浅草文庫とは? わかりやすく解説

あさくさ‐ぶんこ【浅草文庫】

読み方:あさくさぶんこ

[一]明治8年(1875)に浅草蔵前設けられ官立公開図書館昌平坂学問所和学講談所などの蔵書11冊を受け継いだもので、現在、その大部分国立公文書館内閣文庫保存

[二]江戸時代浅草居住した医師板坂卜斎大名堀田正盛御家人木村重助らの私設文庫また、明治大正学者大槻如電(おおつきじょでん)が設けた文庫


浅草文庫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 01:24 UTC 版)

浅草文庫(あさくさぶんこ)とは、徳川幕府の学問所と将軍紅葉山文庫の書籍を蔵書とした、明治初期に東京で開設された明治期の公立図書館。浅草文庫と称した文庫は江戸時代から5回あるが、官立は明治7年から14年までの7年間、浅草区浅草御蔵前片町に所在したもののみである[1]

明治政府は旧幕府から接収した書籍類を太政官や各大学へ分割して引き継いだが、文部省博物館(本省機構かつ展示施設、現東京国立博物館)はこれらを1か所にまとめて公衆の閲覧に供することとし、1872年(明治5年)に日本最初の近代的公立図書館として「書籍館[2]」(しょじゃくかん、図書館の古称)を湯島聖堂(大成殿)に開設した。蔵書の内訳は次のとおり(原所蔵元(引継元))。

1874年(明治7年)になり明治政府は書籍館閲覧室となっていた大成殿大講堂を会議場として利用するため、当時は太政官博覧会事務局管轄下となっていた書籍館を閉鎖し、蔵書を浅草蔵前の旧浅草御蔵の米蔵に移した。そして同地に閲覧所を新築し翌1875年(明治8年)に開館した。

同年に文部省は改めて湯島聖堂に図書館「東京書籍館[2]」を開設したので、開館時には博物館とともに内務省管轄となっていた同施設は、明治新時代の事物である書籍館・図書館の名を冠さない「浅草文庫」と称した。浅草文庫は博物館の付属施設であったため、博物館の古書画も保管し、これらの閲覧もできた[3]

1881年(明治14年)、上野公園に新築された博物館構内の「書籍借覧場」に移転し、蔵前の閲覧所は閉鎖されて建物は東京職工学校東京工業大学の前身)に引き継がれ、浅草文庫は幕を閉じた。蔵書の大部分は古典籍・古文書として現東京国立博物館にまで引き継がれたが、一部は内務省本省を経て内閣文庫の中核となり、現在は国立公文書館に保存されている。

参考文献

脚注

  1. ^ 浅草文庫の創立と景況樋口秀雄 (国立国会図書館, 1972-03-10) 掲載雑誌名:参考書誌研究. (4)
  2. ^ a b 書籍館、東京書籍館、ともに帝国図書館を参照のこと
  3. ^ 大英博物館の旧図書部門と同様の機能

浅草文庫(台東区立中央図書館)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/27 01:53 UTC 版)

台東区立図書館」の記事における「浅草文庫(台東区立中央図書館)」の解説

昭和52年11月浅草観光連盟によって設置され芸能中心とする浅草関連資料平成12年からテプコ浅草館で公開されたが、平成23年に同館は閉鎖したこれに伴い浅草観光連盟文庫のうちの図書資料台東区寄贈した寄贈受けた台東区コレクション図書館公開することとし平成24年11月17日中央図書館2階郷土・資料調査室に浅草文庫コーナー開設した同名の「浅草文庫」は他に、元書籍館の浅草文庫、2代目板坂卜斎の浅草文庫、堀田正盛の浅草文庫、大槻如電の浅草文庫がある。

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