核拡散防止条約
別名:核不拡散条約、核兵器拡散防止条約、核兵器不拡散条約、NPT
英語:Nuclear Non-Proliferation Treaty
国連の常任理事国である、米、英、仏、中、露以外の国家が核兵器を保有することを禁止するために締結された多国間条約。1968年7月1日に署名開放され、70年3月5日に発効した。日本は1970年2月に署名、1976年6月批准している。
同条約では、主に核保有国に対しては、他国への譲渡を禁止する条項や核軍縮を促進する規定がある。一方の非核保有国は核兵器の新規製造や取得が禁止されている。
外務省によると、締約国は2010年時点で190ヶ国に上り、非締約国はインド、パキスタン、イスラエルである。また、北朝鮮は金日成体制下の1993年3月、核拡散防止条約脱退を宣言した。
金正恩体制発足後、緊張状態を増す朝鮮半島情勢だが、2013年3月頃から、その緊張状態がさらに強まっている。2013年4月10日の朝鮮日報の記事によると、韓国与党セヌリ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員は自国の安全保障が著しく脅かされるならばNPT脱退も検討する必要があると述べた。
関連サイト:
核兵器不拡散条約(NPT) - 外務省
「安保が持続的に脅かされるならNPT脱退の検討を」 - 朝鮮日報
かくかくさんぼうし‐じょうやく〔カククワクサンバウシデウヤク〕【核拡散防止条約】
読み方:かくかくさんぼうしじょうやく
核拡散防止条約(かくかくさんぼうしじょうやく)
1968年7月に署名、1970年3月に発効した。現在、インド、パキスタン、イスラエル、キューバを除く187ヶ国が締結している。核不拡散条約とも言う。
核拡散防止条約は、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5ヶ国に核兵器の保有を認めると同時に、核兵器の拡散防止義務を課している。核兵器保有国は、核兵器などの管理を徹底し、核兵器の製造につながる技術などを非核保有国に援助することが禁止されている。他方、非核保有国は、核兵器などの技術や援助を受けてはならないという拡散避止義務が課せられている。
また、核拡散防止条約第6条には、核兵器保有国に対して核軍縮を実施するように求める規定が置かれている。
核拡散防止条約は、1965年にアメリカとソ連(当時)がそれぞれ草案を出し、1967年12月に国連総会で核兵器不拡散を決議したことから誕生した。日本は、1976年6月に発効となった。
条約の運用を再検討する会議が5年ごとに開かれており、1995年の会議では、当初25年としていた条約の有効期限を無期限に延長した。2000年には、第6回目となる再検討会議がニューヨークの国連本部で行われ、インド・パキスタンの核実験(1998年)、米上院による核実験全面禁止条約(CTBT)の批准否決(1999年)への対応を含め、21世紀に向けたNPT体制の強化目標が検討される。
(2000.04.27更新)
核拡散防止条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 01:10 UTC 版)
核兵器の不拡散に関する条約(かくへいきのふかくさんにかんするじょうやく、英語:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons、通称:Non-Proliferation Treaty、その略称:NPT[2])は、核軍縮を目的にアメリカ・フランス・イギリス・中国・ロシアの核所有5か国以外の核兵器の今後保有を禁止しようとする条約である。略称は核拡散防止条約(かくかくさんぼうしじょうやく)または核不拡散条約(かくふかくさんじょうやく)。
注釈
出典
- ^ 1976年(昭和51年)6月8日外務省告示第112号「核兵器の不拡散に関する条約の日本国による批准に関する件」
- ^ a b c d e 核兵器不拡散条約(NPT)の概要外務省 2015年6月
- ^ “NPT会議、最長1年延期 国連で核軍縮議論 被団協「残念」”. 朝日新聞デジタル. (2020年3月29日)
- ^ “NPT再検討会議、22年8月の開催検討 4度目の延期”. 日本経済新聞 (2021年12月31日). 2022年1月29日閲覧。
- ^ 「NPT再検討会議 ロシアの反対で「最終文書」採択できず」『』NHK、2022年8月27日。2022年8月28日閲覧。
- ^ “2005年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の概要と評価”. 外務省 (2005年5月28日). 2022年8月28日閲覧。
- ^ “2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の概要と評価”. 外務省 (2010年5月28日). 2022年8月28日閲覧。
- ^ “2015年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の概要と評価”. 外務省 (2015年5月23日). 2022年8月28日閲覧。
- ^ イラクにおける大量破壊兵器問題(参考)外務省 2003年10月
- ^ 今日の歴史(3月12日) 聯合ニュース 2009/03/12
- ^ 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)外務省 2006年6月
- ^ 核保有国のダブル・スタンダードニュークリア・アボリション・ニュース・アンド・アナリシス。NPO法人 インタープレスサービス・ジャパンによる翻訳
- ^ 『村田良平回想録 上巻』 ミネルヴァ書房、2008年、212頁
- ^ 『朝日新聞』2014年4月27日付朝刊「軍縮求め、核保有9カ国提訴 マーシャル諸島」(電子版)。
- ^ 『しんぶん赤旗』日曜版2014年8月3日付「島は核実験場だった 核保有国を提訴 駐日大使トム・キジナーさん語る」。
- ^ 『毎日新聞』2014年6月21日付朝刊「マーシャル諸島:核軍縮訴訟、審理入りへ 国際司法裁、英・印に書面提出命令」。
- ^ 日本の軍縮・不拡散外交(外務省)
- ^ 「“核”を求めた日本」報道において取り上げられた文書等に関する外務省調査報告書 外務省
- ^ a b c 「『核の先行使用』放棄探る――佐藤元首相が提案、米は拒絶」(朝日新聞、2016年3月14日号 1面・3面)
- ^ 『核兵器はなくせる』 オバマ声明 大多数が支持 NPT準備委で秋葉市長らが訴え中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター 2009年5月8日
- ^ 田上富久長崎市長の演説 NPT再検討会議 (PDF) 長崎市
- 1 核拡散防止条約とは
- 2 核拡散防止条約の概要
- 3 概要
- 4 核軍縮交渉義務
- 5 日本
- 6 脚注
核拡散防止条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:25 UTC 版)
核拡散防止条約第4条においては、原子力の平和利用が謳われている。条約第5条において、平和的核爆発のためであるならば、核兵器保有国が非核兵器保有国の締結国に対して、国際的監視の下で平和的核爆発を行うことができるとされている。
※この「核拡散防止条約」の解説は、「平和的核爆発」の解説の一部です。
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