しあわせな‐ていさんそしょう〔しあはせなテイサンソシヤウ〕【幸せな低酸素症】
幸せな低酸素症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 16:18 UTC 版)
詳細は「en:Silent hypoxia」を参照 幸せな低酸素症 (ハッピー・ハイポキシア、happy hypoxia)、もしくは静かな低酸素症 ( Silent hypoxia )と呼ばれる呼吸困難(息苦しさ)を感じない無症候性の低酸素症状態である。 息苦しさを感じるには、血中二酸化炭素濃度( PaCO2 )が高くなり視床下部にある呼吸中枢を「息苦しさ」として刺激される必要がある。息苦しくなると、呼吸回数を増やしたりして呼吸調節が行われる。そのため、酸素が減っていても血中二酸化炭素が増えない場合は息苦しさを感じない状態となる。 新型コロナ患者で同症状をしめした半数以上でも、血中の二酸化炭素が低い状態が確認されている。ほか、味覚が鈍る症状のように「息苦しさ」を感じる感覚に作用している可能性が指摘されている。 上の図は何もせず、一度水中に潜り、水面に戻るまでの血中の酸素(O2)と二酸化炭素(CO2) 濃度を示したものである。二酸化炭素が先に上昇して呼吸が必要と感じるトリガーを引き、酸素がブラックアウトゾーンに達する前に水面に戻ってきていることがわかる。 上の図は、血中二酸化炭素を低下させ長く水中に潜っていられる呼吸法ハイパーベンチレーションを行い水上に戻る前に失神した場合の血中酸素(O2) と 血中二酸化炭素(CO2) 濃度を示したものである。二酸化炭素が息苦しさを感じさせるトリガーポイントまで余裕がある状態で、酸素濃度が失神(ブラックアウト)ゾーンに達していることがわかる。
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