演技指導
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:34 UTC 版)
小津は俳優の動きや視線、テンポに至るまで、演技のすべてが自分のイメージした通りになることを求めた。小津は自ら身振り手振りをしたり、セリフの口調やイントネーション、間のとり方までを実際に演じてみせたりして、俳優に厳密に演技を指導したが、笠智衆は小津が「ヒッチコックのように自分の作品に出演したら、大変な名演技だったろう」と述べている。演技の指示は「そこで三歩歩いて止まる」「紅茶をスプーンで2回半かき回して顔を左の方へ動かす」「手に持ったお盆の位置を右に2センチ、上に5センチ高くして」という具合に細かく、俳優はその指示通りに動いたため、飯田蝶子は「役者は操り人形みたいなもの」だったと述べている。 構図を重要視した小津は、演技も構図にはまるようなものを求めた。『長屋紳士録』で易者を演じた笠智衆によると、机の上の手相図に筆で書き込むというシーンで、普通に筆を使うと頭が下がってしまうが、小津は頭が動くことで構図が崩れてしまうのを避けるため、頭の位置を動かさずに演じるよう指示し、笠が「そりゃちょっと不自然じゃないですか」と抗議したところ、小津は「君の演技より映画の構図のほうが大事なんだよ」と言い放ったという。 小津は自分がイメージした通りになるまで、俳優に何度も演技をやり直させ、1つのアクションでOKが出るまでに何十回もテストを重ねることもあった。淡島千景は『麦秋』で原節子と会話するシーンにおいて、原と同じタイミングでコップを置いてからセリフを発し、原の方を向くという演技が上手くいかず、小津に「目が早いよ」「手が遅いよ」「首が行き過ぎだよ」と言われてNGを出し続け、20数回までは数えたが、その後は数え切れなくてやめたほどだったという。岩下志麻は『秋刀魚の味』で巻尺を手で回すシーンにおいて、巻尺を右に何回か回してから瞬きをして、次に左に何回か回してため息をつくという細かい注文が出されたが、何度やってもOKが出ず、小津に「もう一回」「もう一回」と言われ続け、80回ぐらいまでNGを数えたという。
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演技指導
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 00:50 UTC 版)
劇団・演劇座創立 渡辺プロ、日大演劇科、田中プロなどで俳優新人養成の講師を務める石田えり、若宮優子、新藤栄作、江藤潤、山咲千里、松本明子、桑江知子、森口博子、若村麻由美、谷英美、栗生二稲、その他を演技指導する。
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