ソナタ形式
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ソナタ形式(ソナタけいしき、英: sonata form、独: Sonatenform)とは、楽曲の形式の一つ[1] で、構成は基本的に、序奏・提示部・展開部・再現部・結尾部からなり、二つの主題が提示部・再現部に現れる。古典派の時代に大きく発展した。
注釈
- ^ (多楽章)ソナタ全体の形式とは異なる。緩徐楽章や中庸なテンポの楽章にも用いられる[2]が、シェーンベルク『作曲の基礎技法』においては「ソナタ形式、ソナタ・アレグロ形式、または第1楽章形式などと、さまざまに言われる」と前置きした上で、基本的にソナタ・アレグロ形式という呼称を採用している(山県茂太郎、鴫原真一訳。215-216頁)。
- ^ ほかにはダ・カーポ・アリアやリトルネッロ形式などが関連する。
- ^ 一般には「回帰」「円環」("rounded")二部形式と呼ばれる。三部形式とみなされることもあるが、繰り返しの構造や、第一部が主調で終止しない("open tonal plan")ことで区別される[4]。
- ^ ただし教科書的な定型は一切なく[3]、チャールズ・ローゼンは、「18世紀のほとんどの間、ソナタ形式は独立した明確に定義できる形式としては存在しない」と述べている[6]。
- ^ この時期までにソナタ形式に言及した理論家には、ヨゼフ・リーペルやハインリヒ・クリストフ・コッホなどがいる[3]。
- ^ マルクスのほかには、E.T.A.ホフマンやアントニーン・レイハ、カール・チェルニーなどによる記述がある[7][9]。
- ^ 特に、調性ではなく主題の対比を強調したことが批判されている。ニューグローヴ世界音楽大事典はソナタ形式を、「調構造、各区分や終止の(Cadential)組み立て、音楽素材の配列や展開を総合した」「原理」と定義している[2]。
- ^ モーツァルトのピアノソナタ第16番第1楽章、シューベルトの交響曲第5番第1楽章、ベートーヴェンの序曲「コリオラン」などの例がある。
- ^ チャールズ・ローゼン 『ソナタ諸形式』 福原淳訳 p.72では「馬鹿げている(...)この形式のソナチネを少なくとも私は知らない」との説明があり、「緩徐楽章形式」との呼称を提案している。
- ^ チャールズ・ローゼンはソナタ諸形式日本語版のP.420で、ショパンのこの例外的な発想へ「ワルシャワでは、ソナタについてのあまり明確な概念が持たれていなかった」と論じている。この作品は再現部ですら主調の2度下の調で始まる。
- ^ 提示部は第1主題がホ短調で第2主題は同主調のホ長調、再現部では第1主題はホ短調だが第2主題は平行調であるト長調になり、コーダで開始部と同様のホ短調に戻る。短調における提示部の平行調と再現部の同主調の原則を逆転させた例。
出典
- ^ Teaching Classical Form:Strict Categories vs. Flexible Analyses William E. Caplin 著 2018年7月8日閲覧
- ^ a b Webster 2001, p. 687-688.
- ^ a b c d e Wolf 2003a, pp. 800–801.
- ^ a b c Wolf, Eugene K. (2003), “Binary and ternary Form”, in Randel, Don Michael, The Harvard Dictionary of Music (4th ed.), Harvard University Press, pp. 100-102
- ^ a b Webster 2001, p. 691.
- ^ チャールズ・ローゼン 著、福原淳 訳『ソナタ諸形式』アカデミア・ミュージック、1997年、16頁。
- ^ a b c d e Wolf 2003a, pp. 801–802.
- ^ Webster 2001, p. 694.
- ^ a b c Webster 2001, p. 696-697.
- ^ Webster 2001, p. 695.
- ^ a b 西原稔 (1990), “A.B.マルクスのソナタ形式理論とその歴史的な意義――19世紀のソナタ形式の社会的機能”, 桐朋学園大学研究紀要 (16): pp. 33-56. 41-43頁。
- ^ a b 沼野雄司『ファンダメンタルな楽曲分析入門』音楽之友社、2017年、63-65頁。
- ^ Webster 2001, p. 696.
- ^ 「ブルックナー研究」レオポルト・ノヴァーク、樋口隆一訳 音楽之友社、2018年 およびその原本 “Über Anton Bruckner” Leopold Novak, Musikwissenschaftlicher Verlag Wien, 1985
- ^ 「ブルックナー交響曲」ハンス=ヨアヒム・ヒンリヒセン、高松佑介訳 春秋社
「ソナタ形式」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はソナタ形式の曲をひいた
- ソナタ形式の音楽作品.
- ある楽章(特にソナタ形式)の楽節で、音楽の主要主題を最初に提示する
- 前に導入された音楽の主旋律が繰り返される作品、または楽章(特にソナタ形式における)の楽節
- 主要な音楽のテーマが開発され、念入りに作られた構成または主題(特にソナタ形式の中で)の部分
- (ソナタ形式の楽曲で)主題が再び反復される部分
- ソナタ形式の音楽で,最初に呈示される主題
- ソナタ形式の音楽における第二主題
- ロンドソナタ形式という楽曲形式
- ロンドソナタ形式の楽曲
- ソナタ形式で,副次的な主題や一時的な楽想
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