訴訟について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 01:32 UTC 版)
画面構成は独創的であったが、それ故に注文主であった大聖堂参事会側から非難の声が上がった。この結果、当初グレコが要求した額から大幅に報酬が減額された。二点目として、キリストを取りまく群衆の頭が、そのキリストよりも上に描かれていることも批判の対象とされた。松井の調査によると、当時大聖堂は美術家に対する査定制度におけるアドバンテージ、査定額に関する観衆的な算定方式、造営主任による作品の監督や構図に対する認可の三点を以て事実上表現の統制を行うだけの力があったとされる。グレコは訴訟を起こし、敗訴すると作品の引き渡しを頑として拒否。結局訴訟調停役のアレホ・デ・モントーヤによる評価もあり、グレコは大聖堂側が払おうとしたよりもやや高い金額を受け取った。トレドで制作を続けたグレコはその後もしばしば報酬のことで注文主と争った。
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