阿蘭陀本草和解とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 阿蘭陀本草和解の意味・解説 

阿蘭陀本草和解〈野呂玄丈抄訳/〉

主名称: 阿蘭陀本草和解〈野呂玄丈抄訳/〉
指定番号 99
枝番 0
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書 寛保元年三月寛延三年三月書写奥書
員数 2冊
時代区分 江戸
年代 寛保元年寛延3年
検索年代
解説文: オランダ商館医師を介してもたらされ蘭学は、当初医学科学技術中心として伝えられ八代将軍徳川吉宗蘭学奨励政策等によって徐々に実用的な傾向呈することとなった
 本件は、この徳川吉宗の命を受けて本草学者幕府医官であった野呂元丈【のろげんじよう】が中心となって将軍進献され、幕府官庫紅葉山文庫保管になるヤン・ヨンストン著述の『動物図説』、およびランベルス・ドドネウス著述になる『草木誌』【そうもくし】の蘭語原書抄訳したものである。
 体裁は、二冊ともに明朝綴袋綴冊子本で、白地藍色洲浜摸様の紙表紙装し料紙には無界楮紙用い、その法量は必ずしも一律ではなく概ね行ずつに書写している。筆跡等からみて全編ともに一筆ではなく第二冊に収める壬戌阿蘭陀本草和解」「阿蘭陀本草和解書付」等には押紙になる追記がみえるが、本文には加筆訂正等の跡はなく、清書本としての体裁伝えている。
 現状は、必ずしも編年形式ではないが、寛保元年一七四一三月から寛延三年一七五〇)年三月までの一〇年の年月費やして訳出し、基本的に一年分を一編として、原則としてそれぞれ表題干支冠し都合一二編を二冊に合綴している。
 そのうち第一冊には『動物図説』を訳出した「阿蘭陀禽獣蟲魚和解」(寛保元年辛酉三月)の一編があり、翻訳にあたって、まず本編初めに着手したことがうかがえ、他の一一はいずれも『草木誌』を訳出した「阿蘭陀本草和解」に関するのである
 内容は、原書所収頁数を標記し、ほぼ一字下げ薬草の名称をオランダ名、ラテン名、日本名記し併せて効能用法およびその製薬法などについて箇条書形式記している。
 翻訳の経緯等については、各編の奥書に、例えオランダ商館長・ヤコブ・ファン・デル・ワーイエン、オランダ商館医・ムスクルス、大通事・吉雄【よしお】幸左衛門小通事・茂【しげ】七郎左衛門等の名がみえていることから、オランダ商館一行毎年江戸参府の際に質疑等を行って教示を得るとともに通事(詞)の助力を得ながら訳出あたったことがうかがえる
 なお、伝来については、幕府官庫紅葉山文庫から昌平坂学問所和学講談所旧蔵書基幹として設置され書籍館【しよじやくかん】を受け継いで明治八年一八七五)に開設され浅草文庫経て現有帰したのである
 抄訳本ではあるが、原書解読行った蘭学研究嚆矢ともいうべきもので、後の蘭学研究の進展多大な影響を及ぼすなど、わが国における蘭学研究史上に貴重であるとともに伝来経緯明らかなことも特記される。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「阿蘭陀本草和解」の関連用語

1
野呂元丈 デジタル大辞泉
100% |||||





6
12% |||||




10
4% |||||

阿蘭陀本草和解のお隣キーワード

阿玉台貝塚

阿蘇の御田植

阿蘇の農耕祭事

阿蘇北向谷原始林

阿蘇家文書

阿蘇神社

阿蘭陀本草和解

阿蘭陀風説書

阿豆佐和気命神社旧本殿

阿豆佐和気神社の大クス

阿那律八念経

阿部家住宅上座敷

阿部家住宅主屋

検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



阿蘭陀本草和解のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS