船内保管室 (ELM-PS)
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「きぼう」の記事における「船内保管室 (ELM-PS)」の解説
船内保管室 (Experiment Logistics Module Pressurized Section:ELM-PS)は、軌道上で保管庫として使用される部位で、日本が打ち上げた初の有人施設となった。2011年2月に多目的補給モジュール「レオナルド」を恒久型多目的モジュールに改造してISSに設置されるまで、ISSの実験モジュールの中で唯一の専用保管室であった。実験室同様に1気圧が保たれ、8台のラックを搭載できる。打ち上げ時に搭載していたラックは船内実験室打ち上げ後に移設され、その後は保管空間として実験機器、実験試料、ISSの各部品などの保管に使われている。 天頂面の一部が斜めに切られたような形状になっているが、ここには船外実験プラットフォームと同じ実験装置交換などに使う船内保管室装置交換機構(EFU)が1基設置されている。これはHTV到着時に、後述の船外パレットをここに仮置きして、HTVの曝露パレットを取り付ける場所を空けるために使用する計画であったが、その後船外パレットは地上に回収することになったため、このような使い方は必要なくなった。その後、2018年7月13日にHREP(後述のアメリカの船外実験装置)をドラゴン宇宙船15号機に回収するにあたって、一時的に船内保管室の装置交換機構(EFU)に移されており、カナダアーム2との受け渡し場所として使われるなどしている。また、この天頂面には「こうのとり」近傍通信システム(PROX)のGPSアンテナ2基が設置されている。 当初の計画では、船内保管室はスペースシャトルを使って物資の運搬と回収を行う輸送用コンテナとして用いる予定であったが、スペースシャトルの退役により取りやめになり、代わりに輸送についてはHTVがその役割を担うことになった。地上へは持ち帰らない方針になったため、スペースシャトルへの積み込みに必要な部品の一部(EFUの下部、進行方向の反対側側面にあった把持部である軌道上取り外し可能型グラプルフィクスチャー(Flight Releasable Grapple Fixture:FRGF)など)は船内保管室から取り外された。 静粛性も優れており、きぼう船内実験室も静かだが、実験装置のない船内保管室は特に静かだという。壁には船内実験室と同様に打ち上げ前に宇宙飛行士に宛てて「Welcome to the highest place of Japan over Mt.Fuji」(日本の富士山より高い場所にようこそ)と書かれた青いシールが貼られている。 主要諸元 形状 - 円筒形 直径(外径) - 4.4m 直径(内径) - 4.2m 全長 - 4.2m 壁の厚さ - 約10cm(メテオロイド・デブリシールドとして、進行方向側以外の壁が外から順に、1.27mm厚の白いアルミ合金6061-T6のデブリバンパー、多層断熱材(Multi Layer Insulation:MLI)、アルミ合金2219-T87の与圧壁(アイソグリッド構造で最薄4.8mm)で構成されている「ホイップルバンパー」でできており、進行方向側223度分のみ「スタッフィング入りバンパー」(スタッフィングはバンパー側から順にMLI、アルミメッシュ、Nextel AF62(セラミック)、Kevlar 710(炭素複合材)、Kapton(ポリイミド)でできている)が設けられている。) 非貫通確率 - 10年間軌道上で運用した時、外壁に微小隕石やデブリによって貫通穴が生じない確率は、船内実験室と船内保管室を合わせて0.9738以上。 乾燥重量 - 4.2t(打ち上げ時8.4t) 搭載ラック - 8台 電力 - 直流120V・最大3kW 環境制御性能 - 温度:18.3-29.4度、湿度:25-70% 寿命 - 10年以上
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