水渇丸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 02:47 UTC 版)
水渇丸(すいきつがん・すいかつがん)は以下の材料を調合した、兵糧丸と共に用いる亜種食品の一つであり、潜伏時・走行時・移動時などの喉の渇きを抑えるために使われた。唾液の分泌を促すため、梅干をベースに調合され、現代ののど飴やチューイングガムを栄養豊富にしたものにあたる。 兵糧丸・水渇丸いずれも共に流派や年代、その土地で取れる作物によって様々に調合の仕方に違いがある。たとえば保存方法の中でも重要である乾燥法ひとつにしても含まれる栄養成分の特性を考慮して丸薬を日干し(日光の紫外線による殺菌やビタミンD前駆体であるエルゴステロールの増加を促す)で乾燥させるか風通しのいいところで陰干し(ビタミンC・ビタミンB群・ナイアシン・葉酸などのビタミン類やポリフェノールをはじめとする栄養成分を保持して)乾燥させるのか、あるいは煙などでいぶして燻煙(殺菌)するのかといった違いである。 主な配合には以下の材料が用いられた。 梅干(クエン酸:唾液分泌促進、消毒、血液の清浄作用) 氷砂糖(唾液分泌促進及びカロリー摂取) 麦芽(糖質:唾液分泌促進及びカロリー摂取) 松の甘皮(テルペン類・ケルセチンおよび松脂、消毒や血液の清浄作用および爽快味) 茶・柿の葉・桃の葉(カテキン類:消毒や血液の清浄作用) 生姜・ニホンハッカ(消毒や血液の清浄作用および爽快味、冷涼感) こうした物質の数種粉末に以下を加える。 少量の果物の果汁 酒類(湿潤剤及びビタミン類摂取)
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