楽章とは? わかりやすく解説

がく‐しょう〔‐シヤウ〕【楽章】

読み方:がくしょう

ソナタ交響曲などを構成する完結性を備えた一つ一つの曲。


楽章[movement]


楽章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 17:16 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

西洋音楽において、楽章(がくしょう)とはをいくつかに分けたそれぞれの部分を指す。 伝統的な西洋音楽において、ひとつの楽曲の中がさらにいくつかに分かれていて、それらがあたかも別の楽曲であるかのようにある程度の独立性を持っているとき、それらを楽章と呼ぶ。最初の楽章から「第1楽章」−「第2楽章」−...のように呼ぶ。また最後の楽章を特に「終楽章」「フィナーレ」と呼ぶことがある。

通常、楽章の間は短い時間が空けられて演奏される。楽章間に小休止を設けず、続けて次の楽章に入ることをアタッカという。きわめて異例のことではあるが、楽章間にかなり長い時間をとるように指定していることもある。(マーラーの交響曲第2番など)

通例として楽章を持つ楽曲は、交響曲協奏曲ソナタ弦楽四重奏曲などである。

なお、組曲や、オペラバレエほか劇付随音楽の場合には、楽章と呼ばない。

楽章の構成

楽章の数は、3か4が基本であり、交響曲では4楽章が多く、協奏曲では3楽章がほとんどである。

バロック時代

バロック時代には、次のような楽章の組み合わせが見られた。

教会ソナタ形式

  • 第一楽章:緩
  • 第二楽章:急
  • 第三楽章:緩
  • 第四楽章:急

後期バロック時代の協奏曲

  • 第一楽章:急
  • 第二楽章:緩
  • 第三楽章:急

古典派以降

古典派以降の作品では、4楽章のものでは急−緩−舞曲−急、3楽章のものでは急−緩−急の組み合わせが多い。

4楽章のもの

  • 第一楽章:急
  • 第二楽章:緩(緩徐楽章と呼ぶことが多い)
  • 第三楽章:舞曲(メヌエット、またはスケルツォが多い)
  • 第四楽章:急

4楽章制のソナタ、室内楽曲、交響曲はこの形式のものが基本である。緩徐楽章と舞曲の楽章の順が逆になることもある。逆になる例は交響曲においてはベートーヴェン交響曲第9番が最初であるが、ソナタや室内楽曲ではモーツァルト弦楽四重奏曲第14番「春」やベートーヴェンの弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」第1番、ハンマークラヴィーアソナタなど、それ以前からしばしば見られる。

3楽章のもの

  • 第一楽章:急
  • 第二楽章:緩
  • 第三楽章:急

協奏曲、ソナタなどによく見られる形式である。

ロマン派以降

ロマン派以降では、上記に加えてさまざまな形式が現れるようになった。

1楽章のもの

楽章がひとつしかない例もある。このようなものの中には、1つの楽章のなかの各部分が多楽章を構成するかのような例もある。(リストピアノ協奏曲第1番ピアノソナタなど。)

きわめて多数の楽章からなるもの

5楽章、6楽章からなる作品も古典派以前にいくつか見られたが、後期ロマン派から近代以降ではそれが一般化してくる。

曲としての統一性

前古典派までの作品では楽章間に大きな関連性が見られないため、それらの各楽章で1つの楽曲を作るには統一性がやや欠けていたが、ハイドンは異なる楽章間の主題に関連性を持たせ、楽曲としての統一性を図るようになった。ロマン派時代に入ると、作品の構築性よりも感情表現やそのための旋律性が重視されたため、再び楽章間の統一性が脆弱になる傾向が生まれた。これを克服するため、ベルリオーズやリストは各楽章間の旋律の共通性をより重視した循環形式を強化した。この傾向は後にはフランクに特に強く受け継がれた。曲としての統一性、という概念に大きく貢献した作品としては、ベートーヴェンの諸作品(とりわけ交響曲第5番)、ベルリオーズの幻想交響曲、フランクの交響曲などがある。


楽章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/12 02:09 UTC 版)

ヴァイオリンソナタ (マニャール)」の記事における「楽章」の解説

第1楽章Large - Animé序奏からはじまる近代的なソナタ形式をとる。ヴァイオリン中心となった静謐旋律のあと、情熱的な主部へと展開する序奏旋律コーダ前に再び登場する。約12分。 第2楽章:Calme2つの主題交互に現れ徐々に変容していく。その美しさは「フランス音楽最上の境地を表すもの」とまで評される。約13分。 第3楽章Trés Vif短めの楽章で、リズミカルなスケルツォ形式を取る。約3分。 第4楽章Large - Animé速度指定第1楽章と同じ。哀愁帯びた第1主題と、速いテンポ演奏される第2主題によるソナタ形式をとる。展開部では主題フーガのように扱われており、ベートーヴェン作風想起させる。約14分。

※この「楽章」の解説は、「ヴァイオリンソナタ (マニャール)」の解説の一部です。
「楽章」を含む「ヴァイオリンソナタ (マニャール)」の記事については、「ヴァイオリンソナタ (マニャール)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「楽章」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「楽章」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「楽章」の関連用語











楽章のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



楽章のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ヤマハミュージックメディアヤマハミュージックメディア
Copyright(C) 2000-2025 YAMAHA MUSIC MEDIA CORPORATION. All Rights Reserved.
ヤマハミュージックメディア音楽用語ダス
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの楽章 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヴァイオリンソナタ (マニャール) (改訂履歴)、交響曲第2番 (シマノフスキ) (改訂履歴)、アイネ・クライネ・ナハトムジーク (改訂履歴)、筑後川 (團伊玖磨) (改訂履歴)、シンフォニア・セレーナ (改訂履歴)、交響曲第4番 (シマノフスキ) (改訂履歴)、小組曲 (ドビュッシー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS