懸渡井
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 13:38 UTC 版)
懸渡井(かけとい)とは、木製水道橋のことである。懸樋(かけひ)とも呼ばれ、木で造った樋を支柱で支え、交差する川を跨いで水を送る仕組みである。 綾瀬川との交差を伏越ではなく、懸渡井としたのは以下のような理由があると言われている。 伏越では流路の水位を保てない恐れがある。 綾瀬川周囲は地盤が軟弱のため難工事となる。 伏越では見沼通船での船通行の妨げとなる。 木製懸渡井は損傷が多く、概ね10年ごとに架け替えられていたが、1906年(明治39年)の元圦の改造後の水量の増加に耐えられず、漏水や腐食が著しかったため、1907年(明治40年)4月改築工事に着手され、翌年3月に完成し、下部工や翼壁は煉瓦造り、上部工(橋桁)は鉄製に改造されている。しかしこの掛樋も1910年(明治43年)8月の洪水による洗掘で破壊されている。また、1926年(大正15年)には漏水止めのコンクリート打設工事が行なわれている。なお、懸渡井ではないが、見沼代用水が水域の上部を通る箇所があり、行田市に所在する荒木サイフォンで武蔵水路と交差し、西縁用水ではさいたま市に所在する砂の伏越で芝川と交差したその上部を流れている。
※この「懸渡井」の解説は、「見沼代用水」の解説の一部です。
「懸渡井」を含む「見沼代用水」の記事については、「見沼代用水」の概要を参照ください。
- 懸渡井のページへのリンク