後見人の選任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 09:32 UTC 版)
後見人は、必ず一人でなければならない、とされた(明治民法第906条、戦後民法第843条)。 明治民法 以下の順序に従って後見人が定められた(明治民法第902~904条)。 親権を行う父又は母 妻が禁治産の宣告を受けたときは、夫(夫が後見人たりえないときは、妻の父または母) 夫が禁治産の宣告を受けたときは、妻(妻が後見人たりえないとき及び夫が未成年者であるときは、夫の父または母) 戸主 親族会の定めた者 後見人が男性である場合、以下のいずれかの事由がなければ後見人の職を辞することはできなかった(明治民法第907条)。 軍人として現役軍務に服すること 被後見人の住所の市又は郡以外において公務に従事すること 自己より先に後見人たるべき者について、後見人に就任できない事由が消滅したこと 10年以上後見したこと(配偶者、直系血族及び戸主はこの限りでない) その他正当な事由があること 以下のいずれかに該当するものは後見人となることはできなかった(明治民法第908条)。 未成年者 禁治産者及び準禁治産者 剥奪公権者及び停止公権者 裁判所において解任された法定代理人又は保佐人 破産者 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族 行方の知れない者 裁判所において後見の任務に堪えない事跡、不正の行為又は著しい不行跡があると認められた者 戦後の民法改正後 配偶者の一方が禁治産の宣告を受けた場合は、他方が当然に後見人となり(改正後の第840条)、それ以外の場合は家庭裁判所が後見人を定める(第841条)。 後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができ(第846条)、以下のいずれかに該当するものは後見人となることはできなかった(第847条)。 未成年者 禁治産者及び準禁治産者 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人又は保佐人 破産者 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族 行方の知れない者 未成年者が禁治産者となった場合、父母共同親権の規定(第818条)と後見者は一人という規定の調整が必要となる。このような場合、親権は父母が共同して行い、特に禁治産者であるために必要なこと(主に療養・看護)は家庭裁判所が選任した後見人が行う。
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