1910年に戻ってきた時、見かけの明るさは0等級に達し、尾は最大で150°という、空全体をほぼ横切るほどの長さになった。さらに1910年5月19日には、地球がハレー彗星の尾にちょうど入った。 シェレルプ・マリスタニー彗星 (C/1927 X1) - 1927年1927年12月には、太陽の僅か5°横で昼間でも見ることができた。12月下旬には、尾の長さが35°に達した。 アラン・ローラン彗星 - (C/1956 R1) - 1956年1956年4月に、明るさが最大で0等級に達した。太陽の反対側に延びる尾が25°の長さに達した。さらにこの彗星は、15°の長さの太陽に向かって延びるアンチテイルを見せた。 池谷・関彗星 - (C/1965 S1) - 1965年この彗星はクロイツ群の彗星であり、1965年10月21日には、太陽までわずか0.0078au(116万km)まで接近した。彗星の核は3つに分裂し、見かけの明るさは-17等級にまで達した。太陽のすぐそばを通過した後、明け方の空で尾が25°の長さに伸びているのが見られた。 ベネット彗星 (C/1969 Y1) - 1970年1970年の3月から4月にかけて明るくなり、明るさは最大で-3等級にも達し、尾の長さも20°ほどになった。核が特に明るく、明け方になって薄明が始まっても最後まで見えていた。また薄雲を通しても見えた。 ウェスト彗星 - (C/1975 V1) - 1976年1976年2月25日に、太陽に0.196au(2900万km)まで近づいた。核が4つに分裂したことにより大量に塵が放出され明るくなった。明るさは-1等級になり、幅広く明るい尾の長さが30°に達した。 百武彗星 - (C/1996 B2) - 1996年1996年3月24日に地球に0.109au(1600万km)まで近づいた。見かけの明るさは約0等級に達し、尾の長さは75°にもなった。 ヘール・ボップ彗星 - (C/1995 O1) - 1997年ヘール・ボップ彗星は、他のどの彗星よりも長い18ヶ月という期間に渡って肉眼で見えたことで有名である。最も太陽に接近した1997年4月1日頃には、見かけの明るさが-1等級にも達し、尾の長さも 30 - 40°になった。 マックノート彗星 - (C/2006 P1) - 2007年2007年1月12日の近日点通過前後には-6等級近くに達し、白昼の太陽のすぐ近くでも肉眼や双眼鏡で見ることができた。近日点通過後は南半球の夕方の空で肉眼でも容易に見ることができ、数十度に達する大きく曲がった尾が見られた。 ラヴジョイ彗星 - (C/2011 W3) - 2011年数々の大彗星を出現させてきたクロイツ群の彗星であり、2011年12月16日には、太陽までわずか0.00555au(83万km)まで接近した。その後、クリスマス・シーズンの南半球で雄大な姿を見せた。 ネオワイズ彗星 - (C/2020 F3) - 2020年発見当初は最大光度3等前後と予想されていたが、太陽に接近するにつれ急速に明るさを増し、近日点を太陽から0.294au(4400万 km)の距離で通過した2020年7月3日には0等級まで明るくなり、北半球の明け方の東天に雄大な姿を現した。
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