正準変数とは? わかりやすく解説

正準変数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 22:37 UTC 版)

正準変数(せいじゅんへんすう、: canonical variable)とは、ハミルトン形式解析力学において、物体の運動を記述する基本変数として用いられる一般化座標一般化運動量の組をいう[1][2][3]。しばしば一般化座標は文字 q 、一般化運動量は p で表される。正準(カノニカル、: canonical)という語は標準的、慣例的という意味を表す[4]ウィリアム・ローワン・ハミルトンによって導入された正準変数による形式に正準(: canonique)という語を充てたのは、カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビである[5][6]




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正準変数

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天体力学」の記事における「正準変数」の解説

天体力学いくつかの問題ラグランジュ惑星方程式導出軌道共鳴議論など)にはケプラー軌道要素ではなく正準共役量を基本変数として用いハミルトン力学適している。例えばドロネー変数 ( l , g , h , L , G , H ) {\displaystyle (l,g,h,L,G,H)} は l = M ,     L = μ a {\displaystyle l=M,\ \ L={\sqrt {\mu a}}} g = ω ,     G = μ a ( 1 − e 2 ) {\displaystyle g=\omega ,\ \ G={\sqrt {\mu a(1-e^{2})}}} h = Ω ,     H = μ a ( 1 − e 2 ) cos ⁡ I {\displaystyle h=\Omega ,\ \ H={\sqrt {\mu a(1-e^{2})}}\cos I} により定義され、 ( l , L ) {\displaystyle (l,L)} , ( g , G ) {\displaystyle (g,G)} , ( h , H ) {\displaystyle (h,H)} が正準共役な組となっている。このときハミルトニアンは F = − μ 2 2 L 2 {\displaystyle F=-{\frac {\mu ^{2}}{2L^{2}}}} により与えられる。なおこれらの変数ケプラー問題作用・角変数関係している。 正準形式摂動論摂動後のハミルトニアンから角変数消去するような正準変換構築することによって実現されるこのような正準変換を施すと、変換後の作用変数時間変化しなくなり、問題自明に解くことができる。このような変換摂動任意の次数まで続けることができるものの、この摂動級数収束せず、級数途中で打ち切る必要がある(この事情定数変化法により得られる摂動級数でも同じである)。

※この「正準変数」の解説は、「天体力学」の解説の一部です。
「正準変数」を含む「天体力学」の記事については、「天体力学」の概要を参照ください。

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