連声とは? わかりやすく解説

れん‐じょう〔‐ジヤウ〕【連声】

読み方:れんじょう

《(梵)sandhisadhi)の訳》二つの語が連接するときに生じ音変化の一。前の音節末尾の子音が、あとの音節の頭母音(または半母音母音)と合して別の音節形成すること。「三位(さんい)」を「さんみ」、「因縁いんえん)」を「いんねん」、「今日こんにち)は」を「こんにった」という類。


連声

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 00:58 UTC 版)

連声(れんじょう)とは、日本語連音の一種。2つの漢字からなる語の一番目の字が子音で終わり、かつ二番目の字がア行(母音)・ヤ・ラ・ワ行(半母音)であるときに、それがタ・ナ・マ行に変化する現象をさす。長子音化の一種である。

概要

平安時代から室町時代にかけての日本語では、漢字音(音読み)が -t・-n・-m のいずれかの子音で終わることがあった。これらの漢字の後ろに母音(ア行)または半母音(ヤ行・ラ行・ワ行)で始まる漢字が続くと、その漢字がそれぞれタ行・ナ行・マ行に変化することがあった。ヤ行からナ行・マ行に変化するときは拗音になった。

江戸時代以降になると、-t は独立の音節である「」または「」にかわり、また -m および -n は撥音で発音されることが一般的になり、漢語の連声はほとんど見られなくなったが、一部の漢語には今も痕跡的に残っている。

なお室町時代には、漢語内のみでなく漢語の後ろに助詞「は・を」が続くときにも連声が見られた。この現象は現在では狂言などの古典芸能や、ごく一部地域の方言にしか残されていない。

  • 「念仏を」→ ねんぶっ(but + wo)
  • 「今日は」(こんにちは) →こんにっ(nit + wa)
  • 「冥見を」→ みょうけん(ken + wo)

実例

以下の例は歴史的仮名遣いで記し、-n を「ん」で、-m を「む」で書きわける。

第一字が -n で終わる例

  • 「安穏」あん + をん (おん) → あん
  • 「銀杏」ぎん + あん → ぎん
  • 「観音」くゎん (かん)+ おむ (おん) → くゎんむ (かんん)
  • 「云々」うん + うん → うん
  • 「反応」はん + おう → はん
  • 「天皇」てん + わう (おう) → てんう (てんう)
  • 「輪廻」りん + ゑ (え) → りん
  • 「因縁」いん + ゑん (えん) → いん
  • 「親王」しん + わう (おう) → しんう (しんう)

第一字が -m で終わる例

  • 「三位」さむ (さん) + ゐ (い) → さむ (さん)
  • 「陰陽」おむ (おん) + やう (よう) → おむゃう (おんょう)

第一字が -t で終わる例

  • 「雪隠」せつ + いん → せっ
  • 「出来」しゅつ + らい → しゅっ
  • 「屈惑」くつ + わく → くっく(→屈託)

関連文献

  • 中田祝夫・林史典『日本の漢字』中公文庫、2000年(原著1982年)、287-289頁。 

連声

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 09:49 UTC 版)

カンナダ語」の記事における「連声」の解説

カンナダ語発音表記においては、連声と呼ばれる現象起きる。連声とは、語と語、または語と接辞などが連続する場合の、発音とその表記変化のことである。連声はインド諸言語見られる現象である。

※この「連声」の解説は、「カンナダ語」の解説の一部です。
「連声」を含む「カンナダ語」の記事については、「カンナダ語」の概要を参照ください。

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連声

出典:『Wiktionary』 (2021/12/07 12:20 UTC 版)

この単語漢字
れん
第四学年
しょう > じょう
第二学年
音読み 呉音

発音

名詞

(れんじょう)

  1. (音韻論) 二つ連続する際に生じ音変化一つで、一番目音節末尾子音二番目音節の頭母音とが合わさって別の音節変化すること。

「連声」の例文・使い方・用例・文例

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