東洋系ニンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 15:11 UTC 版)
中国で改良された東洋系のニンジンは、日本には江戸時代に伝えられ、戦前まで各地で作られるようになった。長さ20 cmを超える長根種が多く、赤色の金時にんじんを筆頭に、甘味が強くてニンジン特有の臭いは強いが、煮ても形が崩れにくいので和風の料理に重宝される。なかでも京料理では比較的多く用いられることから金時ニンジンは「京人参」とも呼ばれ、京野菜のひとつに数えられている。しかし、栽培しにくいことがネックとなり、第二次世界大戦後は西洋系ニンジンが主流となってきている。正月料理用などとして、現在でも晩秋から冬にかけて市場に出回るが、栽培量が少ないためこの季節以外では入手が難しい。この他沖縄県の伝統野菜のひとつで黄色い島ニンジンまたはチデークニーと呼ばれる品種や、アフガニスタン原産の黒人参などが東洋系に含まれる。 金時にんじん - 京野菜の一つで、別名木津にんじん。30 cmの細長い根とリコピンに由来する赤い色が特徴。やわらかくて、甘みが強い。おせち料理に重宝される。 熊本長ニンジン - 熊本の伝統品種で、ゴボウのような細長い根を持つ。縁起物として知られ、正月用に出回る。 沖縄島ニンジン - 沖縄の在来種で、黄色でゴボウのように細長い。ニンジン臭がなく、甘味があり、生食のほか、スープ・炒め物・煮物にされる。 金美人参(きんびにんじん) - 中国系のニンジンでカロテンが少なく黄色い品種。ニンジン臭は少なく、肉質がやわらかい。
※この「東洋系ニンジン」の解説は、「ニンジン」の解説の一部です。
「東洋系ニンジン」を含む「ニンジン」の記事については、「ニンジン」の概要を参照ください。
- 東洋系ニンジンのページへのリンク