外来種
移入種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:18 UTC 版)
養殖目的で移入された食用ナマズや、飼育放棄された外来の観賞用ナマズが自然界に定着し、問題となっている例が世界各地で知られる。淡水産ナマズ(特に中〜大型種)の多くは生息環境における食物連鎖の上位に位置することが多く、在来の水生生物を根絶やしにするなど生態系への悪影響が懸念される。ヒレナマズ科のウォーキングキャットフィッシュ(クラリアス・バトラクス、Clarias batrachus)は、本来は東南アジアに分布する熱帯性のナマズであるが、現在ではアメリカ合衆国南部やハワイなど、世界の多くの地域に帰化している。本種は空気呼吸が可能で、陸上を移動する性質があるため容易に分布を広げやすく、国際自然保護連合 (IUCN) が指定する「世界の侵略的外来種ワースト100」の一つに選定されている。 外国産ナマズの定着は日本でも問題となっている。1981年、霞ヶ浦に食用目的で導入された北アメリカ原産のチャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ、Ictalurus punctatus)は、1994年以降急激に数を増やしている。本種は体長1 mを超える大型の捕食魚で他に天敵はおらず、外来生物法における特定外来生物として規制の対象となっている。また、ヨーロッパオオナマズ(ナマズ目中の最大種)・ウォーキングキャットフィッシュの定着が懸念されるほか、マダラロリカリアは既に沖縄への定着が確認されている。いずれも在来魚類との競合が心配され、これら3種は環境省が指定する要注意外来生物リストに掲載されている。
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